猫を動物病院へ連れて行くコツ
多くの猫は慣れない環境や人に驚いたり、威嚇したりするため、車へ乗せて動物病院へ連れていくのは猫にとっても、飼い主さんにとっても大仕事ですよね。猫を動物病院へ連れていくコツのひとつは、愛猫の性格や通院理由などを考慮して猫用キャリーを選ぶことです。また、猫用キャリーと併せて、洗濯ネットを利用する方法もあります。動物病院へ行く際の負担を少しでも軽減させるための方法を探してみましょう。
猫用キャリーの選び方
猫を外出させる際に、猫用キャリーを利用する方は多いですよね。猫用キャリーにも様々な種類があり、布製やビニール製の軽く持ち運びやすいタイプのものや、置き型で広さもあるハードタイプなどが主です。愛猫の性格や、通院理由にあわせて選びましょう。
徒歩、自転車で通院する場合
布製やビニール製の軽くて持ち運びやすいソフトキャリーがおすすめです。中にはリュックタイプのソフトキャリーも販売されており、飼い主さんと密着することで安心、落ち着くような猫に向いています。ただし、ソフトキャリーは体重3キロ~4キロの比較的小柄な猫向けに作られているものが多く、体重が4キロを越える猫が利用すると、キャリーの床が沈んでしまう可能性があります。
車で通院する場合、体重が4キロを越える猫の場合
ハードキャリーは、万が一大きな衝撃があった場合も猫を守ることができる丈夫な作りの物が多くあります。特に、体重が4キロを越える猫や、激しく暴れたり、どうにかキャリーの外へ出ようと柵を噛んだりする猫の場合、猫の安全を守るためにもハードキャリーをおすすめします。また、車で通院する場合もハードキャリーであれば安定感もあり、シートベルトで固定することもできます。車での移動中にキャリーが揺れ、ぶつかってしまう事や落下などを防ぐこともできますね。
天井が開けられるタイプ
ソフト、ハードに問わず、キャリーを選ぶ上で一番重要なのはキャリーの開口部分です。前面のみ開くタイプだと、猫をキャリーへ入れるときに無理矢理押し込む必要がありますし、診察時も奥まで手を入れて、嫌がる猫を引っ張りださなくてはなりません。猫が嫌がったり、怖がったりするのはもちろん、パニックになった猫が飼い主さんや獣医さんの手を噛んだり、引っ掻いたりする可能性もあります。
天井が大きく開くタイプのキャリーなら抱っこで足からゆっくり入れてあげる事もできますし、警戒心が強い猫や、痛みがある場合などには、キャリーに入ったまま診察してもらう事も可能です。キャリーを選ぶ際には開口部分がどうなっているか、猫が出入りしやすいかを確認しましょう。
洗濯ネットを利用する
上記で紹介した猫用キャリーと併せて、猫の体を洗濯ネットで包むことがおすすめです。猫の通院に利用する洗濯ネットの選び方をご紹介します。
猫の体より少しだけ大きいものを選ぶ
狭いところに閉じ込めるのは可哀相という気持ちから、つい大きめのサイズを選んでしまいがちですが、あまりに大きすぎると猫が洗濯ネットの中で暴れまわってしまう可能性があります。また、猫の体に少しフィットする大きさのほうが、猫自身も安心するといわれています。ただしファスナーを閉める際に、しっぽや毛が挟まってしまわない程度の余裕は必要です。
口が大きく開くタイプのものを選ぶ
ファスナー部分が小さすぎると、猫を洗濯ネットへ入れる際に手間取ってしまう場合があります。何度も洗濯ネットへ入れて通院していると、洗濯ネットへ入ることを嫌がる可能性もありますので、多少暴れてもスムーズに入れられる程度の開口部分があれば安心です。
網目は荒いものを選ぶ
中の猫の様子が見える程度を目安に、あまりに網目が細かい物は避けましょう。爪が引っかかって割れてしまう可能性があります。また、猫が暴れて手が付けられないような時、洗濯ネットへ入ったまま診察、処置が行われることもあります。猫の顔や、皮膚の状態が確認できること、注射をすることなどを想定して選ぶといいかもしれません。
洗濯ネットの利用は脱走防止や、キャリーの中で暴れて怪我をしないために動物病院などでも勧められている方法です。ただし、猫が身動きを取れないということは、落下時に着地できないことで外傷のリスクもあります。状況に応じて猫用キャリーと併せて利用してくださいね。
日頃から準備しておけること
ひとつは、猫用キャリーや洗濯ネットに慣れさせておくことです。置き型のキャリーを部屋のなかに開けて置いておき、キャリー=安心できる場所と認識してくれれば、猫も比較的落ち着いて過ごすことができます。おやつやおもちゃを使って普段から洗濯ネットへ入る練習をしておいてもいいですね。
また、普段は大人しい猫でも恐怖からパニックに陥り、爪を出して引っ掻いてしまう可能性も十分にあります。あまりにも暴れてしまうと猫や飼い主さんが大けがをしてしまうことも考えられます。可能であれば普段から爪切りを行っておくと安心です。
まとめ
狭い場所に閉じ込める、洗濯ネットで動きを封じる、というと可哀相に思ってしまいがちですが、上記の方法はあくまで猫の安全を守るために最低限必要なことです。愛猫の健康を守るための通院で、猫が逃げ出してしまったり、怪我をしてしまったりしては本末転倒ですよね。通院する際には、愛猫の安全を守り、尚且つ負担を軽減するために、愛猫にあった通院方法を見つけてくださいね。