猫の癌の症状や原因、治療の方法について

猫の癌の症状や原因、治療の方法について

愛猫がもし、癌になってしまったら、飼い主としてはどのように対処していけば良いのでしょう?癌は早期発見、早期治療が大切です。ですが、初期では症状がでない場合もあります。猫が癌になるとどのような症状が表れるのか、治療法や末期の余命などについてお伝えします。

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監修:獣医師 平松育子先生

(ふくふく動物病院)

猫の癌の症状

聴診器を当てられている猫

猫の癌の症状は、癌ができる部位によって異なります。

  • 皮膚や体→体のしこり
  • 口の中→よだれ、出血、口臭、食欲不振、外見の変化
  • 呼吸器→無症状(初期)、咳荒い呼吸(末期)
  • 消化器→嘔吐、下痢
  • 肝臓→無症状(初期)、元気がない、食欲不振、黄疸、痛み、腹水(末期)
  • 膀胱→血尿、排泄障害、
  • 脳→ふらつき、食欲不振、粗相、視覚障害(初期)、意識障害、痙攣、発作、麻痺、昏睡、失禁(末期)
  • 筋骨格系→足を引きずる、歩くのを嫌がる、運動量減少、足の固い腫れ、顔面背骨の変形
  • 生殖器→お腹の腫れ、しこり、おりもの(メス)、下痢、便秘、嘔吐
  • 循環器→リンパ節の腫れ、咳、呼吸困難、皮膚のしこり、鼻血、微熱

皮膚や体にできる猫の癌は、体のしこりとなって現れます。口の中においてはよだれが出る、出血する、口臭がする、食欲不振になる、などのほか外見にも変化が訪れます。

呼吸器においては癌の初期は症状が現れません。しかし癌の末期になると酷い咳混じりの呼吸をするようになります。また消化器においては嘔吐や下痢などの症状が出ます。

肝臓癌は初期においては症状がありません。しかし末期の癌になると食欲不振になり黄疸ができ痛みを感じるようになります。膀胱癌の場合、血尿や排泄障害などの症状が現れます。

脳における癌は、初期ではふらつきや食欲不振、粗相や視覚障害から始まり、末期の癌になると意識障害や痙攣、発作が起きたり昏睡状態に陥ることもあります。

筋肉、骨格に癌ができてしまった場合、足を引きずったり、歩くのを嫌がり運動量が減少したりするなど、行動に大きな制限がなされるようになります。

生殖器の癌ではお腹に腫れやしこりができたり、下痢や便秘、嘔吐をしたりするようになります。また循環器系の癌ではリンパ節の腫れや皮膚のしこりの他、咳や呼吸困難、鼻血や微熱などの症状が出ます。

猫の癌の原因

癌治療

猫の癌は、何が原因で起こるのでしょうか?

  • 猫の癌の原因:DNAの異常
  • 猫の癌の原因:ウイルス
  • 猫の癌の原因:化学物質
  • 猫の癌の原因:老化
  • 猫の癌の原因:たばこの受動喫煙
  • 猫の癌の原因:ワクチン接種

DNAの異常

放射線や紫外線が細胞内のDNAが傷つける事で突然変異を起し、その細胞が増殖して更に突然変異を繰り返し、悪性化して癌になります。白い被毛の猫の場合、紫外線によって扁平上皮癌を発生しやすいと言われています。

ウイルス

猫白血病ウイルス(FeLV)や猫免疫不全ウイルス(FIV)、猫肉腫ウイルス(FeSV)などが、癌を起すと考えられています。リンパ肉腫(全身の至る所にあるリンパ組織が癌化したもの)の実に7割が、FeLVが原因というデータがあります。FIVは直接癌を作り出す訳ではなく、免疫力を抑制する為、間接的に癌細胞を増殖させてしまいます。FeLVやFIVは、完全室内飼いやワクチン接種によってある程度感染を避けることができます。

化学物質

完全に癌を発生すると証明された訳ではありませんが、殺虫剤に混ぜられている石油蒸留液やポリエーテル類などに発癌性があるのでは、とされています。一部のペット用シャンプーには、ジエタノールアミンという物質が含まれていますが、この物質は人に体する発癌性が疑われています。と言うことは、猫でも癌が発生する可能性を有しています。

老化

年齢を重ねると、異常分裂する細胞の数が増えていきます。ある日免疫がその異常細胞を抑え切れなくなり、癌化することがあります。年齢が上がるにつれ、癌の発生率も増えていきます。

たばこの受動喫煙

受動喫煙により、悪性リンパ腫の発症率が高まる可能性が指摘されています。猫は鼻が短いので、犬よりも受動喫煙のリスクが高いですし、被毛に付いたタバコの成分を舐めてしまい、扁平上皮癌の発症率が高まるようです。

ワクチン接種

確率は0.01%と非常に低いですが、ワクチンを打った部分に癌が出来ることがあります。ワクチンに対して起きる炎症性反応により、細胞が癌化すると言われています。

猫の癌の治療法

医者の膝の上の猫

猫の癌の治療には、いくつか種類があります。外科療法(手術)、放射線療法、化学療法(投薬)、免疫療法、温熱療法、光線力学療法です。メインで行われるのは外科療法、放射線療法、化学療法です。癌のある場所や進行度合いなどにより、どの方法で治療するかが決められます。

サプリメントや健康食品を食事に取り入れることで、メインの治療法の補助的役割を果たす代替療法もあります。どの治療法を行うにせよ、どのようなメリット・デメリットがあるかを担当獣医師にしっかりと確認し、決断することが大切です。

猫の癌の余命

タオルをかぶって寝ている猫

猫が癌になってしまった場合、気になるのが余命です。その症状により異なるので、一概に言うことはできません。気がついた時にはもう末期を迎えていれば、残された時間は短いでしょうし、余命数ヶ月〜数年、と言われることもあります。

とても悲しいですが、薬をうまく使って愛猫の苦痛を和らげる緩和ケアを、獣医師と相談して取り入れられることもあるでしょう。飼い主さんが猫の食事に手作りのトッピングを取り入れ、予後を元気に過ごせる場合もあります。たとえ末期で余命があとわずか、と言われても、できる限り愛猫の為に飼い主さんが出来ることをして、なるべく元気に過ごして貰うことも大切です。

もちろん、癌の進行具合によってはそのような事ができない場合もあるでしょうが、その時最善と思われる道を選択し、愛猫との時間を出来る限り充実したものに出来れば良いですね。

猫の癌について

机の上で横たわる猫

猫の癌は細胞の遺伝子が突然変異したり、無秩序な異常増殖を起こしたりすることで起こります。人間に比べたら猫の癌発生率は低いのですがその分、重症化しやすいようです。癌は自然治癒することがほとんどなく、放っておくと死に至ることが多い病気です。

何も治療をしなければ癌は広がり、周囲の正常な細胞を侵していきますし、他の場所へ転移することもあります。癌は栄養を勝手に奪って増殖していく為、早めに治療しなければどんどん猫の体調が悪くなっていき、手遅れとなってしまう可能性も考えられます。

まとめ

老いた黒猫

できればなって欲しくない猫の癌。定期的に健康診断を受けさせることで、早期発見に繋がる場合があります。もちろん、日頃から愛猫の体をチェックし、異常がないか確かめることも必要です。愛猫に健康で長生きしてもらう為にも、健康チェックは欠かせませんね。

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