猫が夏バテしている時の『初期症状』5つ

【獣医師監修】猫が夏バテしている時の『初期症状』5つ

猫は元々砂漠で暮らしてきた動物です。暑さには比較的強いといわれていますが、その認識にはある落とし穴があります。ここでは、猫と暑さの関係、夏バテの初期症状など、残暑が厳しいこの時期に気をつけたいことについてご紹介いたします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫は暑さに強い?

サングラスをかけた猫

猫は比較的暑さに強い動物といわれています。そういわれている所以は、祖先が砂漠で暮らしてきたことに関係があります。では実際のところはどうなのでしょうか。犬と比べると猫のほうが暑さに強いというのは確かです。ただここでいう強いというのは、カラッとした暑さに対してです。猫は湿度が高い環境が苦手なので、ジメジメとした暑さには注意が必要になります。

見逃さないで!!夏バテの初期症状

診察される猫

夏バテとは「夏場の高温や多湿に身体が対応できずに、体調不良が長期間続くこと」です。猫は多湿という状況が苦手であるが故に、夏バテになるリスクがあるのです。そこで、できるだけ早く異変に気づくことができるように初期症状をご紹介いたします。

1.嘔吐や下痢などの消化器症状

猫は日頃から毛玉の排出で嘔吐することがあります。しかし、夏場の嘔吐には注意が必要です。夏バテでは嘔吐や下痢などの消化器症状がよく見られます。そして、他に食欲不振が見られる場合は胃腸が弱っている状態が疑われます。悪化すると血便が出ることもあるため、早めに動物病院を受診しましょう。

2.食欲不振

暑さが続くと、人間でも食欲がなくなります。猫もやはり暑さのせいで、思うように食べられなくなってしまいます。普段は美味しく感じるキャットフードも、胃腸が弱り受け付けなくなってしまうのです。

3.元気がない

愛猫が眠って過ごすことが多いと感じたら要注意です。普段たとえ寝ているように見えても、必ず反応を示すことを試してみましょう。そこで、明らかにぐったりとしていて、反応が薄い場合は体調不良のサインです。既に熱中症へと移行している可能性も有り得るため、動物病院を受診するようにしましょう。

4.おしっこの異変

猫は1日2~3回、少なくても1回は尿が出ます。もしも全く排尿がなかったり、あったとしても明らかに量が少ない場合や、ニオイがいつも以上に強い時は、脱水症状起こしている可能性があります。夏場は、おしっこの様子もよく観察するようにしましょう。

5.グルーミングをしない

猫は本来とても綺麗好きです。よく毛繕いをする姿が見られると思います。グルーミングには、まず被毛の清潔を保つという役割があります。そして、グルーミングによって付着した唾液が蒸発する気化熱を利用して体温をさげる重要な役割も担っています。

しかし、夏バテによって体内に熱がこもってしまうと、唾液の分泌が悪くなりグルーミングが思うようにできなくなってしまいます。猫の身体には汗腺がなく、気化熱が利用できなくなると熱を放出する手段を失います。日頃から、愛猫のグルーミングの頻度や様子を知っておくと、健康チェックに役立ちます。

猫の夏バテ対策

水を飲む猫

夏バテが熱中症に移行してしまうと、より命の危険を伴います。そこで、まずは夏バテに対してしっかりと対策を行うことが大切です。いくつか対策法をご紹介いたします。

水分補給を促す

猫は本能的にあまり水を飲む習慣がありません。だから、好んで水を飲んでくれる工夫が必要なのです。まずは常に清潔な水が飲める環境を整えましょう。そして、愛猫の好みを把握しましょう。水の温度や飲み方にも、それぞれこだわりがあります。積極的に水分補給をしてくれる方法を模索してみましょう。

室温の管理

室温は、急激に低くなると身体に負担がかかります。常に28℃前後になるように調節しましょう。また、湿度も50%前後の快適に過ごせる状態をキープできるようにエアコンを活用して管理しましょう。猫はエアコンの風が苦手な場合があります。直接冷風が当たらない場所で、寛げる環境をつくりましょう。

食事

食欲がないと心配になりますよね。だからといって急に別の食事に切り替えることは、逆に胃腸に負担をかけてしまう恐れがあります。そこでベースになるフードは変えず、ウエットフードを併用する形で変化を加えることもひとつの手段です。ウエットフードが加わることで、水分補給も促すことができます。ただしこの場合は、確実に食べる量だけを作り、残りは破棄しましょう。

動物病院を受診するタイミング

診察を受ける猫

夏バテや熱中症が疑われる場合、次のような様子が見られたら病院を受診しましょう。

  • 呼吸が荒く、苦しそうにしている
  • ぐったりとしていて、好きなものにも無反応
  • 尿が出ていない
  • 嘔吐を繰り返す
  • 下痢が続き、血便が出る

これらの症状や、普段とは明らかに異なる様子が見られたら迷わずに動物病院へ行きましょう。またそれ以外で気になることがある場合は、かかりつけの動物病院に相談し、受診の必要性があるかを聞いてみるとよいでしょう。

まとめ

ぐったりする猫

猫は苦痛をあまり表現しない動物です。だから、些細な異変に気がつくことはとても難しいかもしれません。それでも、もし何かしらの違和感を覚えたとしたらその直感を大切にしてください。まずは改めて様子を観察し、判断が難しい場合は動物病院にとりあえず相談するようにしましょう。