猫の10歳は高齢猫
猫には4つの成長段階があり、子猫(成長期)→成猫(成人期)→高齢猫(高齢期)→後期高齢猫(超高齢期)となっています。猫の10歳はこの中の高齢猫に当てはまり、人間で例えると56歳になります。つまり、初老と言えます。猫の本格的な高齢化は11歳からなので飼い主さんは気づきにくいかもしれませんが、少しずつ老化は進んでおり定期的に体調をチェックする必要があります。
身体に現れる老化のサイン
猫が10歳を過ぎてから、成猫だった頃と比べて最近ちょっと見た目が変わった?と感じたらその少しの体の変化が老化のサインかもしれません。ここでは分かりやすい変化を6つ挙げておきます。
- 毛色が薄くなる
- 被毛にツヤがなくなる
- 顔の周りが白くなる
- 目やにが酷くなる
- 歯が黄ばむ
- 急に痩せる
こういった、ちょっとした変化を見逃さずにしていましょう。
猫が10歳ごろに現れる行動に表れる老化のサイン
「老化」とは、加齢と共に体の機能が低下することを意味しています。ですから、体力を温存するためにあまり動かなくなり、若い頃できていた事がだんだんと難しくなっていきます。5つほど表れる変化を挙げておきます。
- 一日中寝ている
- あまり食べなくなる
- おもちゃで遊ばなくなる
- 脱走しなくなる(脱走癖のある子)
- キャットタワーに登らなくなる
愛猫の元気な頃をよく知っている飼い主さんにとっては、衰えてゆく姿を間近で見るのは辛い事ですね。
10歳ごろから現れる猫の老化に必要なケア
当たり前のことですが、どんなにお金をつぎ込んで有名な獣医さんに診てもらったとしても、猫の老化を防ぐことは誰にも叶いません。しかし、それを分かっていてもできる限りの対策はしたい!というのが、飼い主の心情ですよね。
では、私たち人間には10歳をむかえて高齢となった猫のためにどんなケアをすることができるのでしょうか。考えていきましょう。
部屋を安全で快適な空間に整える
猫の10歳を迎えた老化に伴う体力の衰えによって、今まで何の問題もなく登れていた段差が簡単には登れなくなってしまいます。段差が高い場所は、段を増やすなどして負担を減らしてあげましょう。
キャットタワーも高すぎるものだともし落ちてしまった時、大変なことになりかねません。高さが低いものに取り替えましょう。足の踏ん張りがなくなってくるので、フローリングも滑って怪我をする可能性があります。カーペットや絨毯を敷くなど工夫して下さい。
また、部屋の温度にも配慮を示しましょう。特に夏場はエアコンをガンガンつけて部屋中を冷やしてしまいますよね。しかし、体温調節が難しい高齢猫にとって夏場であっても体が冷えることは体調を崩しかねない危険なことです。猫に合わせて部屋の温度は調節してあげましょう。
ストレスを与えない
ストレスが原因でなる病気はたくさんあります。飼い主さんの多くは、ただでさえ老化で弱っている猫の体にこれ以上の負担はかけたくないと思うはずです。
では、どのようにすれば猫にストレスを極力与えないようにできるのでしょうか。いくつか、気をつける点があります。
まず、高齢猫になってからの引越しや部屋の模様替えはできれば避けて下さい。長年住み慣れた環境と全く異なる環境になったとき、猫はパニックになり強いストレスを感じてしまいます。
また、猫が10歳を過ぎてから多頭飼いをするのも好ましくありません。ブラッシングを怠ったり、トイレが汚いなどのちょっとした原因でもストレスにつながる可能性があります。献身的にお世話をして猫に愛情を伝えることが最も大切なことです。新しい猫をお迎えすることも大きなストレスになります。どうしてもの場合は相性をしっかり確認しましょう。相性が悪い場合は、部屋を変えるなどの配慮が必要です。
フードとサプリメントについて
キャットフードは、お腹に優しいシニア用に変える必要があります。どのメーカーのどの商品が良いのか迷う場合は、信頼できる獣医さんにお聞きするのが一番です。
老いからくる様々な症状に合わせてサプリメントを与えるというのも1つの方法です。腎臓機能を助けるなら、竹炭や炭酸カルシウム。消化機能を助けるなら、消化酵素。関節の健康維持には、グルコサミンやコンドロイチンのサプリメントを摂取すると効果があるようです。
どのサプリメントにするかは、自分の知識だけで選ぼうとせず、必ず獣医さんに相談して下さい。また、サプリメントを与えることのデメリットは猫が飲むことを嫌がってしまうことです。無理やり与えるならストレスになりかねません。その点も考慮に入れつつ検討しましょう。
猫が10歳を過ぎてから気をつけたい病気
10歳あたりの高齢化が原因でなる猫の病気をいくつかあげていきます。いずれにしても、どんな病気であれ早期発見がネックです。早期発見のためには、病院での定期的な検診や飼い主さんが猫に異常がないかチェックすることが鍵となってきます。
腫瘍(ガン)
猫の死因の上位にあるガンですが、様々な症状が表れます。
- しこりができる
- 元気や食欲がなくなる
- 嘔吐を繰り返す
- 下痢
- 呼吸困難になる
心臓病
咳が出るようになったり、体は痩せているのにお腹だけたるんで膨らんでいたらそこに水が溜まっている可能性があります。他にも、血圧低下や食欲不振などの症状があります。
腎不全
腎臓機能の低下によって起こります。日本でも多くの猫の死因としてあげられる病気です。症状は次の点があげられます。
- li>以前より水を飲む量が異常に増える
- トイレの回数が増える
- 口臭が強くなる(アンモニア臭がする)
- 食欲不振
糖尿病
膵臓から分泌されるインスリンという血糖値を下げるホルモンの働きが悪くなることで、血液中の糖を細胞が利用でいなくなり、血糖値が高くなります。症状は次の通りです。
- 水を大量に飲む
- 食欲が増したのに痩せる
- トイレの回数が増える
- 後ろ足を引きずるようになる
10歳からでも入れる猫の保険
日本のペット保険は、加入率がとても低いので現状がよくわからないという人も少なくないと思います。私もその1人です。猫のペット保険は人間の保険と同様にすでに病気になっている猫は加入が難しいので、加入するのは早ければ早いほど良いみたいですね。
しかし、10歳からでも入れる保険もいくつかありました。
- ペッツベスト
- アイペット
- ガーデン少額短期保険
- プリズムコール
- あうて ペットの保険
保険会社ごとに補償条件や保険料が違うので興味があったら調べてみて下さい。評判が良いのは、ペッツベストでした。全プラン共通で80%補償。入院・通院・手術の回数制限、および1日の限度額がないというのが良い条件だと思います。
猫の10歳についてのまとめ
いかがでしたか?10歳という節目の年は猫の老化を感じ始める時期だということが分かりましたね。老化に伴ってどんな症状があるのかを飼い主がよく理解し、対策を練っておくことがとても大切でした。
ウチの猫も10歳(推定)で見た目は元気ですが顔の周りがだんだんと白くなっており、歳を取ったなと感じています。歳をとっていく愛猫のために出来る限りのことをしてあげたいと常に思っています。できるだけ長生きをして欲しいですから、努力は怠りたくありませんよね。
猫に多い肥大型心筋症になると、急に後ろ足が脱力して立てなくなることがあります。これは、後ろ足に血液供給する血管に血栓がつまり感覚麻痺などが起こることが原因です。最初は血流が途絶えた足を痛がりますが、時間の経過とともに感覚がなくなってしまい、やがて壊死を起こします。命に係わる状態ですので、早急な治療が必要です。