猫にかかる甲状腺の病気
甲状腺とは、器官の左右に一つずつある代謝の促進や体温調節等を担う甲状腺ホルモンを分泌している器官です。
この器官が何らかの原因で肥大する事や、分泌過多、減少、腫瘍が発生する等で疾患を生じます。猫の甲状腺疾患は意外と多い病気でもありますが、発覚が遅れる事も多いのが実態です。
その原因や治療法についても、知識を蓄えておきましょう!猫が掛かる主な甲状腺の病気は以下の2つに分けられます。
- 甲状腺機能亢進症
- 甲状腺機能低下症
甲状腺機能亢進症
甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンが、何らかの原因によって過剰に分泌される事によって引き起こされる疾患です。
比較的、高齢の猫での発症率が高いとされており、甲状腺機能亢進症と診断される事が多い年齢は13歳前後とされています。
甲状腺機能低下症
上記の甲状腺機能亢進症と逆で、何らかの原因で甲状腺ホルモンの機能が弱まる事で発症する疾患です。
猫がかかる甲状腺の病気の原因
- 明確な理由は不明
- 甲状腺が何らかの刺激を受けて肥大化する
- 自己免疫疾患
- 化学物質による影響
- 感染症
- 遺伝
まず、猫がかかる甲状腺の病気の原因についてご紹介します。
猫がかかる甲状腺の病気は、甲状腺が何らかの刺激を受けて肥大化する、又は腫瘍が発生する事によって発症します。
ただ、これらの原因は明確になっておらず、甲状腺に発生する腫瘍が悪性である確率は非常に低く、2%程度と言われています。
腫瘍以外では、自己免疫疾患や、生活環境による化学物質による影響、感染症、遺伝等が原因になっていると考えられています。
猫がかかる甲状腺の病気の症状
猫がかかる甲状腺の病気で引き起こされる症状は、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症によって異なります。
甲状腺機能亢進症の症状
- 以前より食欲旺盛になったが、痩せてきた
- 活発になった、落ち着きがなくなった
- 大声でよく鳴くようになった
- 毛艶がなくなった、毛が大量に抜ける
- 水をたくさん飲むようになった
- 尿の量が増えた
甲状腺機能亢進症の症状として、最も特徴的なのが「食欲旺盛で元気」に見えるという事です。甲状腺機能亢進症はシニア猫に多い病気とされており、高齢なのに突然食欲旺盛になり、以前より活発に動き回るので、元気になったと勘違いする飼い主さんも多いようです。
甲状腺機能亢進症の末期にみられる症状
末期になると、元気がなくなり、下痢や嘔吐等の症状が見られるようになりますが、初期症状では、以前より活発になったと勘違いさせるような症状が表れますので、尿の量や、食欲に対しての体重減少等に十分に注意が必要です。
甲状腺機能低下症
- 全身の浮腫み
- 体温の低下
- 血圧の低下
- 元気がなくなる
- 左右対称脱毛(胴体)
甲状腺機能低下症は、甲状腺機能亢進症と比べ、元気がなくなる等の症状が表れる為、比較的異変に気付きやすいと言えます。日頃から愛猫の様子をしっかり観察し、異変にいち早く気付く事ができるよう心がけたいですね!
猫がかかる甲状腺の病気の治療法
猫が掛かる甲状腺の病気の治療法については、その症状や状態により様々です。主な甲状腺疾患の治療法をまとめました。
外科手術
甲状腺機能亢進症の場合、肥大した甲状腺の切除手術を行います。主に片方の甲状腺に発症する場合が多いのですが、両方の甲状腺に発症し、切除した場合は、甲状腺機能低下症等の疾患を引き起こさないよう生涯に渡って人工ホルモン投与の治療が必要になります。
投薬手術
状況に合わせてホルモン剤(抗甲状腺薬)を使用した治療を行う場合があります。しかし、長期に渡って服用が必要になる場合が多く、胃腸障害が引き起こされる場合も。
食事療法
現在では、甲状腺機能亢進症に対して有効な療法食も販売されています。外科手術が出来ない、投薬治療による副作用が生じた場合等に用いられる事があります。
放射線治療
現在、日本で猫に対して放射線治療を行う事ができる動物病院はそう多くありません。一回の照射で10万円前後の治療費が必要になる場合も多く、治療法として選択される事はそう多くありませんが、体への負担が少ない等のメリットもあります。
甲状腺の疾患に関しても、症状や状態により治療法は様々ですので、信頼できる獣医師にしっかり相談する事が大切になります。猫がかかる甲状腺の病気は、原因が明確でない為に予防する事も難しいと言えます。猫の甲状腺の病気は、主に血液検査で発見するできますので、気になる事がある場合は、かかりつけ医の獣医師に甲状腺に関する検査を相談してみましょう。
猫にかかる甲状腺の病気まとめ
猫にかかる甲状腺の病気についてご紹介しました。特に多い甲状腺機能亢進症に関しては「ご飯をよく食べるようになり、活発になった」と、飼い主にとって嬉しい事が、疾患の主な症状とされています。
甲状腺の病気は気がつきにくい場合もありますので、シニア猫の場合は特に、ほんの少しの違いでも気になる事があれば気軽に相談できるような信頼できる獣医師を見つける事が重要になりますね。
50代以上 女性 ごんのママ
3か月ぐらい前から、急にやせかけて。
1日に2回の食事で十分のかしこさんだったのに
2時間おきぐらいに、ご飯ちょうだいって感じになりました。
尿結石も過去によくやったんですが、
尿量も多く、しっかり排尿できてたので喜んでいたんですが。
ネットで調べたら、甲状腺亢進症かもと。
かかりつけの獣医さんで血液検査をしてもらったら、ビンゴでした。
お薬(1日2回)とフードの対応でした。
お薬は半分にした小さな錠剤なんで、ちゃんと呑んでくれます。
問題はフードかな。初めはよく食べてくれてるけど。
多頭飼い(4ニャンズ)なので、他の子のフードもほしがるしな。
もう高齢なんで、フードの制限はかわいそうかも…