1.子猫の場合
生後8週間まではリスクが高い
産まれて間もない子猫の場合、基本的にお留守番は控えましょう。生後8週間を過ぎた子猫ちゃんの場合は、3時間程度がお留守番の限度と言われています。とても未熟な時期なので、体調の急変や思わぬ事故のリスクがあり、お部屋の環境の徹底も必須となります。
生後3か月を過ぎたら半日程度
生後3か月を過ぎた頃には、半日程度のお留守番が可能になると言われています。この頃の子猫ちゃんは、まだまだ未熟でありながらも体力や好奇心はとてつもなくある状態です。そのため、留守中に思わぬ事故を引き起こさないように、ケージの中でのお留守番が安心です。
ケージの中でストレスを溜めないように、考え得る事故のリスクを減らしつつも、ケージ内の快適さを保ってあげましょう。ケージ内が安全で快適なら、子猫のうちは睡眠時間も長いため半日程度のお留守番ならグッスリ眠って過ごしてくれるでしょう。
2.老猫の場合
猫の老化現象
猫の老化現象は個体差によるところも大きいのですが、飼い主さんが愛猫の老化を感じ始めるのは大体猫ちゃんが11歳になるころが多いようです。飼い猫の場合、14歳頃になると老化が顕著に現れやすくなります。
急にトラブルになる危険性
猫の老化現象は身体的にも現れてきます。猫は身体能力が高い動物ですが、老化によって運動能力の衰えが生じます。そうすると、今まで何げなく過ごしてきた家の中でも、思わぬ事故が起こる危険性もあるのです。
不要なお留守番をさせない
体調や精神的に問題がない成猫で、ごはんやトイレの対策がなされている場合は1泊(24時間)程度のお留守番は耐えられると言われています。しかし、老化が顕著に現れてきたなと感じたら、1泊のお留守番は不安が残ります。そのため、できれば不要なお留守番をさせないようにしたいところです。お留守番を任せる際にも、ペットカメラを設置すると愛猫の安全を確認することができて安心です。
3.成猫で独立心が強い子
生後1年を迎え成猫と呼べるようになったら、1泊(24時間)までのお留守番に耐えられると言われています。しかし、24時間という長時間のお留守番の条件としては、
- ごはんが食べられる対策
- トイレの清潔を保つ対策
- 室温を快適に保つ対策
- 部屋の中に危険がないか確認する
といった、猫ちゃんの生活環境が健やかに保たれるように対策を施すことが必須です。
長時間のお留守番向きなのは
猫はクールなイメージがありますが、個々の性格はまさに十猫十色です。典型的な猫!と言えるような独立心が強くて心が自立できている子ならば、長時間のお留守番も耐えることができます。
- 飼い主さんが在宅でも離れた場所でくつろいでいる
- 後追いや飼い主さんへの執着があまりない
- 寝るときに飼い主さんと一緒に寝ることが少ない
このように猫らしい独立心を持っている猫ちゃんの場合は、お留守番中もストレスが少なく耐えられる可能性が高いです。
独立心が低い子の場合は要注意
- 甘えん坊で飼い主さんへの依存心が強めな子
- 1匹のみで飼っている場合
- お留守番の経験があまりない場合
などは、いきなり8時間を超えた長時間の留守番をさせるのは、ストレスを感じる恐れがあります。
留守番をさせるとどうなるのかを知る
お留守番の経験が乏しい子の場合、最大3時間程度の短い時間から飼い主さんの不在に慣れていきましょう。そして、お留守番中に物が破壊されていないか、猫ちゃんが体調を壊していないかなどの異変の有無を知っておくことも重要です。
4.飼い主さんへの依存度が高い子
分離不安のある子は要トレーニング
分離不安症の疑いがある猫ちゃんの場合、トレーニングなしではお留守番に向きません。分離不安症の子にいきなり長時間のお留守番をさせてしまうと、パニック状態、破壊行動、自傷行動、体調不良などの様々なリスクが伴います。
猫の分離不安
「分離不安」とは、飼い主さんと離れることに大きなストレスを感じ、問題行動を起こしてしまう状態のことを言います。分離不安はもともと、依存心の強い犬に見られる精神的な病気の一種とされていましたが、最近では猫の分離不安症についても注目されるようになりました。
猫の分離不安のチェックポイント
猫の分離不安をチェックするポイントは「飼い主さんが出かける時」と「留守中や飼い主さんの姿が見えなくなった時」の猫ちゃんの様子です。
飼い主さんが出かけようとする際に、
- 落ちつきがなくなる
- 足にまとわりつくなど執着を見せる
飼い主さんが留守の間や、お風呂やトイレなどで飼い主さんの姿が見えなくなってしまったときに、
- 大きな声で鳴き続ける
- 物を落としたり破壊したりする
- トイレ以外で粗相する
- 不妊手術済みなのにスプレー(尿によるマーキング)行為をする
- 自分の身体を過剰に舐め続けたり噛み続けたりする
- 攻撃的になる
- 食欲の減少や嘔吐がある
- 突発性膀胱炎をよく起こす
以上のような様子に当てはまることが多ければ、猫ちゃんが分離不安症になっている恐れがあります。
出待ちや鳴く子の場合
飼い主さんが留守にしていない場合でも、飼い主さんがお風呂やトイレに入ってしまうと、ドアの前で大声で鳴き続けてしまう子もいますよね。そういった様子を見せる子は分離不安とまではいかないまでも、飼い主さんへの依存心はやや高めと言えますので、長時間のお留守番には注意したいところです。
「甘えん坊」と「分離不安」の境界は?
「フレンドリーで甘えん坊な性格」と「分離不安症」との境目の見極めは難しいのですよね。見極めるポイントとしては、飼い主さんがいない不安から、大声で鳴き続けたり物を壊したりするといった「問題行動」、自分を執拗に舐め続けたり噛み続けたりするといった「自傷行動」、食欲の減少や嘔吐、原因不明ながらストレスによる場合が多い、突発性膀胱炎を繰り返すなどの「体調不良」など猫ちゃんが健やかさを失っている場合には、分離不安である場合が多いです。
分離不安症の場合は
猫ちゃんが分離不安症の疑いがある場合、いきなり長時間のお留守番を任せるのは大きなストレスとなってしまいます。分離不安は飼い主さんと離れることにストレスを感じてしまう状態なので、30分~1時間という短時間から、飼い主さんと離れることに徐々に慣れていくトレーニングの必要があります。
30分、1時間、1時間半…と、徐々に飼い主さん不在に慣れるトレーニングをしていきながら、飼い主さんは必ず帰ってくる、ひとりでいても安心な場所だ、留守番は日常の一部だ(慣れた)というように、猫ちゃんに認識してもらうことがポイントです。
まとめ
今日のねこちゃんより:もも♀ / 1歳 / アメリカンショートヘア / 4.5kg
今回は「猫のお留守番可能時間の見極めポイント」について解説いたしました。今回は「3時間」「半日」「24時間」などと明確な時間を記載しましたが、猫ちゃんの年齢や体調、性格によって耐えられるお留守番時間はそれぞれ違うことをご了承ください。そして猫ちゃんそれぞれに合わせて、お留守番の長さを調整してあげることが重要です。
また、猫はお留守番をすることはできますが、全くストレスを感じないわけではありません。なぜなら、猫にとって「いつもと違うこと」がすでにストレスだからです。
例えば、全くお留守番の経験がない状態で、飼い主さんが突然24時間帰ってこなかったら、猫ちゃんも不安になってしまいます。短時間からお留守番に慣れてもらうこと、そして猫はお留守番を「耐えられるだけ」ということを忘れずにいたいですね。