飼い猫の「子猫気分」
人間の場合は「赤ちゃん返り」というと、お子さんが急に現在の年齢よりも幼い行動を取ることをイメージしますよね。言葉遣いが赤ちゃん言葉になったり、かんしゃくを起こしてワガママになったり、お漏らしをしてしまったり、といった行動が当てはまります。
猫は結構頻繁に赤ちゃん返りをしている
猫の場合、実はとても頻繁に赤ちゃん返りが見られます。というのも、猫が飼い主さんに「甘えたい」と思うときは、大体「子猫の気分」になっているためです。そして、猫の「甘えたい」という気持ちの表れている行動は、その多くが「子猫が母猫に甘えるときの行動」なのです。
飼い主さんは「母猫」という認識
人間に飼われている猫は、飼い主のことを「母猫」と認識していることが多いです。これは飼い主さんが男性であっても、自分のお世話をしてくれる一番信頼する存在という意味で「母猫」となります。そして、飼われている猫は不妊手術を受けていることがほとんどなので、身体が成猫になっても子猫の気持ちを持ち続けることが多くあるのです。
猫の「赤ちゃん返り」の行動
猫が「子猫気分」で甘えるときの行動
猫が「子猫気分」になって飼い主さんに甘えているときには、
- 前足でフミフミする
- 毛布を吸う
- しっぽを高く上げる
- 喉をゴロゴロ鳴らす
- 高く甘えた声で鳴く
- 飼い主さんにベッタリになる
- わざと攻撃をしてくる
などの様子が見られます。もともと甘えん坊の子なのかクールな子なのかという性格の違いによって度合いは異なりますが、これらの行動を見てみると割とよく目にする行動かと思います。
「成猫気分」と「子猫気分」のスイッチ
猫の気分はとても急に変わります。猫は「成猫気分」と「子猫気分」がスイッチのように入れ替わるためです。そのため、「子猫気分のスイッチ」が入ってゴロゴロと喉を鳴らし膝の上に乗ってきたかと思えば、満足した途端に「成猫気分のスイッチ」に切り替わって「ガブッ!」と噛んできてしまったりするのです。
愛猫の「赤ちゃん返り」の対処法
1.満足するまで構ってあげる
猫は頻繁に「子猫気分のスイッチ」が入ることがあるので、愛猫が子猫気分で甘えてきたときには満足するまで甘えさせてあげるという対処法で様子を見てみましょう。子猫気分になってしまうのは異常なことではないので、飼い主さんに甘えて満足すれば「成猫気分」に戻ることも多くあります。
特に老猫の場合は、身体の衰えや体調不良などの不安感によって甘えん坊になりやすいです。ぜひ老猫ちゃんができるだけ安心できるように、穏やかな時間を共に過ごしてあげてください。
2.ストレスがないか生活を見直す
愛猫が急に甘えん坊になったり、以前よりも甘え方が過激になったりした場合には「ストレス」が原因かもしれません。
- 引っ越し
- 赤ちゃんが産まれた
- 新たなペットが来た
- 運動やスキンシップ不足
など、環境の変化によって猫ちゃんの精神が不安定になっている恐れがあります。愛猫に何らかのストレスがないか生活環境を見直し、できるだけ猫ちゃんが寂しい思いをしないように接してあげてください。
3.執拗な場合はあえて無視する
愛猫の赤ちゃん返りがあまりにも過激な場合には「距離を置く」のも1つの方法です。
- 後追いが激しくなった
- 構うまで鳴いて要求する
- 噛みついたり飛び掛かってきたりする
このような過激な甘え方のときには、猫ちゃんをあえて無視して距離をとることで「この行動をしても構ってもらえない」と理解する可能性があります。
しかし、愛猫の赤ちゃん返りを無視する前には、必ず愛猫に何らかのストレスや体調不良などがないかを確認してからにしましょう。猫の行動には必ず理由がありますので、「なぜ過剰に甘えるのか」を考える必要があります。
まとめ
ゴロゴロ喉を鳴らすことや高い声で鳴くことなど、よく目にする行動の中にも「猫の赤ちゃん返り」の行動があります。猫は飼い主さんのことを「母猫」のような存在として認識していることが多いので、子猫が母猫にする甘えの行動を飼い主さんにも見せるのです。
そのときの猫は「子猫気分」になっていますので、そのときに甘える行動が「猫の赤ちゃん返りの行動」と言えるでしょう。
猫は「子猫気分」と「成猫気分」のスイッチが急に切り替わります。そのため、赤ちゃん返りを見せている愛猫が満足するまで構ってあげると、満足した途端に「成猫気分」に切り替わってクールになることも多くあります。
しかし、愛猫が急に甘えん坊になったと感じたときには、愛猫にストレスがかかっていないか、体調不良ではないかを確認してあげましょう。
その上で、愛猫の赤ちゃん返りの行動が過激な場合は無視をして距離を置く対応をすると「こうしても構ってもらえない」ということを理解してくれる可能性があります。老猫の場合は身体の老化による不安感や体調不良などで甘えん坊になりやすいので、できるだけ安心してもらえるように穏やかな時間を過ごしてあげてください。