猫の「晩年期」突入。判断ポイント3つ

猫の「晩年期」突入。判断ポイント3つ

愛猫にはいつまでも元気でいてほしいと願うものです。しかし、愛猫の「老化」と向き合うことは愛猫が生涯幸せに暮らすためにとても重要なことです。猫の年齢によってライフステージを「○歳からは○○期」と呼ぶことがありますが、老化のスピードには個体差がありますので「その子自身の様子」で判断してあげると良いでしょう。今回は【猫の高齢期のサイン】をご紹介します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.身体の衰え

赤い毛布の上で寛ぐ猫

猫は聴力→嗅覚→視力の順で頼っています。老化によって各感覚器官が衰えてきますので、耳が遠くなったり目が見え辛くなったりすることがあります。

視力の衰え

猫の視力はもともと良くないこともあり、愛猫の視力の衰えに気付きにくいかもしれません。

  • 愛猫と目線が合わなくなった
  • 物にぶつかるようになった
  • 目が濁ってきた

などの場合は、視力の低下を疑いましょう。

聴力の衰え

猫の聴力が衰えてきたサインは、

  • 鳴き声が大きくなった
  • 呼びかけに反応しなくなった
  • 物音に驚かなくなった

などがあります。

もしも愛猫の聴覚や視力などの衰えを感じたら、それ以降は部屋の模様替えをしないようにしましょう。

筋力の衰え

老化によって身体能力が衰えると、今まで好んで上っていた高い場所に上らなくなることがあります。または、今まで通り上ろうとして失敗したり、高所からうっかり落ちてしまったりすることもあります。筋力の衰えや関節痛などが原因になることが多いでしょう。

今まで通りお気に入りの高所に上りたがる場合には、安全に上り下りできるよう緩やかな踏み台やスロープを設置してあげましょう。高所に上らなくなった場合には、安全にくつろげる新しい場所を用意してあげましょう。

2.毛並みが悪くなる

毛づくろいする茶トラ猫

猫の健康状態は毛並みによく表れます。しかし、高齢になると老化現象によってどうしても毛並みが悪くなりやすいです。猫の毛並みが老化によって悪くなる原因は、

  • セルフグルーミングをしなくなる
  • 体脂の分泌のバランスが乱れる
  • 痩せてくることにより毛並みが悪く見えやすい

などがあります。

若い頃と比べるとパサつきを感じやすく、毛並みが割れて見えるようになります。高齢期に入った猫ちゃんには、飼い主さんの優しく丁寧な毛並みケアが必要になってきます。

3.口内環境の悪化

口を大きく開けてあくびをしている茶トラ猫

老猫になると歯の黄ばみが目立つようになります。また、高齢になるにつれて猫の口内環境は悪化しやすくなります。歯槽膿漏や歯周病によって歯が抜け落ちたり、口臭が強くなったりすることも少なくありません。
歯槽膿漏や歯周病の悪化は痛みや不快感を伴うため、猫ちゃんの快適な暮らしを守るためには獣医さんとの連携が必要となるでしょう。愛猫の心身に負担をかけすぎず、かつ痛みや不快感を取り除くための方法を獣医師と相談してみましょう。

まとめ

椅子の上で丸まって眠る猫

今回は「猫の高齢期のサイン」を3つご紹介しました。猫は運動能力が高く、自分で自分をキレイにするセルフグルーミングを行う動物ですが、老化によってできないことが増えていきます。今まで好んで上っていた場所に上れなくなったり、名前を呼んでも反応しなくなったり、毛並みが悪くなったりといった変化が見られることがあります。

老化現象によるものは仕方のないことではありますが、大切なことは「異変に早期に気付くこと」「できなくなったことをサポートしてあげること」です。愛猫の老化をしっかり受け入れ、これからの愛猫が快適に暮らしていけるサポートをしてあげることが大切です。

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