猫を心の病気にしてしまう飼い主のNG行為3つ

猫を心の病気にしてしまう飼い主のNG行為3つ

猫も心を痛め、時には病気になってしまうことがあります。さらに、残念ながら飼い主さんの些細な行動が原因になることもあります。今回は猫の心の病とその引き金となる人間の行動をご紹介いたします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫にも心の病気がある

飼い主に抱っこされて憂鬱そうな猫

猫はとても繊細な動物です。人間以上に精神的なダメージを負いやすく、実際に心の病と呼ばれる病気も存在します。ここでは、まず代表的な病気を3つ簡単にご紹介いたします。

同じことを繰り返す「常同行動」

前足の肉球を毛繕いする猫

常同行動は、不安障害の一種です。過度なストレスから過剰なグルーミング・尾追い・ウールサッキングなどを繰り返す症状が見られます。

常同行動における行動は、通常意味のない行動を繰り返すといわれています。しかし、猫の場合はどの行動も気持ちを落ち着かせるためのものです。それが過剰になってしまったものと理解してください。

この病気は、一時的なストレスであれば早く落ち着くこともありますが、ストレスが慢性的なものであれば長い付き合いになる可能性もあります。

ある特定のものが苦手になる「恐怖症」

怯えた表情で警戒している猫

恐怖症とは、本来であれば危険ではないものに対して強い恐怖心を抱くものです。大抵の場合、何かしらのきっかけがあります。例えば、虐待を受けた経験を持つ保護猫の場合、人の手ですら恐怖の対象になることがあります。

また、虐待に限らず、社会化期(生後2~3か月頃までの時期)における経験値の不足が、恐怖の対象を増やしてしまうことがあります。猫は怖いと感じると、体が硬直する・飛び上がる・隠れてしまうなどの行動を取ります。

何げない日常でこれらの行動を目にした場合は、飼い主さんの直前の行動や、出来事を思い出してみてください。恐怖の対象を特に危険がないと理解して、少しずつ慣れていくことで改善することができます。

姿が見えないと不安になる「分離不安」

男性に抱っこされて目を閉じる猫

猫は比較的、留守番が得意といわれていますが、個体差があります。中には、留守番どころか飼い主さんの姿が少し見えなくなるだけで耐えられない猫もいるのです。

これが強い不安になり、留守番をすると決まって体調不良を起こしたり、イタズラをしてしまったりとトラブルを抱えてしまう状態を分離不安といいます。

甘えっ子気質の猫や、飼い主さんが家にいる時間が長い場合は注意が必要です。そして、コロナウイルスの影響でずっと家にいた飼い主さんが、再び元の生活に戻るタイミングにおいても気をつけたい病気です。

心の病を招きやすい飼い主さんの行動

椅子の上でぐったりする猫

猫は不調を隠す傾向にあります。体の不調はもちろんのこと、心の病はより一層分かりにくいものです。そして、残念なことに発症のきっかけに飼い主さんの行動が関与していることも珍しくありません。

ここでは、心の病に繋がりやすい飼い主さんの行動を3つご紹介いたします。

1. 知らぬ間にストレスを与えている

赤ちゃんの世話をする飼い主と不機嫌そうな猫

猫はとても繊細です。言葉を話すことも、全ての言葉を理解することもできませんが雰囲気でその場の空気を感じ取っています。猫にとって、刺激の多すぎる生活もなさすぎる生活もストレスになります。飼い主さんの環境の変化や、同居動物が増えるなど、我々にとってはよくあることが負担になってしまうのです。

2. 落ち着きがない・大きな音を立てる

掃除機を嫌そうな顔で見る猫

猫は聴覚が優れているので、大きな音が苦手です。人間との生活では大きな音と接する機会が割と多いでしょう。ただし、社会化期にこれらの音に触れる機会があれば慣れることができます。

さらに忙しなく動き回る飼い主さんに対しても、一種の恐怖を感じることがあります。知らぬ間に恐怖症を作っている可能性も十分に有り得るのです。

3. 猫と適度な距離を取らない

飼い主の膝の上で甘える猫

愛猫とのスキンシップは大切ですが、一緒にいる時間が長すぎることで逆に飼い主さんから離れられなくなってしまう可能性があります。これが分離不安につながります。

甘えっ子な性格は個性なので否定することはできません。ただし、最低限の留守番がひとりでできるように促すことは大切です。時々ひとりで過ごさせるように心がけると良いでしょう。

まとめ

ソファの背に乗ってだらりとする猫

猫にも心の病があり、時にはその引き金を飼い主さんが引いてしまうことがあります。まずは愛猫の性格を把握して、病気の予防に努めましょう。

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