猫の貧血には「腎臓」が関係しているのかも…猫の腎性貧血とは?

猫の貧血には「腎臓」が関係しているのかも…猫の腎性貧血とは?

貧血を呈する原因は多々ありますが、その中でも慢性腎不全による貧血は比較的多いと思います。今回はなぜ腎臓の疾患と貧血が関係するのかを貧血に至る機序からエリスロポエチンの役目、またその治療法をお話ししようと思います。またエリスロポエチンの継続使用によりそれに対する抗体が産生され効果に耐性が出てしまうことにも軽く触れたいと思います。

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猫の腎臓と貧血

診察される猫

皆さんは「腎性貧血」という言葉をご存知でしょうか?この言葉からもわかるように実は腎臓と血球産生は深く関係しているんです。今回は腎臓と貧血がどう関係しているのかについて詳しく見ていきたいと思います。

そもそも貧血って?

ぐったりする猫

身体が生命として機能するためには酸素は必要不可欠です。そこでその酸素を身体中に運搬するために血液、中でも赤血球がとても大切な働きをします。

赤血球に含まれるヘモグロビンという血色素が酸素と結合し運搬をするので、血中におけるこのヘモグロビンの濃度がそのまま酸素運搬能を示すことになります。

つまり一般的に貧血とは赤血球=ヘモグロビンの量が少なくなった状態を指しその原因は多くありますが、その中の1つに腎臓を悪くすると起こる腎性貧血が存在します。

猫の赤血球はどうやって作られるの?

ぐったりする猫

猫ちゃんの赤血球は約90日と言われており役目を終えると破壊されます。それを補うために赤血球は絶えず新しく作られており常に一定数血中に存在するようになっています。では赤血球はどこでどのように作られているのでしょうか?

骨髄

生体内における赤血球や白血球などの血球系の「工場」は骨髄です。骨髄は骨の中にある柔らかい組織で、そこにある造血幹細胞と呼ばれる細胞から複製・成長し血球がつくられます。

そこで完成した血球から順次、末梢血液中に流れ出ていくので常に一定数の血球が維持され貧血にならないというわけですね。

猫の貧血とどこで腎臓が関係してくるの?

眠る猫

実はこの骨髄に「赤血球を作れー」という指令をするホルモンを作っているのが腎臓なんです。その名をエリスロポエチン(EPO)といい、腎臓を悪くするとこのホルモンの分泌が減り「工場」に指令が届かず、赤血球が新たに作られず貧血に陥ってしまいます。

猫の腎性貧血の治療法は?

薬と猫

腎性貧血はエリスロポエチンの分泌が不足することが原因なので、外部からそれを補うために遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤を投与します。

ここで問題になるのが、今現在猫ちゃん用のエリスロポエチン製剤が市販されていないので、ヒト用を適応外使用しているのが一般的なのですが、あくまでヒト用なので猫ちゃんからしてみれば、体内に入ってくる異物として認識されてしまうこともあります。

異物として認識され、それに対して免疫が出来上がってしまうとそれ以上投与してもあまり効果が出ない(耐性ができる)ので、出来る限り長期間にわたっての多用は避けるべきお薬です。

また、腎機能自体に問題があるので、療法食により腎不全のさらなる悪化を防ぎ、場合によっては鉄剤の投与をすることもあります。

最後に

診察される猫

意外と知らない腎臓と貧血の関係。

最近ふらついて歩く、すぐに息が上がるなどの症状がある場合は貧血だけでなく、腎臓病も隠れているかもしれません。

また、すでに腎臓病に罹患している猫ちゃんは貧血になりやすいことに注意して、普段の行動をよく観察し異変があるようであれば一度、動物病院で貧血がないか見てもらいましょう。

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