猫が頻尿となる症状や原因とは!考えられる病気と治療法

猫が頻尿となる症状や原因とは!考えられる病気と治療法

人が年を取ると頻尿になる事がありますが、実は猫にも頻尿があるのです。猫の場合、1日何回トイレに行けば頻尿なのでしょう?病気で頻尿になる事も、あるのでしょうか?頻尿の予防策と合わせて、お伝えしていきます。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

「頻尿」と言われる猫のトイレの回数

排尿を促す猫

猫は1日、1回〜4回程度排尿します。子猫の場合は膀胱が小さいので尿を溜めておける量が少なく、もう少し回数が多い事があります。1日何回以上排尿すると頻尿、という明確な基準はありません。1日の排尿回数には個体差がありますので、愛猫の普段の排尿の様子をチェックしておくと、頻尿になった時、分かりやすいです。

我が家の猫も頻尿になった事がありますが、明らかにいつもより頻繁にトイレに行くので、分かりやすいと言えば分かりやすい気がします。さっきトイレに行ったな、と思ったらまた?という感じでした。トイレ使用後に掃除をしようとしても、尿が少量だったり、全く出ていなかったりするのも、頻尿の特徴です。

頻尿の症状が現れる猫の病気と治療法

医師に抱き抱えられる猫

猫が頻尿になる原因の病気は、主に3つあります。膀胱炎と結石、腫瘍です。

膀胱炎

膀胱炎には細菌性のものと特発性のものがあります。細菌性はその名の通り、膀胱に細菌が侵入する事で起こります。特に尿道の短いメスや免疫力の低下した高齢猫に起こりやすいです。治療は感染している細菌に1番効果がある抗生物質を投与するか、膀胱炎を引き起こしている他の疾患を治療します。

特発性とは、原因が良く分からない場合を指します。ストレスやドライフード、肥満などが原因として推測されています。我が家の猫は、新入り猫が来たことでストレスを感じ、頻尿になりました。痛み止めを処方して貰い、後は十分にその子を可愛がってあげる事で、治りました。特発性膀胱炎は原因がはっきりしない為、治療法は症状を和らげる対症療法になります。自宅ではストレス管理を行うことが重要です。猫には、特発性膀胱炎が多いようです。

結石

猫は結石が出来やすい動物ですが、膀胱結石は尿路結石の中で最も起こりやすい病気です。細菌感染による膀胱炎や、尿のph値が偏ることが原因で、結石ができます。症状が軽度の場合は投薬治療や食事療法で治癒するケースが多いですが、重度になると手術が必要となる場合も。

排尿時に猫が痛みを感じる事もあるので、早めに治療してあげたい病気です。頻尿以外に血尿や発熱、食欲不振がみられることも。我が家でも、おやつの鰹節の与え過ぎで、結石になってしまった子がいます。結石が出来やすい体質の猫もいるようですので、食事内容には注意してください。

腫瘍

猫では膀胱腫瘍の発生頻度は低いのですが、まれに移行上皮癌と呼ばれる癌が発生することがあります。癌ができた場合、頻尿の他に元気消失や血尿、体重減少などが起きてきます。治療には、抗がん剤の投与や外科手術を行ないます。

猫が頻尿になった時には

異常を訴える猫

前述しましたが、猫が頻尿になると異常にトイレの回数が増え、1回の排尿量が減ります。そのため、明らかにおかしいと分かる場合が多いと思います。または、トイレに行ったのにほとんど排泄できていない、排泄時に鳴くなどの症状が出たら、何かしらの異常があると考えて良いでしょう。なるべく早めに受診するのが、猫の苦痛を和らげる方法です。いつもと様子が違って何かおかしいな、と思ったら、かかりつけ医に相談しましょう。

猫の頻尿予防策

おやつをおねだりする猫

猫の頻尿を予防するには、「栄養バランスの取れた食事」「ストレスの少ない環境」「清潔なトイレ」を心がけると良いでしょう。

栄養バランスの取れた食事

愛猫に適した市販のキャットフードを与えていれば、栄養が偏ることはほぼありませんが、乾燥したドライフードばかりだと、水分不足になってしまう事があります。愛猫が良くお水を飲む子でしたら問題ないのですが、あまり水を飲まない子の場合は注意しましょう。たまにウェットフードも与えるなど、摂取する水分量を増やすようにすると良いですね。

また、我が家の反省から、おやつの与え過ぎにも注意が必要です。おやつのパッケージに目安量が記載されていますので、そちらを参考に与えましょう。猫がいくら可愛らしい仕草でおねだりをしてきても、負けてはいけません。愛猫の健康の為、強い心で、ダメと言ってあげてください。

ストレスの少ない環境

猫にとって今までの生活環境が変わる事は、1番のストレスとなります。引っ越しや模様替え、そして新入り猫などです。引っ越しは致し方ない場合がありますが、猫が新しい家に慣れるまで、ゆっくりと時間をかけてあげましょう。模様替えは極力、避けた方が良いでしょう。

新入り猫には少しずつ、慣れさせるようにします。そして先住猫を今まで以上に可愛がることで、不安を感じさせないようにできます。我が家の頻尿になった子に対しては新入り猫が来た時、もう成猫だから大丈夫だろう、と思ってしまったのがいけなかったと反省しています。特に繊細な子には十分、愛情を注いであげてください。

清潔なトイレ

猫は元々綺麗好きな子が多いですが、トイレを清潔に保つことで細菌感染のリスクを低めることができます。不潔なトイレには雑菌が繁殖しやすく、そこで用を足した猫の体内に、侵入してしまうかもしれません。室内に匂いも充満してしまいますので、猫のトイレを清潔に保つことは猫のためだけでなく、一緒に暮らす飼い主さんにとっても重要です。

「トイレが汚い!」と抗議の意味でわざと粗相をする猫もいます。そうなると掃除が大変になる可能性もありますから、やはりトイレは清潔に保つに越したことはありません。仕事などで家を空ける事が多い場合や多頭飼いの場合は、自動式トイレの導入を考えてみても良いかもしれません。それなりにお値段はしますが、良い働きをしてくれそうです。

まとめ

トイレにいく猫

猫の頻尿には、様々な原因があるのですね。筆者は3匹いる猫のうち、2匹を頻尿にしてしまったのでエラそうな事は言えませんが、本当に猫は人間以上に繊細に出来ているのだと、感じます。当たり前ですが、人間基準ではなく「猫基準」で考えることが大切です。あなたの愛猫さん、頻尿にならないようにケアしてあげてくださいね。

投稿者

40代 女性 こうた

猫ちゃんが頻尿の場合は、病気を疑った方がいいかもしれません。
実家の猫ちゃんも結石ができたときに、頻尿にもなりました。ですが、なかなか尿がたくさん出なくて苦しんでいました。獣医さんに診ていただくと腎結石でした。すぐに治療をしてくださいました。手術で結石を洗い流してくださいまして、手術後はガスも出るようになり、尿も綺麗になりよく出るようになりました。軽い運動もできるようになりまして、安心いたしました。

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