猫の下痢の色や状態別でみるお腹を下す原因

猫の下痢の色や状態別でみるお腹を下す原因

猫のうんちは、トイレを掃除する際に取りやすいのが健康な状態です。スコップで拾い上げても崩れず、猫砂もあまりついてきません。ところが、猫も下痢になることがあります。下痢になるだけでも気になりますが、いつもと色が違うと心配になりますよね。猫の下痢の色が変わるのは病気なのでしょうか?猫の下痢の考えられる原因を色ごとにまとめました。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の下痢の色が緑色の時の原因

キャットフードと猫

猫の下痢の色が緑がかっていることや、黄色をしている時は消化不良です。小腸で十分な消化吸収が行われていない場合に緑や黄色の下痢になることがあります。

子猫で母乳やミルクを飲んでいる間も緑色をした下痢のような柔らかいうんちになることがありますが、この場合は心配ありません。子猫は消化器官が未熟なため、キャットフードを別の物に切り替えると下痢をすることがあります。新しいキャットフードを与える際は、今食べている物に少しずつ混ぜるなどして徐々に慣らしていきましょう。

猫の下痢の色が白っぽい時の原因

草むらでミルクを飲む子猫

ひどい下痢ではないけれど、色が白っぽく、泥状ですっぱい臭いがする時は、脂肪便の可能性があります。脂肪便は、胆汁が不足している、膵臓からの消化酵素がうまく分泌されていないなど、脂肪が十分に分解されずに、そのまま出てきてしまった便です。

猫の下痢の色が赤い時の原因

横たわる猫

猫の下痢が赤い色をしていたら、血が混ざっていることが考えられます。血便が出るのは、大腸から出血があるからです。下痢のうんち全体が真っ赤あるいは、赤色の水様便が出る場合は、症状が進んでいますので、すぐに動物病院を受診してください。

大腸の粘膜がびらんや潰瘍などではがれてしまっている可能性があります。赤色の血便の下痢をしていると、貧血や脱水症状にも陥りやすくなりますので、注意が必要です。

パルボウイルスの可能性

猫パルボウイルス感染症が原因で、赤い色の下痢になることもあります。体内で増殖したパルボウイルスは下痢が赤い色の他、嘔吐などの症状を引き起こし、下痢による脱水症状にもつながることがあります。

健康な成猫では感染しても特に下痢などの症状が出なかいことや、出ても軽度で済むことが多いですが、子猫や抵抗力の落ちている猫では死に至ることもある病気です。パルボウイルス感染症を予防するには、定期的なワクチン接種が有効です。

猫の下痢の色が黒っぽい時の原因

病院で診察を受ける猫

急性胃腸炎

下痢の色が黒っぽい、あるいはチョコレート色をしている時は急性胃腸炎が考えられます。黒っぽい色の下痢とともに、急激な吐き気が起こる事があります。細菌やウイルスの感染によることがほとんどですが、食べた物が傷んでいることや、冷たい物を口にした時にも下痢が起こります。

慢性胃腸炎

うんちが軟便やタール状で黒い色をしている時は、慢性胃腸炎の可能性もあります。慢性胃腸炎の原因は、寄生虫感染や、食物アレルギー、IBD(炎症性腸疾患)などです。慢性胃腸炎では、軽い下痢が何日も続きます。軽度ですが、吐き気が起こることもあります。

小腸からの出血

慢性的な嘔吐や下痢で、黒い色の血が混じった便が出る時は、小腸からの出血である可能性もあります。原因はリンパ腫などの腫瘍や慢性胃腸炎で腸粘膜の炎症が強い場合などです。この場合は、急激に体重が落ちます。

猫の下痢の色がいつもと違う時の対処法

猫の飼い主と獣医

食べ物を見直す

猫が下痢をしても、いつもと同じ色や黄色っぽい色なら一過性のものかどうかチェックします。一過性の下痢の原因としてはフードの食べ過ぎ、初めて口にする物を食べた、拾い食い、ストレスなどが下痢の原因と考えられます。一過性の下痢で、元気も食欲もあるようなら、エサを少しずつ数回に分ける、消化のよい物を与えるなどして胃腸の負担を軽くしてあげましょう。

水分を取らせる

下痢をすると脱水症状になりやすいので、水分補給にも気をつけてください。ペット用の経口補水液やウエットフードがおすすめです。高齢の猫では、腸の働きが弱まることで便秘と下痢を繰り返すこともありますが、便秘や下痢が続くようなら獣医さんに相談してくださいね。

動物病院に受診する

猫の下痢の色がいつもと違っていたら、動物病院で診てもらいましょう。特に色が赤や黒で血が混ざっている下痢の場合、様々な原因が考えられます。命にかかわるような病気の可能性もありますので、色が赤や黒で血が混ざっている下痢のときは早めに受診しましょう。

うんちの色を説明するのは難しいので、便をサンプルとして採取できればいいのですが、下痢の状態では難しい場合もあります。その際はうんちの写真を撮っておいて、獣医さんに見せることをおすすめします。下痢の色や臭い、回数や量なども獣医さんに伝えるとともに、他に嘔吐などの症状があるか、食欲があるかなど詳しい情報も記録しておくといいでしょう。実際に糞便検査を行う際にはやはり便が必要になりますので、乾燥しないようにして少量でも動物病院に持参しましょう。

下痢や血便で脱水や貧血の症状が重い場合は、入院になることもあります。

まとめ

カラフルなトイレットペーパーと猫

猫の下痢にはいくつかの原因が考えられます。一過性の下痢であれば、食べ過ぎやストレスなどです。猫が下痢をしていつもと色が違う場合は、病気の可能性もあるので注意が必要です。特に下痢の色が赤や黒などは、腸内で出血が起きています。重篤な病気のこともありますので、下痢の色がいつもと違う場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

便は猫の健康状態を教えてくれます。元気があっても下痢をしているなら、不調が隠れているということです。猫のトイレを掃除する時は、下痢をしていないか、下痢の色がいつもと違わないかチェックしてくださいね。

反対にコロコロの硬いうんちや、便の回数が少ないと便秘ですので、フードの内容などを見直してみましょう。

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