猫の骨格の人との違い
猫といえば4足歩行で頭が通るところならどこでも通りぬけができて、高いところから落ちてもクルンと回りながら綺麗に着地ができて、と動作の特徴をあげるときりがないくらいたくさん出てきます。このような動作を見ていると、骨格が人間と似ているとはとても思えません。
では、猫の骨格は人間とまったく違うのでしょうか?実はそんなことはありません。違いはもちろんありますが、似ているところもあるのです。では、猫と人間の骨格にはどのような違いがあるのでしょう。
猫と人は骨の数が違う
猫の骨は平均すると全部で約240本、人間は約200本なので人間に比べて骨の数は40本くらい多いようです。では、それぞれの部位の骨の数はどうなっているのでしょう。
- 頚椎は7本で人間と一緒
- 胸椎は13本で人間よりも1本多い
- 腰椎は7本で人間より2本多い
- 仙椎は3本で人間よりも2本少ない(仙椎はお互いにくっついて仙骨という1つの骨になっています)
- 尾椎は4本から24本で人間には3本から5本ある
このように見てみると、体の真ん中、つまり体幹部を通っている背骨は、本数は違いますが同じ構成になっていることがわかります。また、猫の骨の数が人間に比べて40本くらい多いのも、主に尾椎の数の違いによるということもわかります。
骨格と猫の動きの秘密
猫と人間では、体幹部分の骨が同じようなパーツで構成されていることが分かりました。しかし、猫のようなしなやかな動きは人間にはできません。では、猫のしなやかな動きの秘密はいったいどこにあるのでしょうか。部位ごとに細かくみていきましょう。
頭
よく「猫の額ほどの庭」などと使われるほど、猫の額部分は小さく見えます。脳はこの額の奥に入っていて、体重の約1%の重さを占めています。
人間の脳の割合は体重の2%程度だそうです。脳のサイズと知性は関係がないとされていますが、動物の知性の指標といわれている脳化指数を見てみると、猫を1.0とした場合に人間は7.4から7.5だそうです。
脳化指数(EQ)は動物種による知性を比較できる数値と考えられています。また、猫の知性は一般的には人間の2~3歳児程度と言われています。
胸椎
人間は胸椎を12個、肋骨を12対持っていますが、猫は胸椎を13個、肋骨を13対持っています。背骨のうち、頚椎の数はほとんどの動物で同じ7個ですが、それ以外の部位の背骨の数は動物種によって様々です。胸椎の数は多くの動物で12個から16個です。
腰椎
腰椎の数は人間で5個、猫で7個です。腰椎の数は多くの動物で6個か7個だそうです。
尾椎
尾椎とはしっぽを支える背骨のことです。人間にも尾椎はあるのですが、退化していくつかの尾椎がくっついて1つの骨となって尾てい骨と呼ばれ、しっぽのある猫のようにその存在が外側から分かることはあまりありません。猫の種類によって尾椎の数は変わりますが、しっぽの短い猫でも尾椎は約4本あるそうです。
しっぽのない猫として知られるマンクスでは、全くしっぽのない子では尾椎も全くなく、しっぽの位置にでっぱりだけがある子では1~2個の尾椎、様々な長さのしっぽのある子では2~14個の尾椎があるそうです。
【猫の背骨と体のしなやかさについての補足】
猫の胸椎と腰椎は人間よりも多くありますが、その数の多さによって体の柔らかさが違う、とは言い切れないようです。胸椎の数が最も多い動物はフタツユビナマケモノで24個の胸椎を持つそうです。また、多くの動物で6~7個である腰椎も、2個しか持たない動物から9個も持つ動物までいるそうです。数だけで言うと、猫の背骨の数は動物の標準的な数ということですね。
しかし、最も柔らかく動く背骨を持つと言われる猫は、背骨と背骨の間にある椎間板の弾性がとても高いために背骨と背骨のくっつき方に柔軟性があり、これが体の柔らかさにつながっています。
また、背骨に柔軟性があっても、色々な方向に体を曲げるための筋肉がなくては体を曲げることができません。背骨の数は大体同じでも、直立二足歩行の人間と四足歩行の猫とでは、1つ1つの背骨のどの部分がより発達し、そこについている筋肉がどのように発達しているかが違います。骨、椎間板、筋肉の全てに違いがあって、体の柔軟性に違いが生まれると考えると良いと思います。
鎖骨
猫の鎖骨は退化して小さくなっていることで肩の柔軟な動きが可能になっています。人間の鎖骨は胸骨や肩甲骨と関節を介してつながっているため肩幅を大きく変えることは困難です。
しかし、猫の鎖骨は退化して小さく、胸骨や肩甲骨とは直接つながっていません。そのため肩幅を柔軟に変えることができ、頭が通れるほどしかない隙間でも通ることができるのです。
前足と後ろ足
人間は手と足の指の数はそれぞれ5本ずつですが、猫の指の数は人間とは少し違います。多くの場合前足は5本なのに対し、後ろ足は4本しかありません。これは前足では物を抱きかかえられるように、後ろ足は走ることに特化するように進化してきた結果なのではないかとも言われています。
また、猫の歩き方は「指行性(趾行性)」という歩き方で、これは指だけを地面につけて歩く歩き方です。人間の歩き方は「蹠行性」で、これは足の裏全体をつけて歩く歩き方です。私たちがふだん猫の足の裏だと思っている肉球は実は指で、猫の踵は少し離れたところにあるのです。
後ろ足を見ると分かりやすいのですが、ちょうど真ん中あたりに膝とは逆向きに曲がっている部分があります。これが踵部分にあたります。つまり、猫は常につま先立ちで歩いているということになるのです。
猫の骨格に関するまとめ
猫と人間の骨はほとんど同じパーツでできてはいても、骨の数や構成によって違う動きになるということがわかりました。つまり、猫の柔軟な動きは猫の持つ独特な骨格、背骨と背骨をつなぐ弾力のある椎間板、そして筋肉によるものだということです。
猫を飼っている方は、これを読んだ後にぜひ猫の動きを観察して骨格の違いを感じてみてくださいね。きっと今まで気がつかなったことを発見できることでしょう。猫の動きの秘密を知ることで、ますますかわいい存在になること間違いなしですね。
女性 にゃコロ
つい最近動物病院の先生に、初診で駆け込んできた患者さんの話を聞きました。
その猫ちゃんは明け方にマンションの4階のベランダから落ちてしまったそうです。朝早くでご近所の兼ね合いもあり、数時間後に助けに行ったそうですが、しっかり息があったそうです。衝撃で内臓から出血して瀕死だったそうですが、骨に異常無く、数日後無事に退院したとこ事。4階の高さから落ちてしまったらひとたまりも無い高さですが、猫の身体能力と身のこなしの柔軟さがあってこそ、生き延びることができたのだと驚き、感心しました。
猫の骨格や生体について、色々と知っていきたいなと思います。
30代 女性 tonakai
30代 女性 ポン酢
うかつでした!
猫の骨は、私が想像していたよりも、多くて驚きました。
高いところからのジャンプや、床から思いっきり飛び跳ねた時の飛躍力を思おうと、もっと骨が少なくて、筋肉が発達してるのかな?と思っていたけれど、人とあまり変わらない数なんですね。
この小さな猫の体に、そんなにたくさんの骨が詰まっていて、もちろん内臓もキレイに納まっているのが、ちょっとした奇跡なのかもしれないです。
と言うか、はみ出しちゃってたら、大問題でした。
内臓を自由に動かせる事や、常につま先歩きな事含めて、びっくりが、たくさん!
知能については、私の中では3歳児くらいだと思っていました。
さっそく、愛猫を観察してみます!
40代 女性 カトナカ
骨の数だけを見れば猫の方が40本も多い。
猫の肋骨は人間のように左右ではなく、前後に細長い形をしているため、顔さえ入れば、小さな隙間にも潜り込むことが出来ると聞いたことはあります。これが猫の柔軟さの秘密なのでしょうね。また胸椎や腰椎の数も人間に比べると多いので、猫の背中は長いんですね。
そして猫の忍び足の理由も「なるほどな」と思いました。
うちの愛猫も何の物音もさせず、いきなり後ろにいることがよくあり、その度にびっくりします。
私が獲物ならすぐに捕まっていると思います(笑)。
身体の構造などを知ると、益々、愛猫を愛おしく感じます。
40代 女性 かえで
昔、実家に猫ちゃんが四階から家に入ってきたことがありました。
実家の2階まではベランダが繋がっていたので入れたのはわかるのですが、四階まではつたって上がってきたみたいです!家の中の廊下を歩いていることも足音がしないので、気が付きませんでした。
父が素早く、捕まえて保護しましたがとても驚いた出来事でした。
爪から血が出ていたので獣医さんに診ていただいて治療をしてもらいまして、里親探しをして引き取っていただきました。
猫ちゃんは体が柔らかいので登るのも上手で感心しました。
キャットタワーに登るのも早くて降りるのも柔らかい体で飛び降りるので安心してみていられます。
わんちゃんとはまた違う魅力を持っている猫ちゃんは人気があるのもよくわかります!