猫の足の不思議とその役割

猫の足の不思議とその役割

猫を飼っている皆さんは猫の足をじっくり観察したことがあると思います。柔らかくてプニプニした肉球が何のためにあるかを知っていますか?また、爪とぎや猫が足をふみふみする理由が何かを知っていますか?今回はこのような猫の足に関することをまとめてみました。

猫の足と肉球

猫の肉球名称

猫の足にある肉球は柔らかくて見た目もかわいらしいですよね。しかし、かわいいだけではなく、猫にとって大切な役割がいろいろとあるのです。

肉球の名称

前足

  • 指球:人間の指にあたる部分についている肉球。一見4つに見えますが、少し離れたところに親指にあたる部分の肉球がひとつあります。
  • 掌球:いちばん大きな肉球で、人間の手のひらにあたります。
  • 手根球:掌球から数センチ離れたところにぽつんとひとつある肉球。後ろ足にはありません。

後ろ足

  • 趾球:前足の指球と同じ。親指にあたるものはなく、4つだけです。
  • 足底球:前足の掌球と同じ。

肉球の役割

  • 柔らかい肉球のおかげで足音をたてずに歩くことができるので、狩りのときには獲物に気づかれることなく近づくことができます。
  • 高いところから飛び降りるときには、肉球がクッションの役割を果たして衝撃をうまく吸収してくれます。
  • 肉球には汗腺がありますが、体温調節のためではありません。汗で肉球がしっとりすることで滑り止めになるのです。緊張したときなどにも汗をかきます。
  • 猫は前足を使って器用に物を引き寄せたりつかんだりしますが、そのときにも肉球が役に立っています。

前足の手根球の少し上に、ヒゲのような長い毛が数本生えています。これはヒゲと同じような役割を持っていて、足元の障害物などを感じ取ることができるようになっています。

肉球の色

肉球の色は、毛色と関係があります。白猫はピンク、黒猫は黒と、毛色が一色の場合は肉球も一色ですが、毛がまだら模様の場合は、肉球も黒とピンクが混ざっていることが多いです。三毛猫の肉球は三色になっていることもあります。

猫の足と爪とぎをする理由

爪とぎする猫

猫はよく前足の爪とぎをしますよね。愛猫にソファや壁をボロボロにされて困っている人や、もう諦めてしまったという人も多いと思います。猫の爪とぎにはどんな意味があるのでしょうか。

爪を鋭く保つ

爪とぎをするのは、伸びすぎた爪を短く整えるためだと思っている人もいるかもしれませんが、そうではありません。猫の爪は何層にもなっていて、爪をとぐことで古くなった外側の部分がはがれると、中から鋭くとがった爪が現れるようになっています。爪は狩りをするのに必要なので、常に鋭く保つために爪とぎをしているのです。爪とぎをするのは前足だけで、後ろ足の爪は自分で噛んでお手入れしています。

マーキング

爪とぎはマーキングのためでもあります。肉球から出るフェロモンをこすりつけて「これは自分のもの!」と主張しているのです。市販の爪とぎなどを用意しても使ってくれなかったり、使ってくれていてもやはりソファや壁で爪とぎをすることもありますが、猫がお気に入りを主張しているので、やめさせるのは難しいですね。こまめに爪を切って、被害を最小限にとどめるようにしましょう。

ストレス解消など

ストレスを感じているときや、飼い主の気を引きたいときにも爪とぎをします。あまりかまってあげないのがストレスになっているのなら、できるだけ遊んであげるなどして、ストレスの原因を取り除いてあげるようにしましょう。

筆者の猫はごはんの前によくバリバリやっているので、「これから食べるぞー!」とやる気満々なときにも爪とぎをするようです。

猫の足とふみふみ

猫の前足

猫は足で柔らかいものや飼い主の膝などを、もむようなしぐさをすることがありますよね。よく「ふみふみ」といわれますが、なぜふみふみをするのでしょうか。

子猫時代の名残

子猫が母猫のお乳を飲むときに、母乳がよく出るようにふみふみします。そのときの名残だといわれています。飼い主の膝の上などでもふみふみするのは、母猫のお乳を飲んでいるときを思い出して甘えたい気分なのでしょう。そんなときは喉を鳴らして幸せそうな顔をしています。安心しきっている証拠なので、十分甘えさせてあげてくださいね。

また、柔らかい毛布やぬいぐるみなどを足でふみふみすることもありますが、そうすることで気持ちが落ち着くということもあります。

飼い主の背中をマッサージする猫の動画をときどき見ますが、あれもふみふみですよね。たいていうっとりした顔でマッサージしているのがかわいいです。

どんな猫でもふみふみする?

ふみふみしない猫もいます。親離れまでしっかり母猫に育てられた猫は、ふみふみしなくなるそうです。

親離れの時期は生後3カ月頃からはじまり、その頃から母猫は子猫を寄せつけないようになります。子猫が甘えてこようとしたら、猫パンチしたり「シャー!」と威嚇したりして追い払うのです。そうして6カ月頃には子猫は独り立ちします。

このような段階を経て親離れができた猫は、おとなになってからふみふみすることはないようですが、早い段階で母猫から離されてしまった猫は、親離れできていないために、飼い主を親のように思ってふみふみするのだと考えられます。ふみふみはかわいいですが、ちょっぴり切ないですね。

猫の足のまとめ

抱っこされる猫

主に猫の前足に関することが多くなりましたが、猫の体はどこをとっても不思議で面白いことが多いと思いました。ちなみに筆者は、ふだんは猫の前足のことを「手」と呼んでいます。器用に物を触ったり掴んだり、猫パンチをしたりするので、手のほうがしっくりくるような気がしています。

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