猫の『飲み水』4つの雑学!飲まないとどうなる?飲ませ方は?

猫の『飲み水』4つの雑学!飲まないとどうなる?飲ませ方は?

「愛猫はあまり水を飲まないけれど大丈夫かな?」そんな悩みをもつ飼い主は少なからずいると思います。結論から先にいいますと、猫はあまり水を飲まない動物ですので一日に何度か水を飲んでいるのでしたら、それほど心配しなくても大丈夫だといえるでしょう。ただ水を全然飲まない場合はさすがに要注意となります。今回は猫と水分のお話をしていきます。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.猫は水をあまり飲まない動物

見つめる猫とお皿

「愛猫はいつもあまり水を飲まないけど大丈夫なのかな?」といった悩みを抱えている飼い主は割と多くいると思いますが、猫は基本的に水をあまり飲まない動物で、それが普通ですのでほとんどの場合問題ないといえるでしょう。

現在ペットとして可愛がられている猫は『リビアヤマネコ』の子孫だといわれています。このリビアヤマネコは水が少ない砂漠地帯で暮らしてきた動物となり、少ない水でも生きていける体質をしています。

そんなリビアヤマネコを祖先とする猫(イエネコ)も当然リビアヤマネコの体質を受け継いでいるため、少ない水分でも十分に活動できるのです。つまり、猫は水を最低限必要な量摂取すれば大丈夫ということになります。

2.水を飲まないとどうなるの?

水飲み皿と猫

水分を最低限摂取すれば生きていける猫ですが、水をほとんど飲まないとどうなってしまうのでしょうか。猫は毎日1kgあたり約20~45mlの水分が必要となるそうです。

例えば体重が5kgの猫だと一日当たり100~225mlほどの水分が必要となります。もし、一日に必要な水分を摂取できなかった場合は、酷い場合だと人間が水分不足になったときと同じように脱水症状が出てしまうことになってしまいます。

また、体内の水分が不足した状態が長く続くと……、

  • 腎臓の病気
  • 泌尿器系の病気
  • 便秘
  • 膀胱炎
  • 尿路結石

といった病気を発症しやすくなるそうです。体内の水分が不足すると、おしっこの量や回数が減ることになりますので老廃物が体内に溜まりやすく体に悪影響を与えるようになります。

また、水分をあまりとっていないとおしっこの濃度が濃くなり膀胱や尿路などに結石ができやすくなってしまうのだとか。このように猫が毎日必要な水分を補給できない場合、腎臓や泌尿器系などに悪影響を与えやすくなるといえますので、適度に水分補給をさせることが大切といえるでしょう。

3.水を飲まないときの対処法

ウェットフードと猫の頭

水を入れている器を変えてみる

愛猫がほとんど水を飲まない場合は水の与え方を変えてみることをおススメします。例えば、猫はヒゲがとても敏感なので「器がヒゲに当たって気持ち悪い」といった理由で飲み水を飲んでくれないことがあります。

このような理由で飲み水を飲まないときは、ヒゲが当たりにくい形状(幅広タイプなど)の器に変えたら水を飲んでくれるようになった!というケースをよく耳にしますので、あなたも一度試してみてはいかがでしょうか?

水の置き場所を変える

猫が飲み水を飲まないときは水の置き場所が原因になっていることもあります。おススメの置き場所は猫によって異なってしまいますので一概にはいえないのですが、愛猫が落ち着ける場所付近に飲み水を置いてあげるのが理想的です。ちなみにニオイがするトイレの近くは水の置き場所には不向きとなることが多いようですよ。

飲み水に工夫をする

猫は水の味やにおいに対して敏感に反応することがあり、それらが原因となって水を飲まないこともあります。例えば水道水に含まれるカルキのにおいを察知して水を飲まない猫は割とたくさんいるそうですよ。

ですので、なかなか愛猫が水道水を飲んでくれないのでしたらペット用のミネラルウォーターや一度沸騰させてカルキのにおいを無くした水道水などを与えてみると良いかもしれませんね。

食事制限がない場合はお肉の茹で汁を与えるのもおススメ

愛猫がどうしても水を飲んでくれない場合は、水分に少し味や香りを付けて与えるのもおススメです。私がおススメするのは『お肉の茹で汁』です。茹で汁のつくり方は『なにも味付けをせずただ鳥肉や牛肉を茹でるだけ』です。

ほのかにお肉の味や香りが感じられる茹で汁は肉食動物の猫にとって凄く魅力的なものといえますので、きっと飲んでくれると思いますよ。ただし、食事制限をしている場合は茹で汁を飲ませてはいけないときもありますので、一度獣医師に相談するようにしてくださいね。

ウェットフードを与える

器から水を飲んでくれない場合は、食べ物から水分を摂取させるという方法もあります。ドライフードをお湯や茹で汁で少しふやかして与えると、食事をしながら水分補給をさせることができますよ。

特にウェットフードは美味しくて水分が豊富なので、猫の食欲がないときには手軽に水分補給をさせやすかったりするのでおススメです

スポイト・注射器を使って水分補給させる

飲み水を飲んでくれない。食べ物もほとんど食べてくれない。といったときは注射器(シリンジ)や赤ちゃんに使うスポイトを使い口の中に直接水を入れて水分補給させる方法をとる必要があるかもしれません。

ただ、猫が自力で水分補給できないということは体調不良や病気を発症している可能性がとても高いので、まずは動物病院に連れて行く必要があるといえるでしょう。

4.水をたくさん飲むときは病気の可能性がある

蛇口から水を飲む猫

最近愛猫が水をたくさん飲むようになった。そんなときは体に異常が起きているのかもしれません。猫は病気を発症すると水をたくさん飲むことがあるそうで、特に『糖尿病』や『腎臓系の病気』は水をたくさん飲む病気として知られていたりするのです。

他にも膵臓や肝臓などさまざまな場所に異変があるときにも猫は水をたくさん飲むことが多いので、「水をたくさん飲んでいる気がする」と感じた場合は、念のため病院で診てもらうことをおススメします。

まとめ

水を見つめる子猫

猫は水をあまり飲まない動物ですが、必要とする量の水を飲まないでいると体に様々な悪影響が出たり病気を発症しやすくなってしまいます。

ですので、毎日愛猫が水分補給をちゃんとしているかどうか見てあげてくださいね。水の量を毎日一定にしておくと飲水量の変化がわかりやすく、目安にしやすいでしょう。また、水をたくさん飲むときは病気のサインになっている可能性がありますので、少しでも様子がおかしいと感じたときは病院に連れて行ってあげることをおススメします。

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