猫の女神「バステト神」にまつわる神話

猫の女神「バステト神」にまつわる神話

バステト神のように猫の女神が活躍していた古代エジプトでは、狂信的に動物賛美をしていたようです。古代エジプトでの地位が一番猫にとっては身分が高かったようです。それではバステト神について調べていきましょう。

4121view

バステト神とは?

バステト神

バステト神は古代エジプトの女神

バステト神(Bastet)は猫の頭を持つ古代エジプトの擬人化された女神の一人です。バステト神は始めの頃、獰猛な猫神である人間に危害を加える神様として登場しますが、バステト神は同じく人間に強い母性を与える神様も担っており、女神らしい二面性を色濃く持っています。

バステト神を信仰するバステト信仰が年月を経るに従いバステト神の「獰猛な猫神」の面が消えていきます。バステト神として有名な姿は獰猛な面が消えた後の姿と言われます。

バステト神のいろいろな姿

バステト神は頭だけが猫で手にガラガラに似た楽器「シストラム」を持っている柔らかな様子となります、その他に巨大な猫の姿だけでもバステト神を現す事もあります。

バステト神が持つシストラムは豊穣崇拝の儀式に使用された楽器でした。「百獣の王」が神格化されることは良くありますが、バステト神のようにイエネコを神様として神格化し崇拝するのは珍しいことだったようです。

古代エジプトは猫を崇拝していた

バステト信仰を受け、オスの猫は「太陽の神」、メスの猫は「月の神」として奉られ古代エジプトでの「猫の地位」は大変に高かったのです。しかし猫を極端に崇拝したことがエジプトを滅亡に追いやる大きな要因となったようです。

古代エジプトで猫が増えなかった理由

バステト神のように猫は神聖視され大切に保護されていましたが、猫の嫉妬深い習性のためになかなか数が増えませんでした。その嫉妬深い理由とは、交尾のできなかったオス猫がメスが出産した他のオスの子猫を奪ったり殺したりしたからなのだそうです。

バステト神にまつわるお話

猫神だらけ

セクメト神とバステト神は表裏一体

ライオンの頭を持つ「セクメト神」と猫の頭を持つ「バステト神」は同じ身体の神様であり、時と場合によりどちらが表現されるか分からないので、実は同一神とされています。

もしくは、セクメト神の大人しい性格の部分がバステト神とも言われます。

ラー神の娘、セクメト神とバステト神は姉妹

ライオンの頭を持つ「セクメト神」の妹がバステト神であると言われている説もあります。セクメト神はラー神の娘ですから、「バステト神」もラー神の娘となります。

母性愛の象徴としてバステト神に似た女神ハトホル

イシスと同じ位に有名なハトホル女神とバステト神は母性の部分で共通の女神とされることがあります。エジプトではハトホル神もイシス神もごちゃごちゃになっているようです。

バステト神はテフヌト女神とも同一視

ライオンの頭を持つ破壊の女神である「セクメト神」が人類を滅ぼそうとしたために、他の神々が作った酒を女神に飲ませ鎮めたという神話がります。

テフヌト神はセクメト神と同一視され、セクメト神と同じく「血の酒=葡萄酒」を捧げられたそうです。セクメト神はバステト神と同一視されますので、テフヌト神とも同じになります。

バステト神だけの神話は存在せず、セクメト神やハトホル神と同じという意味で書物には書かれているようです。

バステト神の聖地

バステト神

バステト神の聖地「ブバスティス」

古代エジプトの「猫崇拝」は、紀元前1991年〜1986年の第十二王朝にベニハサンという土地を中心に興りました。一度猫崇拝は衰退し、紀元前945年〜715年の第二十二王朝で「バステト神崇拝」としてブバスティスを中心に頂点を極めます。

ブバスティスがエジプトの首都になった事により地方で行われていた猫崇拝が、国中へ広まりました。猫の埋葬地がベニハサンからナイル下流のブバスティスに移動し、ベニハサンと並び「ブバスティス」は第二の猫崇拝聖地となりました。

聖地ブバスティスでは季節毎にバステト神のお祭りが開かれ、エジプト各地から巡礼者など約70万人もの人々が集まりました。国中の人々がブバスティスに集まっていたのは間違いがないようです。鳴りものや笛、歌など音楽と人々の踊り、そして多量の葡萄酒により大変賑やかなお祭りであったと言われています。

エジプトで一番美しい神殿の一つ、と言われたのがバステト女神の神殿です。

以前に猫崇拝と共に廃れてしまったベニハサンでは、1890年イギリスの探検家により30万個におよぶ猫のミイラが発見されました。しかし、船ごと競売にかけられほとんどのミイラは肥料に使われてしまいました。考古学的にも歴史的にも非常に残念な事ですね。

その他のバステト神の聖地

  • メンフィス
  • ヘリオポリス
  • テーベ
  • レオントポリス
  • ヘラクレオポリス

古代エジプト人によるバステト神崇拝の背景

猫のミイラ

猫は古代エジプト人家族の一員

古代エジプトでは、猫は家族の一員としてひもで繋がれたり自由にしたりと可愛がられていました。

神様として猫を崇拝するようになる何千年も前から、猫はペットとしてだけではなく食べ物を荒らすネズミを捕ったり、毒蛇を退治する等、人間の生活に深く関わり大変に役に立っていたのが大きな要因です。

古代エジプトでは猫を殺すと大罪

ピラミッドの壁画にも猫が描かれ、猫のブロンズ彫刻も多く作られました。古代エジプトでは「猫は火を見ると飛び込む」と言い伝えられ、猫を焼死させれば大罪でしたから、火事がおこれば家が焼けるより猫が火事に巻き込まれないように「猫を監視すること」を最優先にしていました。

古代エジプトでは猫が死ぬとミイラにして喪に服していた

猫が死んだならば飼い主は眉をそり、猫をミイラにして丁寧に埋葬をし喪に服したそうです。

古代エジプトでは猫の国外持ち出しは禁止でしたが、猫の活躍は国外へも伝わりフェニキアの商人によりトルコ周辺に密輸されました。

パシュト神

猫の神
  • パシュト神の聖地はベニハサン
  • パシュト神、パケト神とも言われる
  • パシュト神は「夜に狩りをする女神」
  • Pashtは”ねこちゃん”を意味する英語pussの語源

バステト神が崇拝される前に、パシュト神(Pasht)がベニハサンを聖地として発展しましたが、時代が進みベニハサン衰退と共にパシュト神信仰も廃れてゆきました。後に「バステト神」の猫崇拝が戻って来た時には、聖地がベニハサンからブバスティスに移っています。

パシュト神「Pasht」から「ねこちゃん」を意味する英語の「puss」という言葉が生まれました。

バステト神についてのまとめ

古代遺産

猫の女神である「バステト神」についてお話をさせていただきました。

物事を伝承していく過程では、正しく伝えたつもりでも受け取る側が違う解釈をしてみたり、一つの言葉から様々な想像力を付け加えてしまったり、この数千年の間に様々な事がおこったのだろうと楽しく想像しました。

猫の歴史は決して楽ではありませんでしたが、嬉しい事に我々の愛する猫が古代エジプトで大変に大切にされていた事だけは間違いがありません。

猫を「バステト神」とし数々の王族や貴族の墓所の壁画にも猫を記した古代エジプト人に、数千年の時を超えても親近感を感じてしまうのは私だけでしょうか。

30代 女性 つなちゃん

つなちゃんは男の子ですがおしゃべりをするかわいい猫でした
今でも夢で逢いたいです。なぜか5歳手前でなくなってしまいとても寂しいです
お盆なので、おいしいキャットフードをお皿に備えました

人気のキーワード