猫の乳歯の生え変わり
個体差がありますが、猫は生後3ヶ月頃〜6ヶ月頃の間に全ての歯が乳歯から永久歯に変わります。ただ生え変わり方は人間と違い、永久歯が全て生えてから乳歯が抜けるようになっています。
歯の本数
乳歯が切歯12本、犬歯4本、前臼歯10本の合計26本に対して、永久歯は後臼歯の4本が加わり、全部で30本になります。
乳歯から生え変わりの兆候
子猫がやたらと何かに噛み付いていたら、乳歯の生え変わりで歯茎がムズムズしているのかもしれません。よだれの量も増えるので、ペロペロと舐める仕草も多くなります。
また、生え変わり時期は乳歯と永久歯が両方生えている状態なので、間に食べ物のカスがつまりやすくなります。その為、口臭がキツくなる事がありますが、完全に生え変わるとニオイは解消されることがほとんどです。
猫は乳歯はほとんど飲み込んでいる
稀に抜けた歯が落ちていたり、おもちゃにくっついていたりする事があります。見つけたらラッキーと言って良いでしょう。
ほとんどの場合、抜けた歯はそのまま飲み込んでいる事が多いようです。飲み込んだ歯は便と一緒に排出されます。飲んでしまったからと言って、何か問題が起きることはありません。
猫の乳歯がぬける時に出血する事もある
乳歯が抜けた時に出血する事があります。大抵は5分程度で止まりますのでご心配なく。
我が家も最初の子の時はまさか猫も歯が生え変わると思っておらず、おもちゃに血がついていてその横に歯が落ちていたので驚きました。別件で動物病院に行った際に、獣医師に「生え変わりだ」と伝えられて安心したのを覚えています。
出血すると慌てますが、歯の生え変わり時期にはよくある事です。しばらく様子を見て、出血が止まらないようでしたら動物病院を受診しましょう。
猫の乳歯が生え換わる時の食事
猫の乳歯が生え変わっているからといって、食事を変える必要はありません。今まで硬いドライフードを食べていたからと特に柔らかい食事に変える必要はなく、そのままドライフードを与えて問題ありません。
猫の乳歯の生え変わり時期の症状
普通は特に問題のない猫の乳歯の生え変わりですが、こんな症状があった時は注意が必要です。
出血が止まらない
歯が抜けた事での出血はほとんどが直ぐに止まりますが、もしずっとダラダラと出血しているようでしたら「猫白血病ウイルス感染症」や「猫エイズウイルス感染症」かもしれません。動物病院を受診するようにしましょう。
食事しづらそう、歯茎が腫れている
乳歯が抜けずに残っている「乳歯晩期残存症」かもしれません。乳歯晩期残存症は生後1年を過ぎても乳歯が抜けず、噛み合わせの異常や歯周病の原因となります。適切な時期に乳歯を抜歯する事で防げる症状です。
生え変わりの終わりの頃、生後6~7ヶ月の頃に一度動物病院に出向いて生え変わりの様子を見てもらうと良いでしょう。
猫では稀なケースなのですが、もし食事をしづらそうにしていたり歯茎が腫れていたりしたら動物病院を受診するようにしてくださいね。
猫の乳歯が抜ける時期の歯磨き
猫は虫歯にはならないのですが、「歯周病」にはなりやすいです。歯についた歯垢を放っておく事で歯石になり、どんどんと口内環境が悪化していきます。
歯ブラシを嫌がる猫は多いですから、生え変わりが終わる頃までに慣れさせておくと良いでしょう。
最初から歯ブラシを使うのではなく、まずはコミュニケーションの一環として口に触る事を慣れさせていきます。口へのタッチに慣れたら、今度は歯を触ります。まずは手前の切歯、次に奥の臼歯・・・と徐々に慣れさせていきます。
指で触るのに慣れたら、ガーゼを使って優しく磨いてみます。猫の歯磨き用のペーストが市販されていますので使ってみるのも良いでしょう。ガーゼでの歯磨きに慣れたら、歯ブラシを使って歯磨きを行います。
歯に付いた歯垢は約3日で歯石になると言われています。歯石になると全身麻酔をした上で歯石除去の処置をしないと取れませんので、歯石になる前に歯磨きで歯垢を取り除く事が大切です。
歯周病は酷くなると猫の歯を失ったり、膿によって顔に穴が空いてしまったり、猫にとっても飼い主にとっても良い事はありません。なるべく子猫のうちから歯磨きに慣れさせ、歯と健康を守ってあげましょう。
猫の乳歯の保存ケース
商品情報
今までありそうでなかった、猫専用の乳歯ケースです。職人手作りで仕上げた桐ケースです。
猫の乳歯を入れておける専用ケースも販売されています。高級な桐で出来ていたり、愛猫の名前を入れておけたり、凝った作りのものが多いです。記念にお一ついかがですか?
猫の乳歯のまとめ
猫の乳歯の生え変わりは成長の証ともいえる嬉しい出来事です。特に生まれたての頃から育ててきた場合には感激もひとしおでしょう。
生え変わりを迎え、これからも健康で長生きしてもらうためにも歯のお手入れを欠かさず、良い口内環境で過ごさせてあげたいですね!
女性 むぅ
本文に書いてあった猫の歯周病についてですが、猫では人間が想像するよりもっと怖い症状が出ます。
歯垢が歯石になり、歯石が口臭や歯肉炎の原因になるのはあまり変わらないのですが、まず1つ目の怖いポイントはそのスピードです。
人間の場合は、歯垢が歯石になるまでだいたい1ヶ月かかると言われていますが、猫や犬では約3日で歯石が出来上がります。
ですので、歯磨きをしなければ1ヶ月も経たないうちに軽度の歯肉炎が始まっています。
実際、3ヶ月齢ぐらいの子猫が診察に来て口を見るとすでに軽度の歯肉炎になっているケースがあります。
2つ目の怖いポイントは、口内炎です。
歯肉炎が進み、重度の歯周炎が起こると、歯がぐらぐらするだけでなく、口の中全体に口内炎が出来ます。
1個でも口内炎ができると、人間でも食事が辛くなりますが、それが口の中に何個もできるので、食事をすることも難しくなります。
ひどくなると薬ではおさまらず、全身麻酔下で全部の歯を抜歯しなければなりません。
口の中の環境は体質による差が大きいので、一概に全員がそうなるとは言えませんが、予防のために歯磨き習慣をつけるのが非常に大切ですね。
女性 ケロキ
20代 女性 ゆず
10代 男性 祥
歯みがきに関しても、子猫の時期から慣らせておくべき習慣だと思います。3歳以上の猫は8割以上が歯周病だといわれるほど、歯周病を防ぐことはとても難しいですよね。成猫になってから歯みがきしようとすると、殆どの猫が嫌がります。
実際に、子猫の時から歯みがきをしている子は嫌がりながらも何とか口の中を触らせてくれますが、成猫になってから保護した猫は暴れて触らせてくれません。歯みがきをするのがどうしても難しいので、デンタルケア用のおやつや猫が好む味がついている猫専用の歯磨き粉を利用しながら、ケアをしています。出来るだけ早くに歯みがきの習慣をつけておけば、歯周病を防ぐことができるかもしれませんね!