日本では黒猫は幸運の象徴
日本では昔から、猫は暗闇でも目が見えるなどの理由から、あらゆるものへの見通しがきく「福猫」として、幸運、商売繁盛の象徴とされてきました。黒猫の招き猫には、魔除けや厄除けの意味があるそうです。
江戸時代には、死の病として恐れられていた労咳(肺結核)を治す力が黒猫にあると信じられていました。新撰組の沖田総司もこの迷信を信じており、労咳を患っていたときに黒猫を飼っていたといわれています。
黒猫が横切ると縁起が悪いと言われるようになったわけ
黒猫が横切ると縁起が悪いというのは、欧米の影響によるものが大きいと思われます。欧米では黒猫は魔女の使いであるとか、カラスに似ているからという理由で、不吉なものと信じられていたようです。
中世ヨーロッパでは、魔女狩りの際に黒猫が殺されることがありました。黒い色が魔女を連想させることや、暗闇で姿は見えず目だけ光る不気味さなどから、不吉の象徴とされていたのでしょう。
魔女狩りが行われていたころ、ベルギーのイーペルの人たちは猫をかわいがっていましたが、魔女のレッテルを貼られるのを恐れ、生きた猫を塔の上から投げ落としました。その後、19世紀初めごろまで、年1回の「猫の水曜日」というイベントで、黒猫を時計塔から投げ落として殺していたのです。
イタリアでは現在でも、黒猫が不吉の象徴であると信じる人たちによって、年間6万匹もの黒猫が殺されているそうです。
黒猫が横切ると縁起が良い国
イギリス
自宅の玄関に黒猫がきたら縁起がいい、結婚するときに黒猫が横切ると幸せになる、などの言い伝えがあります。
南フランス
黒猫は「魔法の猫」であり、食べ物を与えて大切にする人には、幸運をもたらすといわれています。
ベルギー
イーペルでは3年に一度、猫祭りが開催され、猫に扮した人たちによるパレードなどが行われます。これは、上記の「猫の水曜日」の残酷な歴史を忘れないために行われているもので、塔から投げ落とされた黒猫のぬいぐるみをキャッチした人には、幸運が訪れるといわれています。
縁起がいい黒猫と夏目漱石
夏目漱石の著書『吾輩は猫である』の主人公「吾輩」は、漱石が37歳のときに夏目家に迷い込んできた黒猫がモデルだといわれています。猫嫌いの妻鏡子に何度つまみ出されても戻ってきてしまう黒猫は、そのうち漱石の目にとまって、家においてもらえることになりました。
当時夏目家に出入りしていた按摩のおばあさんが、これは珍しい福猫だから、飼っていると家が繁盛するといったそうです。『吾輩は猫である』が大ヒットしたのは、この黒猫のおかげかもしれませんね。
黒猫が亡くなったときには、漱石は弟子たちに死亡通知を出したということです。ちなみにこの黒猫には、小説と同じく最後まで名前がなかったそうです。
まとめ
黒という色は、死や恐怖を連想させる色でもありますが、黒いという理由だけで不吉だといわれたり、殺されたりした黒猫は、本当に気の毒ですね。日本では幸運をもたらす縁起のいい黒猫ですから、安心してかわいがってあげてください!
30代 女性 にゃコロ
猫からしてみれば、黒猫の印象も、猫を称える日も”知らない事”で、人の定めた勝手な”いい迷惑”かもしれませんね。
そう言っている私自身も、猫の日にはテンションが上がってしまう1人です(汗)
近年、イタリアでは11月17日が「黒猫感謝の日」と定められていて、この記事に書かれている悲しい習慣から守るべく、SNSで黒猫の可愛さを広める為の活動も行われているそうです。
人を襲う訳でもなく、むしろ癒しをくれる猫を、色だけで「不吉」と存在を否定してしまうのは、現代には合っていない習慣だと、心から思います。
我が家に黒猫ちゃんはいませんが、個人的に大好きです♪
30代 女性 みつえ
まだ子猫でしたので、ミルクを与えていた記憶があります。
とても、賢くて人懐っこい猫ちゃんでした。
他の猫ちゃんとの相性が悪いので、別の部屋で飼っていましたが一年後にまた子猫ちゃんを飼い始めたらフレンドリーになり、一緒に飼えるようになりました。三匹が親子のように仲良く過ごしてくれました!
黒猫ちゃんはなかなか貰い手がなかったのですが、黒猫ちゃんは、縁起がいいとおっしゃる方もいます。人によって考え方は違いますが、黒猫ちゃんも可愛いですね。