猫のお手入れにコームを使うメリット
まず、コームとは毛をとかす部分の歯が一直線に並んだ薄いクシです。基本的にブラッシングで使うブラシは毛を取り除くものが多いですが、コームは毛をとり除くというよりは、毛並みを整える効果があります。
また、コームは長毛種や短毛種などの毛の種類によっても使い分けられ、猫の毛の特徴によって使い勝手も異なります。
どのようなメリット・効果があるのかを把握し、使うか決める参考にしていただければ幸いです。
毛のもつれを解消
コームは歯が一直線に並んでいるため、毛がもつれやすい長毛種に使うと、毛のもつれを解消してくれます。
ラバーブラシやスリッカーブラシなどブラッシングで通常使うブラシは、目の粗いもが多く、毛を取り除く効果が高いため、毛のもつれは解消しづらいです。
愛猫の毛がひっかかったりもつれたりしているなと思ったら、毛のもつれを解消してくれるコームを使うといいでしょう。
毛玉をほぐす
猫は毛玉ができてしまうと、皮膚への風通しが良くなくなってしまい、日々の汚れが毛玉の部分に溜まっていってしまいます。
日々の身体の汚れである皮脂などが溜まり不衛生な状態になり、皮膚の病気になってしまう可能性があります。そのような状態になることを避けるため、毛玉ができてしまったら、コームを使うと毛玉がほぐれ取り除きやすいです。
毛玉になっているとすぐに取れるわけではないので、優しく毛先からコームでとかし、徐々に根元から毛玉をゆっくりほぐすようにとかしてあげましょう。
毛玉の部分をコームで力強く引っ張ると、皮膚を傷める可能性があるため、優しくお手入れしてあげてください。
ノミ・ダニの除去
家で飼っている猫でも、ノミやダニが毛に住み着いてしまうことがあります。ノミやダニが住み着いてしまうと猫は皮膚炎を起こして、毛のツヤがなくなってくることも。
コームは細かい歯がたくさんあり、毛の隙間をとかせるのでノミやダニの除去が可能です。
コームを使って毎日お手入れしてあげれば、ノミやダニ予防になり猫の健康も維持できます。ノミ取り用のコームもあるので、後ほどご紹介します。
毛並みを整える仕上げ
コームは目が細かいため、猫のツヤのある綺麗な毛並みを整える効果があります。
長毛種に使われることの多いコームですが、短毛種をブラッシングするとき最後の仕上げとしてコームを使うこともおすすめです。
毛を取る目的の通常のブラシだと、たくさん毛が抜けて、抜けた毛が猫の被毛にまだ残っていることもあります。コームを使うと身体に残った抜け毛を取ることもでき、ツヤ出しの効果もあるため、最後の仕上げに最適です。
猫に使うコームの選び方
コームを使うメリットについてご紹介しましたが、では実際使ってみようと選ぶときにどんなものを選んだらいいか迷うこともあるでしょう。
素材などによっては猫にとってあまり良くないものもあるので、猫のコームを選ぶときのポイントについてご紹介します。
ステンレス製素材
ステンレス製のものであれば、錆の発生や劣化がしづらいです。錆が発生してしまうと、錆びた部分を猫が舐めてしまい身体に良くありません。
また、劣化しやすい素材のものだと破損した場合に、猫がケガをしてしまう場合もあります。素材としてツヤッとしていることから、コームに毛がつくこともないので、お手入れも楽です。
静電気防止
猫のブラシにはポリエステル素材が使われているものも多いため、静電気が発生しやすいものも多いです。特に冬場は乾燥しやすいので静電気が発生しやすく、ブラッシングをしていても静電気は発生します。
静電気が発生すると猫は音でもびっくりし、バチッとして痛みを伴うことも。販売されているコームには、静電気防止のものもあるため、猫の身体のためにも静電気防止のコームを選びましょう。
先が尖っていないもの
コームは先の尖っているものもあります。尖っているものだとブラッシングの際に、猫の身体を傷つけてしまうことがあるので危険です。
先が尖っているものを使っていると、猫が痛がってコームを使われるのを嫌がってしまうようになってしまうかもしれません。コームを選ぶ際には先端が丸くなっているものを選びましょう。
おすすめの猫用コーム3選
猫に使うコームの選び方などについてご説明しましたが、実際に販売されている猫用コームではどんなものがあるのでしょうか。
最近は種類も多く、どれがいいのか迷う飼い主さんも多いでしょう。そこで、おすすめのコームをご紹介しつつ、その特徴についてもご説明していくので、選ぶ際の参考にしていただければと思います。
岡野製作所 高級両目金櫛 中
太めの歯と細い歯がひとつのコームについており、ブラッシングをする部位によって使い分けることができるため人気です。コームの先端も丸みがあり、猫の皮膚を傷つけにくいので安心して使用できます。
ぺティオ プレシャンテ のみとりコーム
ステンレス製素材のため、静電気が発生しにくいです。また、歯が細いため、ノミやダニを除去する効果にも優れているため、猫を害虫から守ることができ、健康を保つこともできるのでおすすめです。
YOYOCAT 猫の舌
デザインが猫でとても可愛らしいコームです。こちらは通常のコームと形状が異なり、猫の舌をイメージしたザラザラしたものです。
猫の舌のような感触で、猫自身が舐めてグルーミングをしているような感覚があります。また、ザラザラしているのでマッサージ効果もあり、猫も気持ち良くなれます。毛を整えつつ、リラックス効果もあるため、一石二鳥です。
猫用コームの使い方
基本的にブラッシングは毎日したほうがよいですが、コーム自体は仕上げや毛をほぐすときに使うことが多いので、コームを使う頻度としては毎日ではなくても大丈夫でしょう。
ですが、スリッカーブラシなど通常のブラシとは少し違うため、使い方によっては猫の皮膚を傷つけてしまう可能性もあるので、使い方についてご説明します。
毛並みに沿ってブラッシング
コームでブラッシングをする場合には、毛並みの流れに沿ってやってあげましょう。
毛の流れと逆にブラッシングすると毛を傷めてしまいます。
猫の身体のどの部分からやってあげたらいいかというと、頭から背中、おしりの順に沿ってブラッシングしてあげましょう。毛の流れに沿ってやってあげると、毛並みがきれいに仕上がります。
優しく撫でるように
猫用コームは先端が鋭いものもあるので、力を入れてブラッシングしてしまうと、猫の皮膚を傷つける可能性があります。ブラッシングで痛い思いをすると、次からブラッシングを嫌がってしまうかもしれません。
コームを使う場合は、コームを寝かさず平行に優しくゆっくりと撫でるようにかけてあげましょう。そうすると、猫も気持ちよくなって、ゴロゴロと喜びます。
毛玉をほぐすときは毛先から根元に向かって
猫用コームで毛玉をほぐす場合に使うときは、まず毛先からコームでほぐすようにとかしましょう。最初に根元からブラッシングすると、ひっかかってしまい、猫が痛い思いをします。
毛先から徐々にほぐして、毛先を綺麗にできたら根元をほぐしてあげましょう。猫が痛い思いをしないよう、優しく毛を押さえながらゆっくり毛玉をほぐしましょう。
猫にコームを使う時の注意点
コームは先端が尖っていたり、ボディが薄かったりと通常ブラッシングで使用するブラシとは違う部分があります。
通常のブラッシングは大丈夫な子でも、コームの場合は注意が必要です。猫が痛い思いをして、ブラッシング自体を嫌がるようになってしまう可能性があるので、以下の点に注意しましょう。
嫌がったら無理にブラッシングしない
猫が嫌がる場合は、無理にコームを使ってブラッシングしないようにしましょう。
嫌がっているのに無理やりコームを使おうとすると、余計嫌な気持ちになります。コームを見るだけで逃げてしまうこともあるので、嫌がったら一旦やめてあげましょう。
皮膚を傷つけないように力加減に気を付ける
コームは先が尖っているものも多いため、力を入れ過ぎないように注意しましょう。力を入れ過ぎて皮膚を傷つけると、皮膚の病気になる可能性もあります。
猫にコームを使う場合は、優しくゆっくりとかすのを心がけましょう。撫でながらとかしてあげると、猫も落ち着いてブラッシングをしやすいと思います。
コームの素材はプラスチックを避ける
コームの素材がプラスチックの場合は、静電気が発生しやすいのでプラスチック素材は避けることをおすすめします。
冬場は特に乾燥するので、プラスチックのコームだと静電気が発生しやすく、バチッという音も出るため音で猫が驚き、静電気の痛みもあります。
また、静電気によってプラスチックのコーム自体に毛がついてしまったり、コームで毛を綺麗にしたのに静電気によってまた毛が猫の身体についてしまったりするので、ステンレス製などのものにするのがいいかもしれません。
まとめ
猫のコームは愛猫の毛を綺麗に整え、ツヤツヤの毛を保つことができます。また、ノミやダニを除去できて健康状態も良くなるので、使い方をしっかりと確認しておけば猫にとってメリットも多いです。
使い方を間違えると猫の皮膚を傷つけてしまうため、使う前には一度使い方を飼い主さんで把握してからにしましょう。
今ではコームも様々な種類が販売されているので、通常使用するブラシのほかにコームをひとつ持っておいて、仕上げに使うのもいいかもしれませんね。