猫がゴキブリを食べた時の対策とホウ酸団子の恐ろしさ

猫がゴキブリを食べた時の対策とホウ酸団子の恐ろしさ

猫は好奇心が旺盛な動物で、虫などの小さな生き物をよく捕まえます。その虫の中でもゴキブリといえば衛生的にあまり良いイメージはありません。猫がゴキブリを食べると身体に悪影響があるのではないかと心配になります。

SupervisorImage

記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫がゴキブリを食べるのは大丈夫?

ゴキブリの大群

猫がゴキブリを食べても特に問題は無い

もし猫がゴキブリを食べたとしても、猫に異変がなければ通常はなんともありません。しかし、ゴキブリは、さまざまな病原菌やウイルスを媒介する虫です。例えば、食中毒の菌を保有するゴキブリがいます。このゴキブリを介して猫が食中毒に感染してしまう可能性があります。

これは猫だけの話ではなく、人間も同じです。食中毒やウイルスなどを保有するゴキブリが人間の食べ物に接触することで、人に感染するという可能性もあります。

猫がゴキブリを食べて様子がおかしい時は病院へ

ただ、1日~2日間は、何か変わった様子がないか見て下さい。もし猫が、下痢や嘔吐などの異変があるようでしたら、すぐに動物病院に連れて行きましょう。

ホウ酸団子を食べたゴキブリを猫が食べたら

ホウ酸団子とは?

ホウ酸団子とは、昔からゴキブリ駆除のために用いられる、ゴキブリに有効な毒のエサです。ゴキブリ駆除用のホウ酸団子をゴキブリが食べてしまい、それを猫が食べてしまったら、猫もその毒を摂取するということになります。

すぐに病院へ連れて行く

ゴキブリ駆除用とは言え、ホウ酸団子は毒性が強いんです。猫がホウ酸団子の毒が回ったゴキブリを誤飲してしまった際は、すぐに病院へ行き処置を受けましょう。

猫がホウ酸団子を食べた時の致死量

猫がホウ酸を摂取すると中毒を起こし、量が多い場合は死亡する可能性があります。人間の場合は、成人で約15~20g、子供は約2~6gで死亡する可能性があると言われています。猫も子供と同じくらいの体重なので、約2~6gのホウ酸を食べると死亡する可能性があります。

猫がホウ酸を摂取した時の症状

それから、ホウ酸の中毒症状としてはあげられるのは、吐き気や嘔吐、腹痛や下痢などです。猫が、このような症状がある時は、動物病院に連れて行きましょう。

猫がホウ酸団子以外に気をつけるもの

粘着性のゴキブリ取り

猫が、ゴキブリ駆除の目的で使用される物で、ホウ酸団子以外でも、気をつけたい事があります。

ゴキブリの駆除として使われる、粘着性のゴキブリ取りには毒性はありません。しかし、猫が間違って、粘着シートに引っかかると大変です。なかなか取れません。なので、猫が入らない所などに粘着性のゴキブリ取りを設置しましょう。

煙タイプのゴキブリ駆除剤

煙が出るゴキブリ駆除薬は、猫の飼っている部屋ではやめましょう。「ペットや金魚、昆虫などを飼っている部屋での使用はしないでください」と説明書に書かれてあります。危険なので、猫がいる部屋での使用はしないで下さい。

ゴキブリ以外の害虫の猫への影響

誤飲してしまった猫
  • 蚊のフィラリア症
  • ノミ、ダニ
  • ネズミがもつ条虫や回虫
  • カエル・ヘビがもつマンソン裂頭条虫

ゴキブリの他に、猫にとって有害な虫や生物をまとめました。猫にどのような影響があり、またその対策はあるのでしょうか?

蚊のフィラリア症

フィラリアの感染幼虫を体内に持っている蚊が、猫を吸血した時に、感染幼虫が猫の体内に侵入し、感染します。吸血された猫は、猫のフィラリア症になります。

フィラリア症の症状

咳や呼吸困難、吐いたり下痢したりすることもあります。慢性化してくると咳のほかに、食欲低下や体重の減少といった症状が現れる猫もいますが、なかには目立った症状の見られない猫もいます。

フィラリア症の治療法

フィラリアの治療には、症状(咳、嘔吐、下痢など)に対する治療とフィラリア成虫を駆虫する治療があります。

フィラリアの予防法

フィラリアの幼虫に駆除効果のあるフィラリア予防薬を、定期的に投与します。蚊の活動が始まる春~初夏から、蚊が見られなくなる時期の1カ月後まで、フィラリア予防薬の投与を続けます。室内飼いの猫も蚊に刺される可能性があるので、室内飼いの場合でも予防薬を定期的に投与しましょう。

ノミ、ダニの被害

ノミや、ダニは、猫の毛の中に入っています。小さいので、見つけにくいです。

ノミ、ダニの症状

このノミや、ダニに噛まれると、唾液が猫の体内へ入ります。その、唾液がアレルゲンとしてかゆみを伴ったアレルギー性皮膚炎を起こします。

また、ノミやダニの体内には瓜実条虫の幼虫がいます。猫が、毛づくろいの際に間違って食べたり、ノミやダニをつぶすことにより、体液が出て猫の体内に浸透し感染します。猫が、下痢や体重が減っていくなどの症状がある時は、動物病院に行くことをおすすめします。

ノミ、ダニ被害の予防法

予防方法は様々です。

猫のブラッシングしている時に、ノミやダニなどいないか良く見ましょう。ノミ取り用のブラシも販売しているので、利用するのも良いですね。ノミやダニを発見した時に、つぶさないことが大事です。

ノミやダニを潰すと卵が散乱して、大量発生します。見つけたノミやダニは、中性洗剤を入れた熱湯に入れて殺す方法がオススメです。セロハンテープやガムテープで挟んで動けないようにして処分してもよいです。

ダニは、無理に取ろうとするとダニの口の部分が皮膚の中にちぎれて残ってしまうことがあります。それにより、傷や皮膚炎になることがあります。ダニを取る時は、慎重に全部取るように気をつけましょう。

また、ノミ取りシャンプーや首輪を利用するのも効果的です。ですが、ノミ取りシャンプーは一時的な効果しかないので、定期的に行う必要があります。猫が、泡を舐めないように注意してください。

ノミ取り首輪というものもあります。首に密着するように装着するものなのですが、猫が食べたりかじったりしないよう注意が必要です。

そして、予防してもノミやダニの被害にあったら、駆除薬を使用しましょう。動物病院で処方される、ノミやダニの駆除薬を使用すると簡単で効果が高く、副作用も少なくてすみます。それから、ダニは草むらなどに潜んでいるので、猫を草むらに近づけない事で予防出来るでしょう。

ネズミを食べた時、条虫や回虫が寄生

猫は、ネズミを食べると言うのは特に外に出る猫であれば可能性がありますが、思わぬ病気に感染してしまいます。

条虫とは、細長い形で平らになっている寄生虫で、主に小腸にいます。成虫の名は、サナダムシです。猫に寄生するのは、ウリザネ条虫・広節裂頭条虫・エキノコックスなどです。また、回虫とは小腸に寄生する白く細長い寄生虫です。

条虫、回虫に感染した時の症状

条虫、回虫どちらも、ネズミを捕食する事により感染します。成猫の場合、どちらも症状が出ない事もありますが、子猫の場合は下痢や便秘などの症状がでます。

  • 条虫は、嘔吐や貧血などの胃腸障害などの症状が出ます。
  • 回虫は、腸閉塞や消化不良などの消化器症状が出ます。

また、どちらも共通の症状として下痢や栄養不良を起こします。

予防、および対処法

猫の条虫、回虫に感染しないように予防するには、ネズミを食べないようにすることです。また、猫は狩りが好きなので、どうしてもネズミを見たら捕まえてしまうかもしれないので、室内飼いが、おすすめです。

対処方法は、もし猫がネズミを食べているところを見つけた場合は、吐き出させることです。また、便の中やお尻近くに条虫・回虫を見つけた場合は、動物病院に行きましょう。

カエル・ヘビを食べた時、マンソン裂頭条虫が寄生

マンソン裂頭条虫が寄生しているミジンコを、カエルやヘビが食べます。その感染しているカエルやヘビを、猫が食べて感染します。

マンソン裂頭条虫の症状

マンソン裂頭条虫は、細長い寄生虫で猫の腸内に寄生します。症状は下痢、嘔吐などです。それ以外には食欲不振、肛門のかゆみなども症状として現れます。

予防、および対処法

マンソン裂頭条虫を予防するには、カエルやヘビを食べないようにすることです。また、猫は狩りが好きなので、どうしてもカエルやヘビを見たら捕まえてしまうかもしれないので、室内飼いがオススメです。

対処方法は、もし猫がカエルやヘビを食べているところを見つけた場合は、吐き出させることです。それから、動物病院に連れて行きましょう。
定期的に駆虫薬を投与することで寄生虫の被害を最小限にすることも可能です。

まとめ

遊ぶ猫たち

猫は、狩りが大好きな好奇心旺盛な動物です。目の前に、ゴキブリやその他の獲物になりそうなものがあれば、狩りをして時には食べてしまう事があります。なので、猫は室内飼いが良いと思います。大切な飼い猫が病気にならないように、ゴキブリなどの害虫にはよく気をつけなければなりません。

投稿者

女性 mio

猫を飼って1年になります。今のところ猫とゴキブリが鉢合わせたことはありませんが、これはいつも心配に思っていました。やはり誤飲する可能性もあるのですね。
家の中はホウ酸だんごを設置していますが、直接手で触れられないような容器に入っているものにしています。しかし以前、猫が不思議そうに手で突っついているのを見かけたので、今は念のために見えないところに置くようにしています。ゴキブリホイホイも同様に手の届かないところに置いています。
また、ゴキブリもこわいですが、外飼いしている場合はセミなども食べてしまうこともあるようですね。
我が家の猫も事情があり完全室内飼いができないので、やむなく外にも出しているのですが、以前イモリを捕まえてきて、食べてしまったことがありました。私にとってはあまりにも衝撃的で、もし寄生虫が体内に寄生したら心配だったので急いで動物病院へ連絡したところ、イモリを食べるのはよくあることだと言われました。そして、2~3日経っても嘔吐や下痢など異変がなければ大丈夫とのことでした。
幸いにも何ごともなかったのでよかったですが、目の前で生きているものを食べる愛猫の姿は、かなりドン引きでした。
猫は狩猟本能があるのでしょうがないですが、ゴキブリは絶対に食べないように防ぎたいと思います!!
投稿者

女性 ゆき

私の住む地域にはゴキブリはでないので、生まれてから1度も直接は見たことはありません。動画などでは何度か見たことがありますが、虫が苦手な私はあの「カサカサ・・・」という音、そして黒光りしている体・・・、画面越しに見ただけで鳥肌が立ちます。

あんなに機敏に動くゴキブリの姿は、猫にとっては最高のオモチャであり獲物であるでしょうね^^;猫は狩りをして生きていく本能があるため、虫を見つけるとどうしても狩りをしないと!という気持ちになるそうで・・・、食べることをやめさせるというのはとても難しいのですが、ゴキブリが出る地域にお住まいの方は気を付けなければいけませんね。

ヘビを食べてしまうのも危険らしいですが、幸いにもヘビも見たことはありません。ちなみに小さなカエルはよく見ますが、我が家の猫たちは無関心です。

それにしてもいきなり狩りのスイッチが入ることもあるので、十分に気を付けてみておきたいと思います!
投稿者

40代 女性 ねこ太

うちの猫ちゃんはゴキブリを追いかけ回すのが大好きです。うちはほうさん団子を、置いていないのですが、マンションの館内に、ほうさん団子が置いてあるので、それを食べたゴキブリを誤って、猫ちゃんが食べてしまったら大変なので食べないように、気を付けています。しかし、追いかけているうちに、口に入れてしまっていたことがあり、驚いて吐かせました。猫ちゃんにしたら、おもちゃのように思うのでしょうね。特に子猫の頃は、夏になるとゴキブリとおいかけっこが、いつもの光景でした。
投稿者

30代 男性 匿名

猫は人よりはるかに腎機能が弱いです。食塩にも弱いです。薄味に気をつけて、食塩と同作用のホウ酸は取り扱いには気をつけるべきですね。

あと、猫は専門ではないのでわかりませんが、人間のホウ酸の致死量がおかしいような。
体重と腎機能に依存するので、未成熟な乳幼児には致命的ですし、無味なので混入には気をつけるべきですが、
> 人間の場合は、成人で約15~20g、子供は約2~6gで死亡する可能性
食塩と動作用、ほぼ同値の毒性です。よほどの条件が無いと死亡までは至りません。何か勘違いをされているのでは。10倍でちょうどいいような。

スポンサーリンク