猫の歯の基礎知識とケアの方法について

猫の歯の基礎知識とケアの方法について

生きるのに必要なのは、まず食べることです。それには歯が大切ですね。子猫の時から猫の歯のケアを大事にしないと、後々大変なことになってしまいます。猫の歯を日々ケアすることで、愛猫の健康を保ってあげたいですね。

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記事の監修

北里大学獣医学科卒業。埼玉県内の動物病院で勤務医をしながら教育・研究にも携わっており、大学では『伴侶動物の鉄代謝』をテーマに研究しています。『猫は小さな犬ではない』という格言のもと、何よりも猫ちゃんの健康と福祉の向上を一番に考え、日々の診療に励んでおります。

猫の歯の本数

口を大きく開けた猫

成猫の約8割が、歯周病になっていることをご存知でしょうか。猫の歯磨きはとても難しいですが、小さい頃から慣れさせておくと、飼い主さんも負担なく愛猫の歯を大事にしてあげられますね。

猫の歯は、生後3~7ヶ月頃までに永久歯に生え変わります。猫の乳歯は、次のとおりです。

  • 前歯(切歯)上下6本 合わせて12本
  • 八重歯(犬歯)上下2本 合わせて4本
  • 奥歯(前臼歯)上6本 下4本、合わせて26本

永久歯になると、奥歯(後臼歯)上下2本、合わせて4本が加わり、トータル30本となります。

人間とは違い、永久歯が生えてから乳歯が抜けるので、生えかわりの時期に猫の歯をチェックすると、乳歯と永久歯が隣り合わせで揃っているのが見られることと思います。

猫の歯周病

歯の診察を受ける猫

猫の歯周病には虫歯はなく、菌が繁殖して歯茎の炎症から歯肉炎になったり、歯茎に傷が付いたりして起こります。

また、糖尿病から免疫が落ち、口の雑菌が繁殖して、歯周病が発症することも少なくありません。

猫の歯に歯垢が溜り、歯石となるまでのサイクルは、約1週間と言われているので、愛猫のストレスにならない程度に、デンタルケアを心掛けることが大切です。

猫の歯みがきのコツ

猫と歯ブラシ

猫の前後臼歯の近くには、唾液を分泌する唾液腺があります。唾液には、カルシウムやリン等、歯石になりやすい成分が含まれています。そのため、猫の前後臼歯に、歯石が出来やすいとされています。猫の歯を全て磨くのが難しい時は、臼歯だけでもチャレンジしてみましょう。

猫の歯を磨く時の注意点は、次のとおりです。

  • 歯ブラシは濡らしてから使う
  • 優しく力を入れずに磨く
  • 面ではなく、歯周ポケットの汚れを意識する

歯ブラシか乾いたまま磨いてしまうと、歯茎に傷がついてしまいます。しっかりと水で濡らしてから使うことと、歯垢が溜まりやすい歯周ポケットを意識して、少し斜めに角度をとって磨いてあげることで、汚れを落とせます。

猫の歯のケアは無理なく

猫の口に指を入れる

猫は口をいじられるのを嫌がったり、怖さを感じたりして、警戒してしまうコが多いです。無理やり歯磨きをしてもストレスとなり、健康を害してしまいかねないので、仔猫の頃からの習慣が大切です。

成猫になってからデンタルケアをはじめる場合は、いきなりではなく、口元のマッサージから始めてみましょう。マッサージに慣れたら、口に指を入れてみたり、歯ブラシを噛ませてみたり、様子を見ながら徐々に歯磨きに近づけてみて下さい。

猫の歯は咀嚼するためではなく、噛みちぎるのに使われるので、無理に歯磨きをしてしまうと、飼い主さんが怪我をしてしまうかもしれません。最近は歯磨きスナック等も気軽に手に入るので、無理に歯ブラシや綿棒等の道具を使わずにケアする方法も、選択肢に入れましょう。

もちろん、定期的に獣医さんに猫の歯磨きをお願いする方法もあります。歯磨き以外のケアもしてもらえるので、愛猫に合った選択をしてあげて下さい。

まとめ

肉をかじる猫

猫の歯をケアすることで、健康で長生きな生活にもつながります。愛猫が高齢になったとき、食欲はあるのに、痛がって食べられなくなってしまうといったことを防ぐためにも、しっかりとケアを意識して、猫の歯の健康を管理してあげましょう。

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