猫を多頭飼いで威嚇しないようにする方法
新入り猫とはすぐに対面させない
猫の多頭飼いをスタートするときは、いきなり猫同士を対面させないようにしましょう。
先住猫にしてみれば、自分のテリトリーに知らない猫がいること、新入り猫は知らない場所に知らない猫がいることで、お互いに警戒、威嚇してしまい、良い関係が築けない可能性があるからです。
新入り猫を迎える日がわかっている場合は、1週間前から新入り猫用のグッズを購入し、迎える準備をします。そうすることで、先住猫に環境が変わることを気づいてもらうことができるでしょう。
新入り猫を迎えて1~3日目くらいまでは、別の部屋で過ごすようにし、相手の気配を感じてもらいます。
ニオイの交換
4~20日目くらいは、多頭飼いをするために、お互いのニオイの交換を飼い主さんが行います。間接的に猫同士のニオイを交換し相手の情報を知るためのお手伝いです。
猫ベッドや猫用毛布など猫のニオイがついたものをもう一方の猫のもとへ持っていきニオイを嗅がせたり、猫の顔まわりをなで、その手で別の猫の体をなでたりします。これを繰り返します。
ケージやキャリー越しに対面
20日目くらいからは、ケージやキャリーに新入り猫を入れて対面させます。初めはケージやキャリーを布で覆った状態でも良いでしょう。1日5分間ほどの対面をし、徐々に時間を長くします。
この時、猫が威嚇してしまうことがありますが、健康面に影響がなければそのまま様子を見ますが、ストレスで体調を崩してしまうようなら、ニオイの交換の手順に戻ります。
ケージやキャリー越しの対面で威嚇をせず、先住猫がいつも通り行動するなら、いよいよ直接対面です。
直接対面させる
飼い主さんが見守る形で直接対面させます。短時間の対面から徐々に時間を長くしていきます。威嚇や警戒をせず、同じ部屋で遊んだり寝たり問題がなさそうなら、多頭飼いの本格的なスタートとなります。
猫の性格にもよりますが、先住猫が5歳くらいまでの成猫、新入り猫が子猫の場合は短期間で仲良くなれることが多いです。先住猫が子猫に猫のルールなどのしつけを行ってくれることもあります。
リラックスできる場所、落ち着いて食事やトイレができる環境を作る
多頭飼いを始めて問題がなさそうでも、子猫と成猫の体力や猫の性格などはそれぞれ違います。どちらかが威嚇をしてきたとき、追いかけっこなど遊んでいるときに、逃げられる場所を用意してあげると安心です。
また、多頭飼いでも猫がそれぞれリラックスして眠れる場所、落ち着いて食事ができる場所、邪魔されずにトイレに入れる環境なども用意しましょう。
猫の多頭飼いで威嚇してしまう原因
敵意や恐怖
自分の縄張りを大切にするのが猫なので、多頭飼いを開始すれば新入り猫が自分の縄張りに侵入したと感じ威嚇をしてしまいます。
威嚇の原因は縄張りへの侵入ですが、威嚇の意味は「敵意」と「恐怖」と二つあります。先住猫が威嚇する意味が敵意、新入り猫が威嚇する意味が恐怖、またその反対の場合もあります。
猫の性格
すべての猫が多頭飼いに向いているわけではありません。猫の性格によっては、同居猫に対して威嚇し、関係が良くならない場合もあります。例えば、神経質、警戒心が強い、気が強い、怖がりな性格の猫です。
年齢や性別
猫の性格の他に、猫の年齢や性別も多頭飼いに向いている、向いていないがあります。多頭飼いを開始したときに、成猫同士、オス同士、去勢避妊手術をしていない猫などは、縄張り意識が強く威嚇をする可能性が高いです。
多頭飼いの猫が威嚇してしまった時の対処法
生活場所をわける
多頭飼いを始めると、喧嘩のようにじゃれ合うことがありますが、仲良くならない場合はシャーと威嚇するだけではなく、ケガをするほどの喧嘩に発展することもあります。
さらに、ストレスからごはんを食べなくなる、トイレを我慢する、毛づくろいをしすぎるなど健康面に影響するケースもあります。猫同士の関係が良くない場合は、別の部屋で飼育することも考えた方がいいでしょう。
生活場所を分けても、それぞれの猫が使っているベッドや布団を交換したり、共有する場所を交互に使ったりしてニオイの交換を続けてみましょう。時間はかかりますが、相手の存在を許せるようになり、同じ場所で多頭飼いできる可能性が期待できます。
猫が何に困っているのかを探り対処する
多頭飼いで威嚇する原因は、敵意や恐怖です。猫が何に困って威嚇しているのかを探ってみましょう。例えば飼い主さんが新入り猫をかわいがることが、先住猫のストレスになっている場合があります。
どんなことでも先住猫を優先してあげる気遣いが必要です。威嚇をしても叱らずに、猫のペースに合わせてあげましょう。
猫の多頭飼い、初日の動画
ブリティッシュロングヘアーの子猫を迎えて多頭飼いのスタート
子猫を迎え入れ、対面から仲良くなるまでの様子です。やはり、初対面のときに先住猫はシャーと威嚇していますが、段階を踏んで慣れたため、とても仲良しな関係になったようです。
成猫同士の多頭飼いのスタート
こちらは、新しく迎えた成猫と先住猫たちとの様子です。対面して何日かはシャーと鳴いて威嚇していますが、10日ほどで一緒に遊ぶようになりました。成猫同士は喧嘩にならないか緊張しますね。
成猫が怖い子猫
子猫と対面している成猫は興味津々に威嚇せずに近づいていきますが、子猫の方はちょっと怖いと感じているようです。ぐいぐい来る先住猫に思わずシャーと威嚇してしまいます。先住猫がフレンドリーな性格だったため問題なく対面できたのでしょう。
まとめ
猫の多頭飼いが初めてのときは、先住猫と新入り猫の対面は緊張しますよね。新入り猫を迎え入れたら、すぐに対面をせず、別の部屋で過ごすようにします。
その後猫同士のニオイの交換繰り返し、ケージやキャリー越しに対面となります。対面時間も少しずつ行い、猫のペースに合わせることが大切です。
多頭飼いをスタートして、猫がいつまでも威嚇しているのは困りますが、なぜ威嚇しているのか、健康面に問題はないかなど、猫の行動をよく観察してあげましょう。