猫の毛色の特徴と様々な模様について

猫の毛色の特徴と様々な模様について

猫の毛色と聞いてすぐに思い浮かぶのは、三毛猫やトラ猫などではないでしょうか。このような呼び方は、日本猫を呼ぶときにみられ、およそ24種類に分けられるそうです。しかし実際の猫の毛色は、色と模様のパターンの組合せによって膨大な種類に分けられます。 そこで、猫の毛色や模様にはどのようなものがあるのか、また、日本猫でみられる呼び方とはどう違うのかを調べてみました。

猫の毛色の特徴

猫の親子

ホワイト

猫の毛色では、白い色になる遺伝子から現れるホワイトと、突然変異として現れるアルビノのホワイトがあります。この二つの違いは目の色でわかります。白い遺伝子の子は、目の色が黄色やブルーになりますが、アルビノの子は色素を持っていないので、血管の色が透けて赤色の目になります。

白い毛を作るといわれるW(ホワイト)の遺伝子は、仮に他の色の遺伝子を持っていたとしても、すべてそれを抑えて真っ白にしてしまう遺伝子です。そのことから、猫の毛色を決める遺伝子の中では最強と言われています。

『オッドアイ』という左右の目の色が違う猫は真っ白な猫に多いそうです。オッドアイの猫には、聴覚障害がみられるといわれますが、これは体全体が真っ白な猫に遺伝的に聴覚障害がみられる確率が高くなるため、オッドアイの猫には聴覚障害が多くみられると思われるようになったそうです。

ホワイトの特徴

また、白色の毛色の猫ではメラニン色素が少ないため、紫外線を吸収できず日光による細胞のダメージが大きくなり、皮膚がんにかかりやすいと言われています。特に鼻先や耳の先端はただれやすく皮膚炎を繰り返すと扁平(へんぺい)上皮がんにかかるリスクがあがりますので、長時間の日光浴には注意が必要です。

性格は神経質で繊細な子が多いようです。自然界にいると目立つ色のため、警戒心が強くなったという説もあります。

ブラック系の特徴

  • ブラック
  • ブルー(濃いグレー)
  • ブルーキャラメル(薄いグレー)

ブルーの毛色の猫では「ロシアンブルー」が有名です。黒猫は、どこかに白い毛の部分があることが多く、純粋に毛色が真っ黒な猫は珍しいそうです。

チョコレート系の特徴

  • チョコレート(こげ茶色)
  • ライラック(薄いブルーグレー)
  • ライラックキャラメル(非常に薄いブルーグレー)

チョコレート色の単色の毛色で有名な猫の種類は「バナナブラウン」という猫で、全身がチョコレート色で目の色がグリーンのとても奇麗な猫です。ライラックはラベンダーともいい、「コラット」や「シャム」の耳や足先などでみられます。

シナモン系の特徴

  • シナモン(薄い赤茶色)
  • フォーン(ベージュ色)
  • フォーンキャラメル(薄いベージュ色)

シナモンはブラックの突然変異としてうまれた毛色で、チョコレート色を薄く柔らかくしたような色です。フォーンは「アビシニアン」でよくみられます。

レッド系の特徴

  • レッド(赤みがかった茶色)
  • クリーム(薄い黄みがかった茶色)
  • アプリコット(薄い赤茶色)

レッドは三毛猫でもみられる赤みがかった茶色で、オレンジともいいます。クリーム色は「ペルシャ」などでもみられる毛色で、柔らかく優しい色で人気があります。パステルカラーの三毛猫は、レッドの部分がクリーム色になり、天使のようにかわいいと三毛猫の中でも人気が高いそうです。

猫の毛色にはたくさんの色があります。一口に白と言っても、純粋な白もあれば、クリーム色に近い白や、グレーに近い白もあり、そのグラデーションの多さを考えると実に様々です。また、猫の毛色について考えるときに注意が必要なのは、毛色の呼び方です。

例えば、グレーの毛色をブルーと呼ぶように、実際の色とは異なる呼び方をすることがあります。毛色の呼び方に注意しながら、猫の血統登録機関で使われている毛色の分け方にそって、代表的な色をご紹介しました。

これらの他にもたくさんの色があり、毛先の色と根元の色の異なるシルバーやゴールド、毛先が赤や黄色に光るカメオなどがあります。こうしてみるだけでもたくさんの毛色があり驚いてしまいます。

猫の毛色と模様の種類

ドアから覗く猫

猫の毛色の他に、猫の特徴がよく現れるのが模様です。模様についても猫の毛色のようにたくさんの種類があるので、代表的なものだけ御紹介したいと思います。

  • ソリッド(全身が同じ色の単色)
  • パーティーカラー(2色以上の毛色)
  • タビー(縞(しま)模様)
  • トータシェル(トーティともいう。サビ柄といわれる模様)
  • キャリコ(三毛猫)
  • ポインテット(「シャム」のように、耳鼻足先尻尾に濃い色が現れる)
  • ホワイトスポット(白黒の猫など体に白い色の部分があるもの)

ソリッドは、白猫や黒猫のように一色だけになります。パーティーカラーは、2色以上の毛色の総称で、2色ならバイカラー、3色ならトライカラーと呼ばれることもあります。タビーはトラ猫のように縞(しま)模様のあるもので、縞(しま)模様の形によって更に種類が分けられます。縞(しま)模様が途切れるような形になって、斑点になったものをヒョウ柄と呼びます。

トータシェルはサビ柄といわれる模様で、黒などのベースとなる色に赤系のモザイク模様がランダムに入ります。キャリコは三毛猫のことで、色の組合せも様々あり、色のついている部分に縞(しま)模様が現れることもあります。ホワイトスポットは白黒のブチ猫がわかりやすいですが、トラ猫でおなかや足先が白くなっているものもホワイトスポットになります。

白黒のホワイトスポットで面白い模様は、額に八の字ができる「ハチワレ」といわれる猫や、靴下猫のように足先が白くなり靴下をはいたような模様の猫がいます。猫の毛色や模様の種類もたくさんあって、その子なりの色や模様がかわいいですよね。

猫の毛色と模様について、日本猫の呼び名

茣蓙の上で寝る猫

猫の毛色や模様の呼び方で「トラ猫」「三毛猫」「サビ猫」などは、「ロシアンブルー」や「アメリカンショートヘア」のような猫の種類とは違う日本ならではの呼び方です。では、日本猫の呼び方についてみていきましょう。

  • 白猫
  • 黒猫
  • トラ猫
  • サビ猫
  • ブチ猫
  • 三毛猫

この6種類が代表的なものになります。「白猫」は、毛色が白一色になります。子猫のときに斑点がみられても、1歳半から2歳までの間に真っ白になることがあり、「ゴースト・マーク」と呼ばれます。後頭部にあらわれる斑点では、「キトンキャップ」と呼ばれ生後数か月で消えてしまうレアな模様なのだそうです。

「黒猫」の毛色は、黒一色になることが珍しく、白い色が入ることや薄く縞(しま)模様がみられることがあります。また、光沢のある黒い色から「カラス猫」とも呼ばれています。

「トラ猫」には縞(しま)模様がみられ、「茶トラ」や「キジトラ」、「サバトラ」のような種類があります。「茶トラ」は明るい茶色系の縞(しま)模様で、遺伝子の関係によりほとんどが雄になります。こげ茶系の縞(しま)模様は鳥のキジの色に似ていることから「キジトラ」、グレー系の縞(しま)模様は魚の鯖(さば)の模様に似ていることから「サバトラ」と呼ばれます。

「サビ猫」は、黒と茶色がランダムに混ざり合った模様です。黒よりも赤茶系の配分の多いサビ模様を「ベッコウ」と呼びます。「ブチ猫」は白黒や白茶などの2色で模様がみられます。おなかや足の白いものが多く、様々な模様が現れます。

模様の形によって、額が八の字にみえる「ハチワレ」や、白と黒の現れ方が牛の模様に似ている「牛柄」などがあります。また、ブチ猫のブチに縞(しま)模様の現れる猫もいます。このとき、茶トラの模様が出ている場合には、「茶トラ白」という呼び方になるそうです。

「三毛猫」は黒と茶色と白などの3色の模様になります。黒と茶色の部分に縞(しま)模様のあるものを「縞(しま)ミケ」、黒と茶色の薄くなったものを「パステルミケ」と呼ぶそうです。「三毛猫」の遺伝子は性別を決める遺伝子と関係があるため、メス猫になることが多くオス猫は非常にまれで、オス猫が生まれる割合は30000分の1程度と言われています。

「サビ猫」についても同じように、ほとんどがメス猫になります。このような日本猫の呼び方をみてみると、日本人が親しみを持って猫と暮らしてきたことがわかりますよね。

猫の毛色と模様で珍しいもの

3匹の猫

ブレイズ

有名なちょっとかわった猫の模様には、顔の毛色が半分は黒で半分は茶色ときれいに分かれている猫の毛色をブレイズと言います。余りにきれいに色が分かれているので、「染めたの?」と聞かれることがあるそうです。黒色の方は目が黄色で茶色の方はブルーの目と、目の色も違うのですよ!

その他珍しい模様

また、かわいい模様には、黒猫の口元だけが偉人の髭(ひげ)のように白くなっている猫や、真っ白の猫のおなかに黒いハートがある猫などがいます。あんまりかわいいので、じっと見つめてしまいそうです。偶然にできた猫の毛色や模様が、本当に面白いですね。

まとめ

それぞれ入っている模様や性格はさまざまですが、新しく猫を迎える方は好きなタイプの性質かなどの判断材料に使うのも良いかもしれません。

猫の毛色も人と同じように年を追うごとに白い毛がみられるようになるそうです。加齢による毛色の変化は口元の毛でみられることが多く、白っぽくなります。「共に白髪の生えるまで」という言葉もありますが、愛猫にも人にも同じように白い毛が増えてくるまで、仲良くずっと一緒に過ごすことができたら幸せですね。

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