洋猫は耳が大きい?
洋猫であれば必ず耳が大きいとは限りませんが、日本猫に比べると、アビシニアンなどの洋猫にはV字型の顔に、「耳が大きい」のが特徴的な猫種が洋猫の中には多くいますね。
逆に「日本猫」と呼ばれることの多い和猫の三毛猫や、キジトラといった猫たちは、特有の毛色や尻尾、耳の形が丸く短いなどが特徴的と言えます。このため、洋猫と和猫の見分け方の一つとして、「耳が大きい猫は洋猫」として分けられることが多いと言われています。
しかし現在では、和猫も洋猫との交配が進んだため、純粋な和猫はほとんど存在しないとも言われているんですね。これにより、耳が大きい洋猫の血が混ざった和猫(雑種)には、耳が大きい子が生まれるため耳が大きめの和猫を見かけることがあるかも知れません。
耳が大きい猫種
和猫に比べると性格が穏やかで飼いやすい洋猫は、猫好きな人や飼い主さんからの人気も高く、有名な種類が多く存在します。ここで、誰もが一度は聞いたことのある耳が大きい猫種と特徴について詳しく見ていきましょう。
アビシニアン(エジプト、エチオピア)
クレオパトラに愛された猫アビシニアンですが、その美しい容姿とV字型の顔に、大きい耳が特徴的です。アビシニアンはエジプトに由来があるといわれおり、古代エジプトで残された絵には、アビシニアンによく似た猫が数多く描かれています。
ラグドール(アメリカ)
ふわふわの毛に愛くるしい顔と、大きい耳が特徴的なラグドール。この猫種を作出したのは、アメリカのカリフォルニアに住んでいたペルシャ猫のブリーダーと言われており、地域猫とブリーダーの飼っていた猫を交配して生まれた子猫が、ラグドールの基礎になりました。
アメリカン・ワイヤーヘア(アメリカ)
丸い顔につり上がった目と大きい耳、ワイヤーのように縮れた毛並みが特徴的な、アメリカンワイヤーヘア。1966年、ニューヨーク州のヴェローナの農場で生まれた、アメリカン・ショートヘアの子猫の中で一匹だけがワイヤーのように縮れた毛並みを持っており、この猫がアメリカン・ワイヤーヘアの基礎と言われています。
ソマリ(イギリス)
ソマリは緩やかなV字型の頭に、大きい耳とふさふさの毛並みと尻尾が特徴的ですね。ソマリの原種はアビシニアンであるため、体格はアビシニアンと同じ筋肉質でしなやかです。ダブルコートの被毛は1本1本が濃淡の縞模様になっており、光の加減で色味が変わって見えるとも言われています。
ターキッシュアンゴラ(トルコ)
ターキッシュアンゴラは、猫の種類の中でも非常にエレガントで美しい外見をしており、V字型の顔に飾り毛のある大きい耳と、美しいシルクのような光沢のある毛並みが特徴です。
しかし、長毛種でありながら抜け毛が少ない種類のため手入れがしやすく、飼いやすいことが人気の理由にもなっています。また、ターキッシュアンゴラは美しい外見をしていますが、これは人工的に作られたものでなく、トルコで自然発生的に生まれた猫の一種類として、ペルシャ猫と同様に重宝されていたようです。
ノルウェージャンフォレストキャット(ノルウェー)
ぬいぐるみのようなふさふさの長い被毛と大きい耳が特徴的な、ノルウェージャンフォレストキャットですが、寒さの厳しい北ヨーロッパに生息していたため、環境に順応するために被毛が長くなったと考えられています。
ベンガル(アメリカ)
野生的な美しさを感じる外見と大きい耳が特徴的なベンガルは、1970年代にアメリカ・カリフォルニア大学で、猫白血病ウイルス感染症の研究のために、イエネコとベンガルヤマネコの交配が行われ際に生まれた子猫が、ベンガルの基礎になったとされます。
また、ベンガルは野生的な外見をしていますが性格は大人しく、温厚であると言われており、猫には珍しく水遊びが好きと言う一面があります。
シャム猫(タイ)
スマートなV字型の顔に大きい耳と、細長い美しい尾と体が特徴的なシャム猫は、かつて王室や貴族または、寺院などの高貴な血筋の家系のみでしか飼育が許されなかった特別な猫種です。
1884年にイギリス総領事ゴードンに寄贈されたことにより、シャム猫はイギリスへと渡り、ロンドンのクリスタル・パレスで行われたキャットショーにて、その美しさを世界に広めたとされます。
シンガプーラ(シンガポール)
小さい体格でありながら、筋肉質で丸い顔と大きい耳を持つシンガプーラは猫種の中では小型に分類され、小さな妖精と呼ばれることもあります。
元々は、シンガポールの下水溝に生息しており、ドレインキャット(下水猫)と呼ばれていました。しかし1972年に、シンガプーラ(ドレインキャット)に興味を持ったメドウ夫妻によって、アメリカへ持ち帰られ、現在ではアビシニアンにも似た小さく可憐な小型猫になりました。
スフィンクス(カナダ)
毛のない猫で知られるスフィンクスは、大きい耳と皮膚がシワシワなのが特徴です。実は、スフィンクスと同じ毛のない猫の存在は世界各地で伝えられており、古代アステカ文明(現在のメキシコ)やフランス、中東などで古くからの記録が残されています。
スフィンクスなどの無毛猫は奇形ではなく、自然発生する突然変異とされており、劣性遺伝子により発現することが判明しています。
ロシアンブルー(ロシア)
美しい灰色(ブルー)の毛並みにエメラルドグリーンの瞳、ピンと張った大きい耳が特徴のロシアンブルー。ロシアンブルーは美しい灰色の毛並みが高貴な印象を与えますが、猫の中でも忠誠心の高い猫として有名で、犬みたいな猫と例えられることがあります。
猫の耳が大きい理由
猫の耳は集音器の役割がある
犬は人の4倍聴力が優れていると言われていますが、猫は人の8倍聴力が優れていると言われています。
猫の聴力が優れている理由は、小さな動物が立てる微かな音を拾って狩りを行うためですが、猫の耳が大きい理由については聴力の良さに関わりはなく、大きい耳はあらゆる方向に自在に動かせる集音器の役割があります。
猫は犬笛よりも高い音が聞こえる
猫が聞こえる可聴域は、20hz~60000Hz以上と言われており、犬笛よりもさらに高い音が猫には聞き取れます。
これは猫の獲物であるネズミ(げっ歯類)が高音で鳴くためと言われており、同時に音のする位置に正確に聞き分けられる、優れた能力も備わっているため、猫にとって聴覚は狩りに欠かせない機能だと言えますね。
耳が大きい猫がなりやすい病気とは?
耳が大きい分だけ耳が汚れやすいほか、耳ダニに注意してあげましょう。耳が汚れることで黒いできものができることもあるので、こまめな手入れが必要です。
そして、耳ダニがいた場合は頻繁に耳を掻く仕草が見られます。耳に傷ができる可能性があるので動物病院で早めの受診と治療を行ってもらうことが大切です。
まとめ
いかがでしょうか?洋猫には「耳が大きい」のが特徴的な猫種が多くいますね。逆に「日本猫」と呼ばれることの多い和猫は特有の毛色や尻尾、耳の形が丸く短いなどが特徴的と言えため、洋猫と和猫の見分け方の一つとして、「耳が大きい猫は洋猫」として分けられることが多いと言われています。
また、猫の耳が大きい理由については聴力の良さに関わりはなく、小さい耳も大きい耳も集音器の役割があります。
猫好きにとっては、スマートで大きい耳が印象的の洋猫のエレガントさも特有の毛色や尻尾、耳の形が丸く短い和猫の、日本らしい落ち着いた雰囲気もどちらも魅力的ですね。