猫が肥満になる原因やおすすめのダイエット法

猫が肥満になる原因やおすすめのダイエット法

猫の肥満も病気の原因になります。ころころと丸いフォルムの猫をみていると癒されますね。ですが、あまりにも肥満すぎると癒されるだけでは済まない事があります。猫が肥満になってしまう原因や、肥満対策をご紹介します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫が肥満とされるのは何キロからなのか

現在、日本でも色々な猫の種類が居ます。
毛のない猫から体の大きな猫まで、様々ですので、一概に何キロからが肥満!だと断定できるものではありませんが、日本猫の例での標準体重は以下となります。

  • オス 4キロから6キロ
  • メス 3.5キロから4.5キロ

この数字を基準とするのであれば、オス猫だと6キロ越え、メス猫だ5キロ越えくらいからが肥満とされる体重です。
また、猫の種類によっては、メインクーンなど大人になるまで3年~5年ほどかかる猫種もおり、平均体重も4キロから9キロと日本猫と比較しても、全く異なる事がわかります。

また、1歳未満の子猫の場合、一見太っているように見えますが、一時的なことが多く、1歳前から食事制限をする等はしなくても問題ありません。
ただし、子猫用のフードを与えている場合は、動物病院で相談の上1歳前から大人用のフードに変えてみても良いかと思います。

猫が肥満になる原因

猫が肥満になる原因はいくつかありますが、「摂取カロリーの増加」「消費カロリーの減少」が肥満の原因になります。

肥満になるきっかけの一つに「避妊・去勢手術」があります。
避妊手術や去勢手術を行うことで、体内のホルモンバランスが変化します。その結果、生殖活動に必要だったエネルギーが必要でなくなったり、活動量が減少するため体重が増加する傾向が出ます。

猫にとっても大切な欲求でもある「食べる事」「寝る事」「性欲」のうちの一つを避妊・去勢手術によってなくしてしまうのですから、当然「食べる事」「寝る事」に欲求が偏ってしまう事はある程度致し方ない事だと言えるでしょう。

また、現在では猫に人間のご飯を与えない、という事は常識化しつつありますが、中には欲しがるから、可愛いから、と言って猫に人間の食べる物を与えてしまったり、おやつを上げすぎてしまう事も、猫が肥満になる原因の一つです。
それに加えて、猫本来の性格によっても、遊ぶのが嫌いな子、食べたらすぐ寝てしまう子など、肥満になりやすいと言えます。

猫の肥満度をチェックする方法

先に述べた様に、猫の肥満は体重だけでは分からないことがあります。ですが、一発で猫が肥満体型かどうかを見分ける方法があります。

まず、猫が4つ足で立っている時に、上から猫をみます。

しましま猫
  • お腹のくびれがない(丸みを帯びている)
  • 背骨を触って脂肪がある
  • あばら骨を触ってみて、骨がどこにあるかわからない

この3点が当てはまるのであれば、残念ながら肥満体型といえます。

猫の肥満対策!おすすめダイエット

ここでは猫の肥満対策としていくつかおすすめのダイエット法をご紹介します。

まずは食事から

猫にフードを上げる時、一日のうちで決まった時間、決まった量をあげていますか?
毎日回数も時間もバラバラ、量も大量に入れて食べたいだけ食べさせるといった、いわゆる置き餌をしている、といった事をしていませんか?もしそうなら、肥満対策のために直ぐにでも改善が必要です。

猫は1日決まった量を数回に分けて上げることが良い、とされています。
我が家では1日2回、朝と夜決まった量を分けて与えますが、肥満対策には3回~5回に分けて極力空腹になる時間を減らすことも効果的です。
1日に与える量は、フードごとに違いますので、フードの袋などに書かれた量を参考にしてください。

また、猫が食べているフードをダイエット用のフードに変えてくことも良いです。
最近では、市販でも肥満対策として、ダイエットフードも種類が増えてきました。今食べているフードから思い切って、こういったダイエットフードに変更してみてはいかがでしょうか。ただし、猫の好みもありますので、与える場合は焦らず少しずつ慣れさせていきましょう。

また、早食いをしてしまう猫の場合も肥満になりやすい傾向があります。
ゆっくりと食べさせるために、食器に突起があり、食べにくくしたものや、ワンコ用のオモチャでボールの中にフードを入れて転がして少しずつ食べるといった方法もあります。

この場合は、遊びも兼ねているので運動しながらご飯を食べれる!といった利点もあります。ゆっくりとフードを食べる事によって、満腹中枢が働いて満足出来ると思います。ただし、極端な食事制限は病気になってしまいますので、注意が必要です。

運動も大事!

オモチャで遊ぶ茶色い猫

なんといっても、やはり運動は欠かせません。
あまり体重がありすぎる猫には、急な運動は関節を痛める等逆効果になりますので、獣医さんに一度相談してみましょう。

運動の方法は、一番いいのはオモチャで遊ばせる事です。
毎日5分でもいいんです、遊ぶのが好きな猫だと楽でいいのですが、遊ぶのがあまり好きではない猫の場合は、無理やり遊ばせず、おやつを入れたボールなどでストレスなく運動させてあげましょう。猫は上下運動する動物ですので、キャットウオークやキャットタワーなどを設置するのもよいと思います。外に出る事に抵抗がない猫だと、ハーネスを付けてお散歩、という方法もあります。

猫の肥満で引き起こされる病気

猫が肥満になる事で引き起こされる病気は以下になります。

脂肪肝・肝硬変

猫の肥満で多い病気では脂肪肝があります。ここでは詳しい症状は記載しませんが、脂肪肝が進むと、いずれは肝臓が固くなってしまい、肝硬変へと症状が悪化し、ほとんど回復する事はありません。特に太り気味の猫が急に食べなくなってしまった場合2~3日で肝リピドーシスを引き越してしまいますので注意が必要です。

心筋症

肥満になると大量の脂肪が心臓への大きな負担となります。心筋症は症状が出にくく、症状が出て1~2日のうちに亡くなってしまう、恐ろしい症状です。

糖尿病

猫(7キロを超えると確率が高くなる)の糖尿病はインスリンでの血糖コントロールが人とは違って難しく、インスリン注射をしだしてから2年程で亡くなってしまうほど怖い病気の一つです。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは比較的、犬に多い病気ですが、肥満猫にも最近は増えてきています。

関節炎・捻挫

肥満になると当然ですが体重が増加することによって、足腰への負担が大きくなります。
ましてや、猫は高いところに登ったり下りたりと、足腰への負担は関節や靭帯等を痛めやすく、痛みから高いところに登らなくなったり、じっとしてる時間が増えると更に体重増加へと繋がり、悪循環です。
猫の肥満は病気になるリスクが高くなり、寿命が短くなる事へも繋がっています。

まとめ

寝転がる灰色の猫

一言に肥満といっても、人間のように猫は自分でダイエットが出来る分けではありません。肥満になると、動けなくなるだけではなく、重大な病気へと繋がってしまいます。飼い主さんの毎日の健康管理こそが、猫を肥満にしない為にはとても大切です。
おねだりをする姿が可愛いからと、誘惑に負けないよう、飼い主さんがしっかり管理してあげてくださいね。

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