秋に気をつけたいシニア猫の健康管理
徐々に涼しくなる秋は、自然と食欲が増し健康に過ごせるイメージがあるかもしれません。ところが、秋は意外と要注意な季節です。特に高齢期の猫や、持病を抱えた猫は元々の病気が悪化しやすい時期でもあるのです。
そこで過ごしやすい季節だからこそ気にかけてほしいことを、いくつかご紹介いたします。
1.消化に良い食事を心がけて
「食欲の秋」という言葉がありますが、これは猫にも当てはまります。積極的に食べることで、暑さでバテてしまった体力を補い、寒い冬に向けて脂肪を蓄える準備をします。
自然と食欲が増しているのだから問題ないと思うかもしれませんが、これが思わぬ落とし穴になります。食べたいという欲求に胃腸が追いつかず、消化不良を起こしやすくなるのです。
普段のドライフードをふやかしたり、ウエットフードを混ぜるなど工夫を凝らして消化しやすい食事を心がけてください。
2.朝晩の気温差に気をつけて
秋は快適な気温という感覚は、もはや昔の話かもしれません。季節感にズレが生じている現代は、秋といえど残暑が厳しかったり、昼夜の気温差がより厳しい印象があります。
シニアの猫や持病のある猫では、この気温差が体力を奪い、免疫力を低下させてしまいます。これが猫風邪を引いてしまう(もしくは再発する)、腎臓病や尿路結石を悪化させてしまう要因になります。
エアコンや換気を上手に活用して、室内の温度差が激しくならないように配慮してください。
3.こまめにブラッシングを
秋には換毛期を迎え、夏毛から冬毛へと生え変わります。秋の換毛期は抜け毛の量がそれほど多くはないものの、それなりに抜け毛が発生します。
その影響で毛玉を吐きやすくなったり、長毛種の場合は毛球症を発症しやすくなります。頻繁に嘔吐すると、体力を消耗してしまいます。
高齢の猫の場合は、嘔吐が原因で誤嚥性肺炎を引き起こすこともあります。これらを予防するためにも、普段以上にブラッシングを意識的に行うようにしてください。
4.水分補給を促して
涼しくなることで、夏に多い熱中症のリスクはひとまず落ち着きます。それでも、水分補給は健やかな生活を送るうえで重要なポイントです。
砂漠で生活してきた猫には、秋から冬にかけてはより一層水を飲む習慣がなくなってしまいます。
これが腎機能の低下や、尿路結石を作りやすい環境に繋がります。消化に良い食事が水分補給を促す手段としても役立ちます。それプラス、新鮮な水を飲める場所を増やす、微量のマタタビを混ぜるなどの工夫をしてみてください。
5.適度な運動・日向ぼっこをさせてあげて
冬が近づくと、少しずつ運動量が低下して睡眠時間が増えていきます。寒さを凌ぐために、体力を温存しようとしているのです。確かに野生の世界では理にかなった行動ですが、適温が保たれた室内では肥満の原因になってしまいます。
シニア猫は元々運動量が少ないものですが、日光浴をする機会が減少することも良くありません。日向ぼっこをすることで得られるビタミンDは、丈夫な骨を維持するために欠かせない物質です。
まだまだ運動ができる猫は、飼い主さんが積極的に遊びを促してください。のんびりと過ごすことが適切な年齢の猫は、快適に日向ぼっこを楽しめるように日差しを積極的に取り込むようにしましょう。
まとめ
シニアの猫にとって、季節の変わり目は体力面でのダメージを受けやすく、体調が崩れやすくなります。
残暑が厳しい夏から秋にかけて、寒さが身に染みる冬に向けて、些細な変化も軽視しないことが大切です。
もしも異変があれば、かかりつけの動物病院に相談するようにしてください。