猫のお薬に関する雑学4選!絶対飲ませちゃいけない薬って?

【獣医師監修】猫のお薬に関する雑学4選!絶対飲ませちゃいけない薬って?

獣医療で用いられている薬の大半はヒト用のもので、それを体重から用量換算して使う場合が多いです。しかし薬剤の代謝機構は動物種によりことなりイヌで大丈夫でもネコでは禁忌とされている薬剤もいくつかあります。体型、年齢、投与方法によっても様々な副作用の可能性が出てきます。どういった点に気をつけるべきかを広く浅くお伝えしたいと思います。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.猫に処方されるお薬は人間用

処方箋の薬イメージ

体調不良など、様々な症状で動物病院にかかると、「お薬出しときますねー」とお薬が処方されることは少なくないと思います。でも実は、動物病院で日常的に処方されているお薬で、猫ちゃん用に認可されているお薬はそう多くはありません。

じゃあ何を処方されているのか?人薬、つまりヒト用のお薬を体重から用量換算して出している場合がほとんどです。それって危なくないの?と心配される飼い主さんもいらっしゃるかと思いますが、先人たちのデータの蓄積で、比較的安全に使えていると思います。

しかし、ワンちゃんに比べて猫ちゃんではデータが少なく、また代謝経路も異なることからワンちゃんには安全でも、ネコちゃんでは危険なお薬も存在します。そんなお薬のあれこれを詳しくみていきましょう!

2.猫への投与方法

獣医師に注射されている猫

猫ちゃんへのお薬の投与方法は、大きく分けて口から飲ませるか、注射を打つかの2通りです。どちらの方法もよく用いる方法なのですが、それぞれに気をつけないといけないポイントがあります。

注射での投与

注射での投与は病院内でよく行われ、投与したい薬剤を投与したい量だけ、確実に投与することができます。しかし、ワクチンやある種の刺激性の薬剤を注射で打つと、低確率ながら注射部位肉腫という腫瘍が形成される可能性があるというデメリットもあるので、一概に注射での投与が一番良い方法だとも限らないですね。近年ではどんな薬剤の注射でも、肩(肩甲間)は避けて後ろ足に打つ方が良いとされています。

経口投与

錠剤を口からひょいと飲ませると、お薬が食道内で止まってしまうことがあります。中でも、テトラサイクリン系の抗生剤では食道に障害を引き起こすことがあるので、食道で止まらせないようにフードと一緒に投与したり、投与した後に水を飲ませてあげたりするのが有効な手段と言われています。

※テトラサイクリン系(ドキシサイクリン、ミノサイクリンなど)

3.猫の体型が薬の効果に影響する

錠剤の薬を飲む猫の顔アップ

体型、すなわち肥満や痩せは、ある種の薬の効果に影響を及ぼします。それぞれどのように影響するのか見ていきましょう。

肥満体型

肥満体型の猫ちゃんは当然ながら体脂肪を多く持っています。そこで脂溶性(脂に溶けやすいタイプ)薬剤は、血中よりも脂肪組織の方に吸収されやすいので、肥満体型の猫ちゃんでは、十分に血中濃度が上がらず本来の効果を発揮できません。

痩せ体型

高齢猫さんや慢性腎不全や甲状腺機能亢進症などに罹患している猫ちゃんでは、痩せ体型なことが多いです。こういった痩せ型の猫ちゃんでは、通常の用量でも実際の血中濃度が上がりすぎてしまい、副作用が出やすくなったり中毒症状を示したりすることもあります。

4.ヒト用の風邪薬は猫に飲ませてはいけない

STOPの看板を持った子猫

ワンちゃんが服用するよりも、猫ちゃんが服用する方が重篤な副作用が出てしまう薬が存在します。これは、猫ちゃんには解毒機構であるグルクロン酸抱合ができず、ある種の薬剤を代謝できないために起こってしまう現象で、身近に存在するもので言えば、アセトアミノフェンはこの現象を引き起こしまいます。

アセトアミノフェン、どこかで聞いたことがあるような…そうです。ヒト用の風邪薬によく含まれている解熱鎮痛剤です。たまに猫ちゃんが体温が高くて辛そうだからと、お家で飲ませてしまう飼い主さんがいらっしゃるようですがかなり危険です。

消化器症状、腎不全、けいれん発作、メトヘモグロビン血症など、様々な副作用を引き起こし最悪の場合、死に至ることさえあります。

まとめ

様々な薬とナースの格好をした猫

お薬にも様々あり、種類や投薬方法によって猫ちゃんに悪影響を及ぼすこともある諸刃の剣です。また、猫ちゃんであまり副作用が出ないとされている薬でも体質、体型、老齢などの原因で発生してしまうこともあります。

過去にお薬で副作用を起こしたことがあるのであれば、それを元に種類や用量を調整することもあるので、忘れずにしっかり獣医さんに伝えてくださいね。副作用はどうしても起こってしまうことはありますが、人為的なミスによる副作用はなくせると思っています。それには、飼い主さんの協力は必要不可欠です。