猫の気持ちがわからない
普段一緒に長い時間を過ごしている飼い主さんでも、猫の気持ちがわからない、ということがあるのではないでしょうか。猫の気持ちがわからない理由は、猫が人間ほど顔の表情が変わらないため、ということがあげられます。
猫の気持ちがわからないけど、人の気持ちも分からない、そんなことありませんか?人間でも、あまり表情が変わらない人は、何を考えているかわかりませんね。猫の顔もあまり表情が変わらないという意味で、猫の気持ちがわからないといったことがあげられます。猫の表情で変化が見られるとすれば、目の開け具合、口の開け具合、耳の向き、ヒゲの向きといった点が気持ちを表すポイントとなります。
注目ポイント
猫の気持ちがわからないが分からない、どんな気持ちなんだろう?と思った時に注目するのは、猫の顔だけではなく、体勢や仕草などを観察することで、どんな気持ちでいるのかを知ることができます。
猫の気持ちがわからないと感じたら猫がどのような体勢を取っているか、手足はどのようにしているか、尻尾のうごきはどうか、といったところを観察していくと猫の気持ちがわからないということが減ってくるでしょう。
猫の気持ちがわからない時は仕草を観察しよう
では、猫はどんな時にどんな仕草や体勢をするのでしょうか。猫の気持ちがわからないと感じた時はここのポイントをチェックしてみてくださいね。
怒っている、怖い時
毛が逆立っている
怒っている時や、恐怖を感じている時には、猫の背中部分の毛が逆立ちます。いつもは頭から尻尾に向かってゆるやかに流れている被毛が立ち上がり、ブワッと膨れたように見えます。
耳が後ろを向いている
猫が怒っている時、恐怖を感じている時には、耳がピンと張って寝かせた状態で、後ろを向いています。猫の気持ちがわからない時でも、この状態の場合はうかつにかまって、猫ちゃんを余計に刺激しないように注意しましょう。
尻尾がピンと立っている
怒りの頂点にいる時や攻撃しようとしている時には、尻尾の毛も逆立って、ピンと立てています。恐怖の方が強い時には、尻尾が下がり、後ろ足の間にはさむようにしていることもあります。
歯をむき出しにする
猫が怒り、相手を攻撃しようとする時には、口を開けて歯をむき出し、独特のうなり声をだしたり、シャーっという音を出します。怒って攻撃しようとしている時には、恐怖を感じている場合もあります。
悲しい時、怖い時
体を小さくする
悲しい時や怖い時には、丸くなって体を小さくしています。猫は怒った時にも恐怖を感じますが、負けを認めた時や、怖さで硬直して動けないといった時にも、小さく低い体勢で固まってしまいます。猫の気持ちがわからないけれど、こんな状態をみたらなんとなく気になりますよね。
耳を伏せる
耳は横を向いて下に倒れています。全体的に体勢は低く、小さくなってしまいます。
甘えたい時
喉を鳴らす
猫の気持ちがわからないではなく、猫の気持ちがちょっと分かりやすいサインですね。
猫がゴロゴロと喉を鳴らしている時は、ほとんどの場合、甘えたい時や、リラックスしている時です。
子猫の時に母親といる時、おっぱいを飲んでいる時にゴロゴロと喉を鳴らしていた行動の名残とされています。
顔や体を擦り付ける
飼主さんの足などに、頰や体を擦り付けてくる時は、甘えたい時です。こすりつけと呼ばれるこの行動は、餌をねだったり、撫でて欲しいという要求の行動であったりします。
猫の顔や体には臭腺という匂いを出す器官があり、頬、口の周り、額、肛門まわり、肉球といった場所に存在しています。これで自分の匂いをつけることで、縄張りや所有権を主張していると言われます。また、猫同士の親愛の気持ちを表す時にも、このこすりつけという行動が見られます。
尻尾を立てて近づいてくる
尻尾をぴんと立てるのは、親愛の気持ちです。子猫の頃に、母猫がお尻をなめて排泄をさせてくれる時に尻尾を立てていた時と同じようなものと考えられます。
リラックスしている時
香箱座りをする
お腹をべったりと床につけ、足を体の下に折り曲げた状態で座る仕草です。この体勢からはすぐに立ち上がったり走ったりしにくいことから、安全を感じてリラックスしていると考えられます。
お腹を見せる
猫の気持ちがわからないと悩むことがない、ひとめで分かるこのサイン。ゴロンと転がってお腹を見せている時には、リラックスしていると考えて良いでしょう。危険がないと判断した猫がとる行動です。お腹を見せて眠ったり、手足をなめてグルーミングを始めたりすれば、とても安心していると見て良いでしょう。飼主さんがそばにいる時には、親猫のように信頼しているとも言えます。
不安な時
大声で鳴く
よく猫が大声で鳴くけれど、その時の猫の気持ちがわからないという場合があります。猫が大声で鳴く時には、不安を感じているという可能性があります。特に、飼主さんが外出した後に大声で鳴いているとしたら、分離不安という精神状態になっているかも知れません。
飼主さんに依存してしまっているために、留守番させられると不安になってしまうのですね。何かの要求がある時、またそれが通らないので不満だというアピールで鳴くこともあります。
トイレ以外に粗相をする
トイレ以外に粗相をされることは、猫の気持ちがわからないという中でも、最も困る行為ではないでしょうか。猫は、飼主さんがいなくなって不安な時、飼主さんに気にかけて欲しい時に、ベッドやソファなど、トイレ以外の場所におしっこやうんちをしてしまうことがあります。
ただのイタズラで粗相をしているのではなく、猫がストレスを感じていたり、不安な気持ちであったりしますし、また何か病気が原因であるということもあります。猫の気持ちがわからないと、簡単に片づけてしまうのではなく、何か気になることがある場合は健康状態のチェックなどをしてみることも大切です。
触られたくない時
噛み付く
撫でられていておとなしかったのに急に噛むので猫の気持ちがわからない、となる状況があります。猫を撫でている時、飼主さんの手を噛むことがあれば、もう触らないでといった意味があると考えられます。
ただし、猫によって理由は異なり、撫でていたのをやめられたのでもっと撫でて、という意味で噛むこともあります。猫の気持ちがわからない、となる行動ですね。
呼んでも無視する
猫は、気分が乗らない時には、呼ばれても聞こえない様子で全く反応を示さないことがあります。猫の気持ちがわからないと感じる瞬間ですね。耳や尻尾を少し動かして、聞こえているよと合図してくれることもありますが、体勢が変わらなければ、放っておいてという意思表示だと言えるでしょう。
それでも猫の気持ちがわからない時は
しつけようと考えない
猫の気持ちがわからないという時、問題になる主な行動は次のようなものです。
- 大声で鳴く
- 噛む
- トイレ以外で粗相をする
これらは、しつけで治るといったものではなく、猫の心理状態によるもので、それは猫の環境や接し方で変えることができます。分離不安を感じている猫であれば、スキンシップを増やしたり留守番の時には気づかれないように出て行ったりするなどの対処法があります。
噛む時には、子猫の頃からの噛み癖以外のものは、その状況による理由がある行動なためしつけで治すものとは違います。むやみに叱っても、猫の気持ちがわからないと、ただ嫌な思いをさせてしまうことになります。
猫の気持ちがわからないからしつけでなんとかしようとは考えない方が、飼主さんのストレスも増えないでしょう。
イタズラできない環境にする
なぜそんな行動をするのか、猫の気持ちがわからないという場合、とりあえず問題行動ができない環境にするという方法もあります。壊れやすいもの、倒れやすいものなどは猫が入れない部屋に片付けるようにしましょう。
猫が寂しがる時には、甘えさせてあげるのも1つの解決策ですが、普段からあまりベタベタしすぎない態度で接して、お互いに依存しすぎない環境にすることも大切です。
また、粗相をするところで一番多いのが、飼主さんの寝室だとされていますので、寝室に猫が入れないようにする、といった方法もあります。
猫が喜ぶグッズをあげる
猫がストレスを感じている時には、猫が喜ぶようなグッズを与えることも1つの方法です。猫の気持ちがわからないけれど、とりあえず興味をひくことができれば、猫のストレスを少し解消できたと考えられます。
遊び足りないような猫にはおもちゃを与えてみる。あまり人に近づいてこない猫には、落ち着ける猫ベッドや箱などを与えてみるというやり方です。猫の気持ちがわからない時は猫が安心して過ごせる環境を与えられれば、飼主さんとの距離も縮まると考えられます。
まとめ
猫の気持ちがわからない時でも、猫の行動を観察することで猫の気持ちが想像できることがあります。猫の1つの仕草が必ずしも、1つの猫の気持ちを表現しているわけではありませんが、猫の気持ちがわからないと思う時には、猫の置かれている状況やいくつかの仕草を総合して判断する必要があります。
猫の気持ちがわからない状態から、少しでも猫のストレスを減らせるような状態になれたら、猫ともっと仲良くなれることでしょう。