猫が便秘になる原因
猫が便秘になる原因は生活習慣の乱れなどの身近なものが多く、運動不足や水分不足、ストレス、毛玉が溜まる、加齢などが挙げられます。様々な理由で消化器の活動が鈍くなって、スムーズに便が体の外まで排出されないことで便秘になってしまうのです。
まず便秘の原因を1つずつ確認して、便秘を引き起こすリスクを下げられるよう対策を取りましょう。
運動不足で腸の活動が弱まっている
最近では完全室内飼いの猫が増えていますが、家猫は寝ている時間が多いため運動量が不足しがちです。
運動不足になると便を押し出すための筋肉量が低下してしまい、消化した食べ物が外に出て行かないため便秘になります。猫は持久力があまり無いので、1日のうちに15〜25分(1回につき5分)程度、一緒に遊ぶ時間を取りましょう。
水分が不足し便が固くなっている
便が出るまでの仕組みは、口に入れた食べ物が食道を通って胃に行き、小腸、大腸を経由して便となり排出されます。
胃で消化された食べ物は、小腸で栄養、大腸で水分を吸収されて固形の便になりますが、元々摂取する水分が少ないと便が固くなりすぎて、スムーズに移動できなくなり便秘につながってしまうのです。
猫は元からあまり水分を取らない動物ではありますが、特に冬場は水を飲まなくなるため、カリカリだけでなくウエットフードも織り交ぜるなど、飼い主側で適切な水分が取れるよう配慮しましょう。
生活環境にストレスを抱えている
猫は住環境や衛生状態など様々なことでストレスを感じやすい動物です。模様替えや引っ越し、人が頻繁に出入りするなどの原因でストレスが溜まって、自律神経が乱れ腸の動きが悪くなります。
上記のようなことが無くても、トイレの位置が気に入らない、落ち着けない、トイレが汚れたままなどの理由でもストレスにつながるので注意が必要です。もし愛猫が便秘気味だと思ったら、トイレの位置や衛生状態も気にしてみてくださいね。
自分の毛を飲み込んでしまっている
猫はグルーミングの際に自分の毛を飲み込んでしまいますが、毛は消化器を経由しても消化されずに残るので、通常は便に混じって体の外に出ていきます。
長毛種や換毛期を迎えた猫など、飲み込む毛の量が多いと胃の中で毛玉となり溜まるのです。溜まった毛玉は嘔吐の形で外に吐き出しますが、外に出ず溜まったまま小腸まで行ってしまうと便秘の原因となります。食物繊維を摂取したり、こまめなブラッシングをしたりと言った対策を取りましょう。
加齢により排便が困難になっている
猫は高齢になると筋力の低下や消化器の動きの鈍化などで便秘がちになります。消化された食べ物を体の外へと移動させていく「ぜん動運動」という働きが加齢とともに鈍くなり、便が腸に留まる時間が長くなって硬い便となります。
便が硬いと体の外に出ていきづらい上、腹筋など排便に必要になる筋肉が加齢により弱まっているため力を込められず、排出が難しいのです。また、高齢になると食べる量が減るため、便意自体を催しにくくもなります。適切な運動と水分摂取を心がけましょう。
猫の便秘の判断基準とは
猫の便秘の原因が分かった所で、 ここからは猫が便秘になっているかどうかを見極めるポイントをお伝えします。トイレ時の行動の変化や排泄物の違いなど、毎日見ているからこそのちょっとした違和感が早期発見につながることもあるのです。
最近では、猫の排泄中の様子を動画で記録して観察できるトイレも販売されていますので、そのようなツールも上手に活用しつつ日頃からしっかり観察しておきましょう。
3日以上排便がない場合は便秘の可能性がある
猫は通常、1日に1〜2回もしくは2日に1回のペースで排便を行います。そのため、3日以上排便がないのは便秘になってしまっている可能性が高く、5日以上出ていないと便秘になっていると言えるでしょう。
いつもどの時間帯に排便しているのか、どの程度トイレに滞在しているのかをチェックしておくと便秘かどうかを判断しやすくなりますよ。
便は出ているがコロコロとした小さい形の場合
排便はあるものの、小さくてコロコロした便が続いている場合、水分量が不足して腸内にある便が全て出切っていない可能性があります。
健康な便は程よく水分を含んでいて表面にツヤがあるのですが、水分量が足りていない便は表面がパサパサと乾燥して硬いです。この状態に当てはまる時は、フードやスープなどで上手に水分を取れるように配慮しましょう。
トイレでの行動がいつもと違う
トイレに入って力んでいるのに便が出ていない、1日に何度もトイレに行く、便をする時に苦しそうになるなど、通常とは違う行動を取った際は便秘を疑いましょう。
便秘で腸内にたくさん便が留まってしまっていると、力んでも外に出ていかず、肛門を圧迫して痛みが出て声を上げたり、トイレ後に嘔吐したり食欲がなくなったりすることがあります。
便秘の猫の下腹部を触ると塊のようなものがあるため、便秘かも?と気になったらチェックしてみてください。お腹を触られるのを嫌がる場合も、便秘の疑いがあります。
猫の便秘にちゅーるは効果ある?
愛猫が便秘かもしれないと思ったら、食事の改善やお腹のマッサージなどの改善方法を試してみましょう。
まず食事の改善ですが、猫の便秘の予防には、水分だけでなく食物繊維や乳酸菌も積極的に摂って腸内環境を良くするのが効果的と言われています。
乳酸菌を手軽に摂取するのには、猫が大好きなちゅーるが役立ちます。「CIAO ちゅ〜る 乳酸菌入り」は、90%の水分と400億個もの乳酸菌で腸内細菌のバランスを整えることで便秘の予防に一役買ってくれるのです。
実際に乳酸菌入りちゅーるを与えた飼い主さんからは、『硬かったウンチが柔らかくなり、気張る時間が減った』との声が上がっていました。
そして食事の改善と共に試したいのが、お腹のマッサージです。まずはくつろぐ猫を撫でてリラックスさせ、脇腹に手を入れて優しく前後に動かして全体的に揉んでいきます。最初は片手で、慣れてきたら両手でお腹を刺激しましょう。腸に程よい刺激が加わると、ぜん動運動の助けになります。
抱っこされても大丈夫な子であれば、猫を膝の上でお腹を上向きに抱きかかえ、指の腹を使って「の」の字を書くように刺激してみましょう。溜まったガスを抜いて便秘予防が期待できますよ。
猫の便秘を甘く見ないで!早めに動物病院を受診する
猫が便秘気味だと思ったら、まずは早めに動物病院を受診してください。実は普通の便秘ではなく、異物を飲み込んでしまっていたり、排便が困難になる病気が潜んでいる可能性もあるからです。
また、たかが便秘と思って放置していると、腸が伸びたままになって手術が必要になったり、自力で排泄できなくなり、摘便や浣腸など猫の体にかなり負担がかかる治療を選択せざるを得なくなる場合もあります。
人間の場合は市販の便秘薬や浣腸でも多少は対処できますが、猫に対しては絶対に人用の薬や浣腸を使わないでください。また、素人判断で摘便などを行うと腸が傷ついてしまうため危険ですので、絶対にやってはいけません。猫の便秘が軽度だったとしても決して甘く見ず、3日を目安に排便が無いようであれば動物病院を受診しましょう。
まとめ
今回は、猫の便秘について解説しました。猫の便秘は、運動不足や水分不足などの生活習慣の乱れや、加齢、ストレス、毛玉を飲み込んでいるなどの理由で消化器の動きが悪くなって引き起こされます。便秘の可能性があるか見極めるポイントは、
- 3日以上便が出ていない
- 小さくてコロコロしたうんちが出る
- トイレに行った時に苦しそう、痛そう
- 何度もトイレに行くのに出ていない
- トイレ後に嘔吐をしたり食欲不振が起こる
- お腹を触ると塊がある、お腹を触られるのを嫌がる
などが挙げられます。もしも便秘の懸念がある場合は、まず動物病院を受診して状況を見てもらってください。便秘を放置していると、重症の場合は手術や浣腸など猫の体に非常に負担がかかる治療を選択する必要が出てきます。決して自己判断はしないでくださいね。
軽度の便秘の改善や予防には、乳酸菌入りちゅーるで腸内環境を整えたりお腹のマッサージをすることで腸を優しく刺激する方法が有効です。愛猫のお腹の調子を良くチェックして、いつまでも元気な生活ができるようサポートしていきましょう。