猫ひっかき病の原因と症状、予防法について

【獣医師監修】猫ひっかき病の原因と症状、予防法について

猫ひっかき病になる原因や症状とはどんなものなのでしょうか?猫に引っかかれた時に、「猫ひっかき病」という病気にかかる事があります。おもちゃで遊ばせているときにうっかり爪が当たってしまったり、やむを得ず猫がいやがること(爪を切る、薬を飲ませるなど)をしようとして噛まれてしまったり。あるいは野良猫に触ろうとしてひっかかれた、ということもあるかもしれませんね。ここで猫ひっかき病について予防法や治療法を知っておきましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫ひっかき病の原因

ひっかき傷

猫ひっかき病の原因は傷からの菌の感染

猫ひっかき病は猫にひっかかれたり噛まれたりすることによって発症する感染症で、原因となるのはグラム陰性菌のバルトネラ・ヘンセラという菌です。

猫ひっかき病の原因となる菌は猫(特に子猫)の血液、口の中の粘膜、目ヤニなどに存在するもので、日本の猫の約1割が保菌しているといわれており、18ヵ月以上も感染状態が続くこともあります。

猫ひっかき病の菌が猫に対して悪さをすることはありませんが、猫の爪や歯を通じて人に感染すると、あらゆる症状を引き起こすのです。

猫ひっかき病が猫から猫へ感染する原因はノミ

バルトネラ菌に感染した猫の血をノミが吸う→ノミの体内で菌が増殖→猫の毛の中でノミが糞をする→猫同士でなめあうことでノミの糞とともに菌が口の中に入る→猫の体内で菌が増殖という経路で、猫から猫へと感染します。

猫ひっかき病が発症しやすいい季節

猫ひっかき病は、ノミの繁殖が活発になる夏から秋に多いとされていますが、冬に多いというデータもあります。これは、寒さのために人も猫も家に閉じこもりがちになり、人と猫の接触の機会が増えることが関係していると考えられます。

猫ひっかき病の症状

爪

猫ひっかき病の潜伏期間は数日から2週間ほど。そのあと以下のような症状が現れます。

猫ひっかき病による小さな赤い発疹やかさぶた

傷の箇所が腫れて熱を持ったり膿んだりします。小さな赤い発疹やかさぶたができることもあります。

猫ひっかき病によるリンパ節の腫れ

傷に近いリンパ節(わきの下、鼠径部、頸部など)が腫れ、ときには鶏卵ほどの大きさになって痛みます。

猫ひっかき病による発熱、倦怠感

皮膚症状のあと数日ほどで、発熱や倦怠感が起こることがあります。

その他の猫ひっかき病による症状

関節痛、吐き気など。

免疫不全の人、免疫抑制剤の投与を受けている人、免疫力が落ちた高齢者などが猫ひっかき病に感染すると、重症化して麻痺や痙攣発作、脊髄障害などを起こすこともあるので注意が必要です。

猫ひっかき病を予防する方法

ひっかく猫

猫ひっかき病にならないためにノミの駆除をする

猫ひっかき病の予防策としては、なんといってもノミの駆除が第一です。外に出ることのある猫なら、動物病院でもらうフロントラインなどの駆除薬を定期的に使うのが効果的です。薬を使うのはちょっと心配……という場合は、ノミ取り櫛でブラッシングして取りましょう。

根気がいりますが、猫の体への負担はほとんどありません。この場合の注意点は、ノミを絶対につぶさないことです。つぶしたら卵が飛び散ってしまい、ノミが増え逆効果になります。

ノミ取り櫛で取ったノミは、すぐに熱湯につけて溺死させましょう。また、光でノミをおびき寄せて粘着シートでキャッチする「ノミとりホイホイ」という商品もあるので、併用するとより安心ですね。

猫ひっかき病にならないため爪を切る

>猫ひっかき病の原因となるバルトネラ菌は、傷から人の体内に入って感染するので、猫にひっかかれたとしても傷になりにくいよう、猫の爪は常に短く切っておくことが大事です。

猫ひっかき病予防のため口移しをしない

猫ひっかき病は唾液から感染することもあるので、猫に口移しで食べ物を与えたりキスしたりするのは避けましょう。

猫ひっかき病にならない為に外に出さない

ノミの予防、そして他の猫からの猫ひっかき病の感染を防ぐためにも、完全室内飼いにするのがおすすめです。外に出さなければ、他の猫と喧嘩して怪我をしたり病気をもらったり、事故に遭ったりするのも防げますね。

猫はテリトリーを大切にする動物で、行動範囲は意外と狭いので、家に閉じ込めておくのがかわいそうということはありません。完全室内飼いに慣らしてしまえば、家の中をテリトリーとしてそれを守ることで満足し、外に出たがらなくなります。

猫ひっかき病にならないために野良猫に近づかない

飼い猫より野良猫のほうが猫ひっかき病の原因であるバルトネラ菌を持っている確率が高いので、なるべく近づかないようにしましょう。

猫ひっかき病の診断と治療法

子猫

猫ひっかき病の検査

病院で猫ひっかき病の診察を受ける際には、猫にひっかかれた(噛まれた)ということが診断の助けになるので、必ず伝えましょう。猫ひっかき病と他の病気との区別がつきにくい場合は、血液検査や超音波、CTなどの画像検査が行われることもあります。

猫ひっかき病の治療法

猫ひっかき病は特に治療をしなくても自然に治癒することが多いですが、数週間から数ヵ月かかることもあります。猫ひっかき病の治療は一般には鎮痛剤や解熱剤などの対症療法になりますが、長引く場合や症状が重い場合には、特定の抗生物質を使用します。

猫ひっかき病についてのまとめ

ひっかく猫イメージ画像

猫が猫ひっかき病の原因となるバルトネラ菌を持っているかどうかは見た目ではわからないので、気をつけるに越したことはありません。とはいえ、猫好きなら猫との接触を控えるのは辛いですよね。

筆者は猫飼い歴30年以上で、今までに何度も猫にひっかかれたり噛まれたりしていますが、一度も猫ひっかき病になったことはないので、完全室内飼いにするのがいちばん効果的なのではないでしょうか。あとは、免疫力を落とさないよう健康でいることも猫ひっかき病の予防には大切ですね。

40代 女性 ここ

私は昔、野良ねこちゃんを保護するときに引っ掻かれて猫ひっかき病になってしまいました。
病院にいって、抗生物質を処方してもらい、1週間飲みました、すぐに腫れがひきまして元気になりました。引っ掻かれた傷もきれいに治りました。
しかし、こりずに野良ねこちゃんの保護を続けています。でも、猫ひっかき病にならないように注意しています。