猫が喧嘩をする意味
縄張り争いで喧嘩する
野良猫では特にオス猫が縄張りをめぐって喧嘩をします。猫同士の縄張りは、共有する場所が出てくるため、同じ場所で出会うこともあり、場合によっては喧嘩が起こります。それぞれにお互いが持つ縄張りに入ったときにも、猫の喧嘩に発展する可能性があります。メス猫同士でも喧嘩をすることはありますが、オス猫の方が喧嘩をする頻度は高いと考えられます。
基本的には、メスはメス猫同士、オスはオス猫同士で喧嘩をし、メス猫がオス猫に喧嘩をしかけたりすることはほとんどありません。ただしメス猫は、他の猫から自分の子供を守ろうとする場合には、喧嘩をすることがあります。
発情期で喧嘩する
オス猫は発情期になると、メス猫を求めて動き回るようになります。オス猫同士、互いの縄張りに入ることがあればもちろん喧嘩になることもありますし、同じメス猫を追いかけているときにも喧嘩になることがあります。発情期である春と秋ごろには、独特の大きな鳴き声を出しながら、オス猫同士にらみ合いを始めて、猫の喧嘩に発展します。
相性が悪いため喧嘩する
多頭飼いの場合には、猫同士で同じ場所を共有して暮らすことになりますが、お互いに縄張りが同じため、場合によっては喧嘩をすることもあります。
猫は群れを作りませんが、共有する場所もあり、普段はお互いにできるだけ喧嘩にならないようにしています。それでも、たまたま近くにいてしまって猫が喧嘩したり、強い猫が弱い猫に対して喧嘩をけしかけたりすることがあります。
同じケージに仲の良くない猫を入れたり、くつろぐ場所が少なかったりすると、猫の喧嘩になることも多くなるでしょう。
猫の喧嘩を止める方法
気をそらして喧嘩を止める
猫の喧嘩を止める唯一の方法は、猫の気をそらすことです。手を叩いて大きな音をたてたり、丸めた紙やタオルを猫の間に投げたり、鈴などを鳴らす、水のスプレーをかけるなど、猫を喧嘩から別の方に興味がいくようにしましょう。
猫の喧嘩を止める際の注意点
飼い主さんが興奮している猫を直接触ったりすることは、引っかかれたり噛まれたりする可能性があるため危険です。また猫と飼い主さんとの信頼関係が崩れるきっかけにもなりかねませんので、飼い主さんが猫の喧嘩に介入することはできるだけ避けましょう。
猫同士の喧嘩は、基本的には人間が介入せず、できるだけ見守るようにしてください。猫の世界では、喧嘩を通して、猫同士の関係が出来上がっていくと考えられます。
猫同士の喧嘩は、基本的には相手が死亡するほどやりあうことはなく、決着がつけばその後に再び喧嘩になることはあまりありません。ずっと走り回っているとか、強い猫が弱い猫を噛むなどして危険がある場合にだけ、猫の気をそらして喧嘩を止めましょう。
猫が喧嘩をするときのルール
1 出来れば喧嘩せず威嚇だけで済ませたい
猫同士は、相手を死なせたりするまでの致命傷を与えることはありません。猫の喧嘩は、最初は睨み合い、アオーン、シャーッといった大きくうるさい鳴き声をお互いに出して、背中の毛を逆立て、威嚇し合います。
猫の喧嘩では、体格はもちろんですが、位置取りやお互いの姿勢などがとても重要です。猫同士では、高いところにいる猫の方が、優位に立てます。猫が睨み合う段階で決着がついて、負けたと感じた方がその場から立ち去るという場合が多く、攻撃をしないで喧嘩が終わる場合も多くあります。
猫が飛びかかって引っ掻いたり噛み付いたりするのは、お互いの力が似ていたり、性格が攻撃的であったり、発情期でお互い気がたかぶっていたり、という場合です。
2 致命傷は負わせない
たとえ実際に猫同士の喧嘩が始まっても、傷を負わせることがあっても、その場で致命傷を与えるような攻撃はしません。取っ組み合って引っ掻いたり噛んだり蹴ったりして、どちらかが逃げ出したりうずくまったりすれば、勝敗が決まります。
猫にとっての喧嘩は、その場から相手を追い出し、自分が生き残るためなので、とどめを刺すようなことはないと言って良いでしょう。ただ、猫の取っ組み合いや、噛み付いたままの状態が数分続くこともあり、どちらの猫も大怪我をしてしまう場合もあります。
こちらの動画には、猫が喧嘩をして、唸り声をあげ、飛びかかって噛みつき、取っ組み合う様子が撮影されています。猫同士、噛み付いて抜けた毛がふわふわと舞っています。
3 うずくまったり逃げたりした方が負け
猫の喧嘩は、攻撃をしない威嚇の段階でも、小さくうずくまったりお腹を見せたりして負けを認めたり、逃げていったりすれば、それで勝負がつきます。威嚇の後で取っ組み合って攻撃しあっても、抵抗しなくなったり逃げていったりした方が負けになります。
勝った方の猫は、逃げる猫をしばらく追いかけ、縄張りから追い出そうとすることもあります。さらに一度は喧嘩がおさまってお互い毛づくろいをしていても、喧嘩が再開することがあります。
お互いに勝負がついたと認識すると、逃げていった猫をいつまでも追いかけるということはなく、猫の喧嘩は終わります。
猫の喧嘩とじゃれあいの違い
喧嘩の場合
喧嘩のときには、猫は真剣です。縄張りといった、猫の命に関わるようなことを争っているのですから、いくら致命傷を与えないとはいえ、相手が負けを認めるまで手を緩めることはありません。
相手の猫がひるむと飛びかかったり、本気で噛み付いたりひっかいたりします。やられた相手が悲鳴をあげても、毛がむしれても、出血したとしても、相手が負けを認めない限り、猫の喧嘩は続きます。
じゃれあいの場合
喧嘩ではなくじゃれあいは、遊びでもあり、子猫の頃から社会性を身につける行動でもあります。猫が大きくなって縄張り争いをしたり、オス猫であれば発情期にメスの奪い合いをしたり、または敵から逃げたりする場合のために、兄弟猫と練習をしているのですね。
猫が噛み付いたり引っ掻いたりしたときに、相手の猫が悲鳴をあげると、痛いのだなと理解して、手加減をすることを覚えていきます。そのため、じゃれあいは本気の喧嘩とは猫の動きが違います。行動には猫の遊びが入っていて、相手を追い出そうとか、強い力で引っ掻いたり噛み付いたりなどはしません。
猫が喧嘩で怪我をしたときの対処法
病院に連れて行く
喧嘩によって猫が怪我をしていたら、できるだけ早く動物病院に連れて行きましょう。出血していればもちろんですし、できた傷が浅く見えても、放置しておけば猫が感染症になることもあります。また、素人では気づかないところに怪我をしている可能性もありますので、一度獣医さんに診てもらえば安心です。
さらに猫の爪は汚れていることが多く、傷に雑菌が入って化膿することもあります。猫の喧嘩でできた傷は消毒をしてもらうなど、病院で正しく処置をしてもらいましょう。
喧嘩の後数日は様子をみる
喧嘩の後、猫に目立った外傷もなく元気そうに見えても、怪我をしている可能性があるので、猫の様子は注意して見ていましょう。
猫が耳や顔などに怪我をすればすぐ気づけますが、お腹や尻尾の下部分や口の中など見えない部分に傷を負っていて、化膿して膿がたまってきて初めて猫の怪我に気づく飼い主さんもいます。
他には猫が頭を打っていたり、足をぶつけて骨折などをしていたりする場合もあり、少し見ただけでは怪我をしていることに気付かず、元気だと思い込んでしまうこともあります。
猫は相手を死亡させるほどの喧嘩はしませんが、喧嘩のときの傷がもとで感染症などにかかるなどして、悪化すれば死亡することもあり得ます。猫に元気がなかったり、吐いたり、膿の臭いがしたり、体を触って痛がったりするようであれば、すぐ動物病院に連れて行きましょう。
まとめ
猫が喧嘩するときにはちゃんと意味があり、喧嘩といってもちゃんとルールがあります。猫はできれば喧嘩を避けようとします。出会っても目をそらしたり、弱いと感じた方が先に逃げたりすることで、回避しています。
ただ、発情期にはどうしてもオス猫同士の喧嘩は増えますし、気性の荒い猫同士や相性の悪い猫などは喧嘩しやすい場合もあります。
また外に出る猫だけでなく、室内で複数の猫を飼っている場合でも、喧嘩は起こる可能性があります。特に、室内という限られた空間で暮らす猫同士が喧嘩をしたときには、飼い主さんとしても心配ですね。
猫の喧嘩を止めるには、音を出したり水をかけたりして、猫の注意をそらして止めましょう。基本は猫同士の関係を築かせるために見守って、あまりにうるさいときや、怪我の可能性があって危険と判断したときだけ、止めるようにしてくださいね。
50代以上 女性 匿名
見守るだけで良いのでしょうか?