猫が亡くなる前に見せる不思議な行動
猫と暮らしていて辛いことは、お別れの日が必ずやってくるということでしょう。猫は死期を悟るといなくなるという通説がありますが、完全室内飼育の猫はどうなのでしょうか?
ここでは、完全なる家猫が亡くなる前に見せる不思議な行動を5つご紹介いたします。
1. よく甘えるようになる
死が身近に迫っている猫の甘え方は、とても独特です。常に人のそばを離れたがらず、飼い主さんの姿が見えなくなると不安そうに探すような素振りを見せます。病状によって、実際に動ける場合とそうでない場合があります。
動ける場合は積極的に探し回ります。動けない場合はキョロキョロしていたり、常に不安気な表情を見せてきます。
なぜ甘えるようになるのかという科学的な根拠はまだ解明されていません。ただし、ただならぬ事態に強い不安を抱いているのではないかと推測されます。
家猫は素直に飼い主さんに頼ることができるので、"そばにいてほしい"と正直に訴えることができるのでしょう。
2. よく鳴く
認知症や脳腫瘍など、脳の病気を患う猫はよく鳴くようになります。しかし、亡くなる前兆とこれらの区別は難しいでしょう。
これまでずっと愛猫のそばにいた飼い主さんは、他の人には分からない些細な変化を敏感に感じ取ることができます。いつもと様子が微妙に異なる場合は、死期が迫っているかもしれませんので様子をしっかり見守りましょう。
死期が迫るとなぜ鳴くのかについては、不明な点も多いですが甘える行動と同様に、「不安」は背景にあるでしょう。
さらに、動くことができないと飼い主さんを追うことも探すこともできません。だから、姿が見えなかったり、気配が感じ取れないと鳴いて訴えることが多くなるのかもしれません。
3. わがままになる
猫がわがままなのは元々と思うでしょう。確かに猫は自由気ままでマイペースな動物です。でも、ここでいう「わがまま」は少々質が異なるものになります。
先に述べた「甘える」に通ずる部分がありますが、もう長くないと感じている猫は「聞き分け」が悪くなることがあります。
飼い主さんが仕事に行く際、今まではすんなり離れてくれたのに今日は離れようとしない。少し離れようとするとしがみついて離れない。「うちの子どうしちゃったの?」と違和感を覚えるような頑固さを発揮します。
これも理屈で説明できるものではありませんが、やはり"今日だけでいいからそばにいて"という気持ちが強いのでしょう。
4. 突然元気になる
まるで台風一過のように、これまで身動きすら取れなかった愛猫が突然元気になることがあります。その状況を目の当たりにすると「奇跡が起きたのでは?」と嬉しくなります。
しかし現実は残酷で、それが亡くなる前兆ということが多いのです。これは猫のみならず、人間や他の動物にも見られる現象です。なぜパワーがみなぎるのかは分かりません。
おそらく、家族と楽しく過ごす最期の機会を与えられているのでしょう。「エンジェルタイム」という素敵な表現があります。もうお別れが近いと思うと楽しむ気分にはなれませんが、愛猫と過ごす最期の時間を大切にしてください。
5. 隠れる場所を探す・実際に隠れる
冒頭で、死期を悟った猫にまつわる通説を取りあげました。猫が行方をくらましたり、どこかへ隠れてしまうこと自体は実際にあることです。家猫の場合は、押し入れや家具の下などに隠れてしまうことが多いでしょう。
猫はやはり、旅立つ姿を飼い主さんには見せたくないものなのでしょうか?それは違います。実は、最後の最後まで生きようと身を潜めるのです。
弱った体では、いつ天敵に襲撃されるか分かりません。とりあえず安全そうな場所でじっと耐えようとしています。これは猫の本能なので、家猫でもそのような行動をとるのです。
行動自体は否定せず、しかしひとりで最期を迎えたいと誤解せずに、優しく声をかけてあげてください。
猫がお別れの際に残す言葉
本当にお別れが近いとき、猫が大声で鳴いたり、「ゴニョニョ」と何か言葉を発することがあります。これも理屈ではありません。
何を伝えたかったのかは愛猫にしか分かりませんが、きっと感謝の気持ちを人間に伝わりやすいコミュニケーション方法で伝えてくれているのでしょう。
まとめ
ここで紹介させていただいた行動は、ほんの一例です。全てがお別れに繋がるとは限りませんが、比較的よく見られるものになります。
筆者は、猫との別れを「心がえぐられるほど辛い」とよく周囲に言っています。本当に言葉にならない悲しみが押し寄せるものです。
でも、真の悲しみは「真実に背を向ける」なのかもしれません。愛猫からのシグナルを受け入れて、貴重な時間を無駄にしないことが大切なのでしょう。