猫のいる家でアルコール消毒液を使う場合に気をつけること
近年、新型コロナウイルスなどのウイルス感染症を予防するために、アルコール消毒液を使っている人はたくさんいることと思いますが、「猫にとってアルコールはとても危険だから、使っても大丈夫なのかな?」そういった心配を抱えている飼い主も少なからずいるのではないでしょうか?
結論から先にいいますと、猫がいる家でアルコール消毒液を使うときはいくつか注意すべき点はありますが、使っても問題ないといえます。ただ、猫は体内でアルコール成分を分解することができないので、少しでも舐めたりにおいを嗅いだりしてしまうとアルコール中毒を引き起こしてしまう危険性があります。ですので、アルコール消毒液を使うときは特に以下の3つに気をつけるようにしましょう。
1.アルコール消毒液に触れさせないこと
まず注意すべきことは、猫を『アルコール消毒液に触れさせないこと』です。猫がアルコール消毒液に触ったり体につけたりしてしまうと、アルコール消毒液がついた部分を舐めてしまう可能性があります。もし、口にしてしまうと中毒を引き起こすことになってしまいますので、触れさせないよう気をつけてください。
2.アルコール消毒液に近づけさせないこと
アルコールは猫が口にしたり体に触れたりすることで中毒を起こすだけでなく、なんと!においを嗅ぐだけでも異変が起こることがあります。よだれが出てしまったり、ふらつきが起こるかもしれません。アルコール消毒液の場合、容器に入っているときはほとんどにおいを発することはないので、それほど心配しなくても大丈夫といえます。
しかし、猫が遊び目的で消毒液の容器を猫パンチしたりガジガジ噛んだりしてアルコール液が飛び出してしまった!というトラブルが起きてしまうことも少なからず考えられますので、猫がいる部屋にはアルコール消毒液を置かないようにしておきましょう。
3.アルコールで手を消毒したら乾いてから一分経つまでは猫に触るのNG
アルコール消毒液で手を消毒したときは、その部分が完全に乾いてから一分ほど経過するまでは愛猫に触るのを我慢してください。なぜなら、アルコールが揮発して手が乾いても少しの間アルコールの成分やにおいが手に付着しているからです。
もし、アルコールが手に残っているときに愛猫を触ってしまうとアルコール成分やにおいが愛猫の体についてしまうことになります。特に愛猫がアルコールの付いている手を舐めてしまったときは中毒症状がでてしまう危険性がありますので、『手が完全に乾いてから一分ほどは愛猫を触らない』ということを徹底してくださいね。
アルコール中毒になるとどのような症状がでるの?
猫がアルコール消毒液を舐めたり、においを嗅いだりするとアルコール中毒を起こしてしまう危険性があることは理解していただけたかと思います。では、実際に猫がアルコール中毒を引き起こしてしまうと、どのような症状が出てしまうのでしょうか。
- 嘔吐
- 下痢
- 不整脈
- 心拍数の低下
- 意識障害
- 呼吸困難
- 昏睡状態
猫がアルコール中毒になってしまうとこのような症状が出てしまうそうで最悪の場合、命を失ってしまうケースもあるといえるでしょう。また、先ほどもお伝えしましたが猫はアルコールを分解することができませんので、一度アルコールを摂取してしまうと体調の回復に長時間かかります。
なかにはアルコール成分を口にしてから数十分後に症状が悪化してしまった!といったケースもありますので、愛猫がアルコール消毒液を舐めてしまった場合は、なるべく早く動物病院に連れて行ってあげてくださいね。
アルコールが入っている除菌シートで猫の体を拭くのは絶対NG!
アルコール消毒液と同じ使い方をする『アルコール成分の入った除菌シート』も猫にとってとても危険なものとなりますので、扱い方に気をつける必要があります。「体を拭くだけだから大丈夫でしょ」そう感じてアルコール成分の入った除菌シートで愛猫の体を拭いている飼い主は意外とたくさんいるそうです。ですが、とても危険な行為となりますので要注意!
なぜなら、除菌シートで拭いた体を後から愛猫が舐めてしまう可能性が非常に高いからです。「体が濡れていて気持ち悪いにゃ……」そう思いながら自分の体を毛づくろいする猫はたくさんいることでしょう。
また、アルコール成分が入っている除菌シートで体を拭くと猫が至近距離からアルコールのにおいを嗅ぐことになってしまい、においによって体調不良を起こしてしまう危険性も考えられます。ですので、除菌シートを使うときは猫に安全なノンアルコールタイプのものを使用するようにしてくださいね。
まとめ
猫のいる家でアルコール消毒液を使うときは、猫がアルコールに触れないよう気をつける必要があります。
- アルコールに触れさせない
- アルコールのにおいを嗅がせない
- アルコール消毒液は猫がいる場所に置かない
- 消毒した手が乾いても一分ほどは猫を触らない
といったことに気をつけると、愛猫をアルコール中毒の危険から守ることができるといえるでしょう。愛猫の安全を守りながら、あなた自身の健康も守ることができると良いですね。