猫の老化サイン
悲しいことですが、「老い」は誰にでも平等に訪れます。それは猫も同じで、年齢を重ねる中で徐々に老化現象が始まります。完全室内飼育の猫の場合、高齢期は11歳頃からといわれていますが、7歳頃から老化のサインが出てくることもあります。
概ね7歳を迎えた頃から老化について意識し、気にかけてあげると良いでしょう。今回は猫の老化の始まりに見られる変化を5つご紹介いたします。
1. 寝て過ごす時間が増えた
健康な成猫は1日に10時間程度、小刻みな睡眠を繰り返して過ごします。一方、年齢を重ねると睡眠時間が増え、高齢の猫は18時間程度眠るようになります。
お気に入りの場所でのんびり過ごすことが増えたと感じたら、老化を意識してみましょう。無理に遊びに誘うよりも、飼い主さんが優しく声をかけてあげると良い刺激になります。一緒にまったり過ごすのも良いかもしれません。
2. 動作がゆっくりになった
歳をとると機敏な動作が困難になります。歩くこと、食べること、トイレに行くことなど、あらゆる動作がゆっくりになっていきます。愛猫を見ていて大変そうだと感じることもあるかもしれません。
しかし、自力で何でもできるうちは見守りに徹しましょう。ペースはゆっくりでも、適度に動くことで筋力低下を緩やかにすることができます。フードに関しては様子を見て、柔らかいものに変更することも検討してみましょう。
3. 高所への移動が難しくなってきた
猫は、華麗なジャンプでどこへでも飛び移ります。カーテンレールを歩かれてヒヤヒヤした飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
ところが、老化が始まると高所へのジャンプが困難になってしまいます。これは、筋力の低下によるものが大きいでしょう。いきなりキャットタワーを撤去する必要はありませんが、怪我や落下を防止するために徐々に低くしていくとよいでしょう。
ジャンプに失敗してしまった場面を目の当たりにした際は、「大丈夫?」「痛くない?」などの言葉をかけてあげましょう。失敗を笑うのは厳禁です。
4. 反応が鈍くなり始めた
猫も人間のように、歳とともに感覚器官が衰え始めます。人間よりもはるかに優れた聴力も低下が見られ、飼い主さんの呼ぶ声にも反応が鈍くなります。
些細な物音にも敏感に反応していた愛猫が、あまり音に反応しなくなったと感じたら、耳が遠くなり始めているかもしれません。
愛猫が加齢による難聴になってしまったら、背後から迫ることを避けましょう。驚かせないためにも正面からゆっくり接近し、人差し指でそっと鼻に触れながら声をかけてあげましょう。
5. 白髪が生える・毛艶が悪くなる
加齢とともに、猫の被毛も全体的に白くなっていきます。人間でいう白髪です。さらに毛艶もボソボソとした質感へと変化していきます。これらの被毛の変化は個体差が大きく、10歳よりも若い段階で白髪が生え始める猫がいる一方で、20歳を目前に控えるような高齢の猫でも毛艶が良い場合もあります。
若い頃から毛艶を意識すると良いでしょう。栄養バランスの整った総合栄養食をしっかり食べ、適度にブラッシング(短毛種は2~3週に1回、長毛種はほぼ毎日)をするだけでも、良質な毛並みを維持することに繋がります。
できることに目を向けよう
老化というと、ついできなくなってしまったことに囚われてしまいます。体調の変化を気にかけることは重要ですが、可能な限り加齢をポジティブに捉えていくことが大切です。
できなくなったこと、失ってしまった機能ばかりに目を向けず、まだまだできることに注目してあげてください。飼い主さんがポジティブに接することで、愛猫もそれに応えようとモチベーションが上がります。
まとめ
猫は人間よりも早く歳をとってしまいます。しかし、若い頃からの食生活や運動習慣、適度に刺激のある生活を送ることで老いを感じさせない生活を目指すことは可能です。加齢に伴う小さなシグナルを見逃さず、愛猫に合ったエイジングケアをしてみてください。