猫の口元が黒い!考えられる原因や対処方法について

猫の口元が黒い!考えられる原因や対処方法について

猫の口元が黒い…あご下のブツブツが気になるということはありませんか?大切な猫の口元に黒いブツブツができてしまったとき、「どうしたらいいの…」と悩んでしまう飼い主さんも少なくありません。ここでは、猫の口元が黒いときに考えられる原因や対処方法、自宅でもできるケアについて詳しくご紹介していきます。是非、ご参考にしてみてくださいね。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の口元に黒いブツブツができる理由

口の周りが黒い猫

そもそも、どうして猫の口元に黒いブツブツができるの?と疑問に思うこともありますね。ここで、まず猫の口元に黒いブツブツができる理由について見ていきましょう!

猫ニキビ

猫のあご下にできやすい猫ニキビ毎日毛繕いをしている猫達でも、あご下はお手入れが難しい場所であるため、あご下の毛穴に汚れが溜まってしまうんですね。

猫ニキビの症状

猫ニキビができてしまったとき、飼い主さんが優しく猫のあご下を拭いてあげると、粒状の黒いカスや黒い汚れが取れますが、この正体が、毛穴に詰まった汚れ(角栓)と言うことになります。猫ニキビの症状の多くは、黒い粒状の汚れ(角栓)があご下に付着しているだけで、目立った症状は現れませんが、気になって引っ掻いてしまった、などが原因で細菌感染が起こった場合、赤く腫れて出血や化膿といった症状が現れます。

好酸球性肉芽種症候群

好酸球性肉芽種症候群は症状が現れた場所によって呼び名が変わり、「無痛性潰瘍」と呼ばれるものは、主に唇や口の中の粘膜にできる病気です。無痛性潰瘍と呼ばれますが、痛みや出血を伴うこともあるので適切な治療が必要と言えます。

好酸球性肉芽種症候群の症状

無痛性潰瘍は黒いできものではなく、唇や口の中の粘膜が膨らみ、赤褐色の硬い潰瘍や傷ができます。また潰瘍の中心は白く窪んでおり、猫が痛みやかゆみを感じるため、舌で舐めてしまうと潰瘍が出血してしまい更に悪化するケースもあるので注意が必要です。

餌の食べカス

猫の口元に黒いブツブツができる理由の一つに、猫が餌を食べる食器を洗わずに使用している場合があります。特にプラスチックの食器は傷が付きやすく、雑菌やバクテリアが繁殖しやすい環境になりやすいため、食事とともに餌の食べカスや雑菌が猫の口元や顎に付着して、黒いブツブツができる理由になってしまいます。

色素沈着

猫の口元にシミのような色素沈着がみられることがありますが、これは人間と同じように、年齢を重ねるとともに現れるシミであると言えます。このシミは人間で例えると「ホクロ」のようなもので、唇や歯茎、舌などに、黒い模様のような小さな黒いシミが見られることがあります。

また色素沈着は病気ではなく、茶トラ系など、オレンジ毛色の猫に出やすいため、遺伝が関係していると考えられています。

アレルギー

猫にもアレルギー体質というものがあるため、食べている餌(フード)や体に触れる物などに、アレルギー反応を起こす可能性があります。特に猫用の食器として使用している食器の材質に対してアレルギーがあれば痒くてこすりつけたり、掻きむしることから猫の口元に黒いブツブツができる理由になっていることも考えられます。

飼い主さんが症状に気付いたら、一度、動物病院で血液検査をして、何に対してアレルギー反応があるかを調べてもらうことも必要ですね。

猫の口元が黒い時の対処法

病院で受診する猫

飼い主さんが、猫の口の周りが黒いことに気付いたとき、対処はどうしたらいいの?と不安になることも多いかと思います。もちろん猫の口元が黒い時の対処法は、猫の症状や状態によって自分で判断しない方が良い場合もあります。ここで猫の口元が黒い時の対処法についてもご覧くださいね。

自宅ケア

猫の口元に少量の黒いポツポツが確認できる程度の、軽い症状であれば飼い主さんが自宅で、猫の口元の清潔を心掛けてケアをしてあげることで症状の改善につながります。

病院へ行く

飼い主さんが自宅ケアを行っても改善されない場合は、早めに動物病院に連れて行くのが猫の口元が黒い時の最善の対処法と言えます。自然治癒が困難である猫ニキビ(口元の黒いブツブツ)は、症状が悪化してしまった場合、炎症や痒みを伴います。

また万が一、細菌感染を引き起こしている場合は、抗生物質の投与が必要になるため、動物病院で適切な治療をしてもらうことが一番と言えますね。

猫の口元のケアの方法

タオルに包まる子猫

口元の黒いポツポツの症状が軽い場合は自宅で清潔を保つ、猫の口元のケアが必要ですね。ここで自宅でもできる、猫の口元のケアの方法についてご紹介していきます。是非、ご参考にしてみてくださいね。

湿らせたコットンやガーゼを使う方法

①まずノミ取り用のコームなどで、猫の口元に黒いブツブツができている皮膚に、直接当たらないように優しくブラッシングしましょう。

②コットンやガーゼなど、清潔なものを用意して、人肌くらいのお湯で湿らせてください。

③猫の口元のニキビをふやかすイメージで、湿らせたコットンやガーゼをあご下に当てます。

④ゆっくりと時間をかけて、ニキビの個所を拭いてあげましょう。

⑤口元を拭きとった後は、優しく乾かしてあげましょう。濡れたままにしていると症状が悪化してしまう可能性があるので、しっかりと乾かしてあげることが大切です。

イソジンきず薬を使う方法

①猫の口元に黒いブツブツができている皮膚に直接当たらないように、優しくブラッシングを行う。

イソジンきず薬を5~8倍に薄めて、コットンなどにつけて優しく拭いてあげましょう。

注意点

イソジンはきず薬用を使用してください。うがい液のイソジンはメントールが入っているので使用しないでくださいね。
イソジンは症状が軽い場合や腫れ、赤み、出血が無い時のみ使うようにしましょう。きず薬用イソジンを口周りの洗浄に使う際は猫の口の中に入ってしまわないように注意しましょう。一週間行っても口の周りの黒い汚れが改善しない場合は、動物病院で適切な処置を行ってもらいましょう。

まとめ

タオルを被る子猫

いかがでしたか?猫の口元に黒いブツブツ「猫ニキビ」は、飼い主さんのこまめなケアで症状の改善につながるとも言えますね。コットンやガーゼなどの、清潔なものであご下を優しく拭いてあげると、小さな黒い塊のような汚れ(角栓)が取れます。

続けることで清潔が保てるので、症状の改善が目指せますが、もちろん、これを一週間行っても症状が改善しない場合は、動物病院で適切な処置を行ってもらうことが必要です。

また、イソジンきず薬でのケアは症状の軽いときには効果的であると言われていますが、うがい液のイソジンはメントールが入っているので使わないでくださいね。また、人間用のニキビ用塗り薬は猫に使用してはいけないので注意してくださいね。飼い主さんができるかぎり口元のケアを行って、猫ニキビの改善につなげていきましょう!

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