黒い虎猫ってどんな猫?
黒い虎猫とは、黒猫でうっすら縞模様のある猫のことを言います。
このような黒い虎猫の柄は『黒トラ』と呼ばれたり、『ブラックスモークタビー』と呼ばれたりしていますよ。この「タビー」とは動物の被毛の縞模様のことを言い、特に猫を対象に使われている単語です。
猫には様々な毛色の子がいますが、黒い虎猫は珍しい猫です。
黒い虎猫の性格
今日のねこちゃんより:ベル/ ♀ / 黒猫 / 2.6kg
黒猫の場合、性格は穏やかで優しく、甘えん坊と言われています。猫の性格は毛色が似ていれば性格も似る傾向があり、実際に黒い虎猫も穏やかで協調性を大切にする猫が多いと言われていますよ。
また、黒い虎猫は、遊びに夢中になると高いところから落ちてしまうようなおっちょこちょいな事故を起こすこともあるようです。
そのため、黒い虎猫を飼う場合は、事故を起こさないよう日頃から飼い主さんが注意しておきましょうね。
黒の虎猫の特徴
黒の虎猫にはいくつか特徴があります。ひとつずつ紹介していきますね。
毛先が黒色で毛の根元が白色またはグレー
今日のねこちゃんより:ココ / ♀ / 1歳 / 黒猫 / 4kg
黒の虎猫は、体毛の毛先は黒色をしていますが、根本の色が白かったり薄いグレーになっているのが特徴です。このため、黒猫なのに縞模様があるように見えるのです。
上記の写真は縞模様のある黒猫です、分かりづらいかもしれませんが、根元部分が白色になっています。
縞模様には個体差がある
黒の虎猫は縞模様があるのが特徴ですが、個体差があり、うっすらと縞模様がある子もいれば、ハッキリと浮き出ている子もいます。
今日のねこちゃんより:しゃあ / ♂ / 2歳 / 雑種(ミックス) /0 kg
「しゃあ君」は、見ただけで分かるほど、ハッキリと縞模様が浮き出ています。
今日のねこちゃんより:きき / ♀ / 雑種(ミックス) / 0kg
「ききちゃん」は、光の当たり具合によっても変わると思いますが、縞模様が見えづらいですね。
今日のねこちゃんより:ボン太 / ♂ / 雑種(ミックス) / 5kg
「ボン太君」は、薄い黒色ですが、縞模様が浮き出ているのが分かりますね。
このように、縞模様がハッキリと見えるか、うっすらとしか見えないかは、光の当たり具合や個体差によって変わります。
成長するにつれ縞模様が消えることもある
黒い虎猫は、幼猫の頃はハッキリと縞模様が浮き出ていても、成猫になるにつれて縞模様がだんだん見えにくくなることもあるようです。
今日のねこちゃんより:すず/ ♀ / 生後3週間 / 黒猫 / 1kg
前述したように、黒い虎猫の柄は「ブラックスモークタビー」とも呼ばれていますが、この幼猫の時のみ、一時的に身体や尻尾などに薄い縞模様がある猫の柄は、「ゴーストタビー」と呼ばれていますよ。
今日のねこちゃんより:ラテ&カカ / ♀ / 雑種(ミックス) / 0.4kg
幼猫のときに縞模様がある黒猫でも、成猫になるにつれて縞模様が消えていけば、「ブラックスモークタビー」ではなく「ゴーストタビー」ということになりますね。
黒い虎猫が産まれるメカニズム
今日のねこちゃんより:トラボルタ / ♂ / 黒トラ / 2.1kg
結論をからお伝えすると、黒い虎猫は、黒猫にシルバー遺伝子が加わることで産まれてきます。
また、幼少のときのみ縞模様が現れる「ゴーストタビー」が産まれるメカニズムも分かっているので、紹介していきますね。
猫のしましまを決める「アグーチ遺伝子」
猫には縞模様がある猫と縞模様のない単色の猫がいますが、縞模様があるかないかを決めるのは、「アグーチ遺伝子」と呼ばれる遺伝子が関係しています。
アグチ遺伝子にはA遺伝子とa遺伝子の2つの種類があり、縞模様が現れるのは優性であるA遺伝子です。遺伝子には、優性と劣性があり、両親から1つずつ遺伝子をもらいますが、このとき優性遺伝子が1つでもあれば、その特性が現れ、劣勢遺伝子は2つないとその特性は現れません。
そのため、「AA」または「Aa」の遺伝子型を持つ猫には縞模様が現れ、「aa」の遺伝子型を持つ猫はソリッド(単色)となるのです。
「AA」や「Aa」の遺伝子型をを持つ猫は、キジトラ(ブラウンタビー)やサバトラ(シルバータビー)、茶トラ(レッドタビー)などが挙げられますよ。
根元を白くする遺伝子 シルバー遺伝子
ですが、例外もあり、黒の虎猫の場合は、黒猫が「AA」または「Aa」の遺伝子型を持っていても産まれてきません。
黒の虎猫の場合は、縞模様のない黒猫(「aa」の遺伝子型の猫)に優性のシルバー遺伝子が加わることで産まれることが分かっています。
I遺伝子の組み合わせ | 毛の状態 |
---|---|
II | 根元が白くなる |
Ii | 根元が白くなる |
ii | 根元が白くならない(ゴーストタビー) |
シルバー遺伝子とは、毛の根元を白くする遺伝子のことです。シルバー遺伝子にも優性の遺伝子である「I」と劣性遺伝子の「i」があります。そのうち、毛の根元を白くする「II」または「Ii」の遺伝子型が「aa」遺伝子型の黒猫に加わると、毛の根元が白くなる黒猫が産まれるのです。
この毛の根元が白くなっている黒猫が「黒の虎猫(ブラックスモークタビー)」です。
また、シルバー遺伝子が劣性のペアの「ii」で、アグチ遺伝子が劣性のペアである「aa」の単色の猫でも、個体によってはうっすらと縞模様が見えることがあります。
それが「ゴーストタビー」です。
前述したように、ゴーストタビーは、幼猫の頃に縞模様が現れ、成猫になっていくにつれて徐々に縞模様が見られなくなる猫のことを言います。
幼猫の頃に縞模様が現れている黒猫でも、成猫になるにつれ縞模様が消えていけば、「aa」の遺伝子型を持つ単色の黒猫と言えるでしょう。
黒い虎猫がいる猫種
今日のねこちゃんより:しゃあ / ♂ / 雑種(ミックス) / 0kg
下記のような猫種は毛色の配色が定まっていないため、黒い虎猫がいることがあると考えられます。
- マンチカン
- メインクーン
- スコティッシュフォールド
- ペルシャ
- ミヌエット
- アメリカンショートヘア
これ以外でも、毛の配色が決まっていない猫種の場合は、黒い虎猫が産まれる可能性はありますよ。
ちなみに、ブルーの毛並みとグリーンの目が特徴の「ロシアンブルー」は、他の猫種よりも、小さい頃に縞模様が見られる(ゴーストタビー)ことが多いようです。
今日のねこちゃんより:染五郎 / ♂ / 1歳 / ロシアンブルー / 4kg
また、ロシアンブルーはブルーの毛色以外にも、ホワイト(ロシアンホワイト)やブラック(ロシアンブラック)も誕生しているので、黒色の縞模様が見られる子もいるかもしれません。
ただ、公式に猫種として登録されているのはブルーだけであり、ブリーダーもロシアンホワイトやロシアンブラックは繁殖に用いていないため、ほとんど見られることはないのが現状です。
黒い虎猫をお迎えする方法
今日のねこちゃんより:五郎 / ♂ / 生後5ヶ月 / 黒猫 / 0kg
黒い虎猫は珍しい柄ですが、お迎えする方法がないわけではありません。
お迎えする方法は大きく分けて3つあります。ひとつずつ紹介していきますね。
里親
黒い虎猫は珍しい種類ですが、里親を募集をしている方もいるかもしれません。里親募集をしている方をすぐに探す方法は、インターネットです。
インターネットには里親募集サイトがいくつあるので、確認してみましょう。
また、動物保護センターや動物愛護団体、保健所、動物病院の張り紙、地域新聞など、様々なところで出会いを待っている猫はたくさんいます。
そのたくさんの猫の中で、黒い虎猫の里親募集をしている可能性は十分にあります。
また、友人や親戚などの知り合いに「黒い虎猫を探している」と相談してみるのも方法のひとつです。何か情報が得られるかもしれません。
ペットショップ
黒い虎猫は珍しいため、ペットショップで販売されていることは少ないかもしれませんが、可能性はゼロではありません。
また、ペットショップでは、猫用のフードやトイレ、猫砂などの商品も販売されているメリットがあります。
猫と一緒にそれらの猫用グッズを購入すれば、その日から猫との生活をスタートさせることができますよ。
ペットショップは個人で経営している小さなペットショップもあれば、郊外型の大店舗のペットショップもあるので、一店舗ずつ地道に探してみると良いでしょう。
ブリーダー
ブリーダーから購入する方法もあります。ブリーダーの中には、ペットショップでは手に入らないような珍しい猫を専門に扱う所もあるので、黒い虎猫が見つかる可能性はあります。
また、ブリーダーから購入する場合、一般的にペットショップよりも値段が低く設定されていることが多いです。
ブリーダーを探す方法は、ブリーダー協会や猫専門紙などで紹介してもらったり、ネットで探す方法がありますよ。
また、ブリーダーの方に直接「黒い虎猫を探している」と相談をすると、その場所で見つからなくとも、何か有益な情報が掴めるかもしれません。
ただ、ブリーダーの中には利益を優先として無理な出産を繰り返す悪徳ブリーダーも存在します。そのため、たとえ黒い虎猫を販売しているブリーダーを見つけたとしても、信頼できるブリーダーかどうかを見極めてから購入するようにしましょうね。
しっかりと愛情を込めて動物と触れ合っている優良ブリーダーであれば、その猫種に関しての知識も豊富なので、特性や日頃の手入れなど、詳しい情報も教えてもらうことができますよ。
黒の虎猫ちゃんはとってもミステリアス
黒猫の中には、虎のような縞模様のある猫もいます。また、黒い虎猫の中でも、ハッキリと縞模様がある子もいれば、縞模様がうっすらとしか見られない子がいます。
そして、「ゴーストタビー」と呼ばれる、幼いときのみ縞模様が見られる猫も存在し、どれも珍しいタイプの猫です。
猫の中でも黒猫は漆黒の美しい毛並みがあり、ミステリアスでクールですが、そこに縞模様が入ると、さらに個性的で魅力的に感じますね。
もし「黒の虎猫を飼いたい」と考えている場合は、里親募集している所から探してみたり、ペットショップ、ブリーダーから探してみましょう。