猫のミイラは全部キジトラ!?
古代エジプト人が、猫好きだったのは有名な話です。飼っていた猫を人と同じように死後ミイラにして、復活を願ったこともあるくらいエジプト人は猫を愛していました。発掘された猫のミイラを調べると、その全てが生前キジトラだったと判明しました。
イエネコの起源は古代エジプト
現在飼育されているイエネコの祖先は、古代エジプトで飼われていたものだと言われています。このイエネコの祖先は、他の猫科の動物と違い、人と生きることを選んだために小型で愛らしく進化していきました。これが今日の猫です。
毛色のバリエーショは突然変異によるもの
猫の毛色は、全て突然変異で生まれた物です。長毛も同じで、本来短毛キジトラのみだった毛色は、年代とともに突然変異の猫たちによってだんだんとカラフルになっていきます。
キジトラしか生きられなかった
突然変異はエジプト人と暮らしている間、その前からあったはずなのに、当時の物から見つかるのは全てキジトラの猫です。これは、キジトラが草むらや物陰に紛れやすい柄であったためと言われます。
この時代はまだまだ人とともに生きていても、猫は自由に生きていました。目立つ白猫やぶち猫が草むらにいれば、野生の動物に襲われ命を落としてしまったために、生まれても生き残ることはなかったのです。
猫の毛皮のバリエーションは人との歴史の証
人の文明が発達すると猫もカラフルに
人間が自然を切り開き文明が発達すると、共に生きる猫たちはどんな毛皮でいても安心して暮らすことができるようになりました。
その上、珍しい柄は人から好まれ、その柄を定着したいと似た特徴の猫を交配させることで、猫は急激にカラフルになっていきます。
日本では江戸時代からカラフルに
日本の猫について書かれた文献には、平安時代まではキジトラと白黒のぶち等の猫しか書かれていません。しかし、江戸時代には浮世絵に茶とらや三毛猫が登場しており、この間に猫の毛色が増えたと考えられます。
日本の猫が安心して暮らせるようになったのは、この間の期間ということですね。江戸っ子も珍しい柄の猫を好んだようです。
まとめ
山猫や虎に代表されるように、野生の世界ではシマ柄が生きるのに最適な柄であり、猫も同じようにキジトラでした。今の猫たちがカラフルなのは、人の庇護があり危険がないという前提で成り立った可愛い奇跡です。
守られると言う恩を猫はその個体個体が持つ美しさで、人間に返してくれているのかもしれませんね。