猫が「新しいもの」に警戒する理由とは?
猫が「新しいもの」に警戒する理由は、ネオフォビアと言う心理的な傾向が関係しています。ネオフォビアとは、未知のものに対して不安や恐れを抱くこと。新しいキャットタワーや見知らぬ来客に警戒するのは、これが原因なのです。
警戒心が強く臆病に見えるのは、猫が生き残っていくために必要な傾向です。野生の世界では、警戒心なくボ〜っとしていたら、すぐに敵に狙われて命を落としてしまうからです。
そこで、臆病に思えるくらいの強い警戒心を持ち、周囲が安全かどうかを確認しているのです。
猫の性格にもよりますが、ご自宅の猫を初めて家に連れてきたとき、警戒してキャリーケースやケージからなかなか出てこない、と言うことはありませんでしたか?
我が家の猫は3日くらい、ケージから出てきませんでした。しかもトイレの上でずっと、じ~っとしてました。
トイレの上を毛布で覆ったら安心したようで、そこから約3日、出てこなかったのです。今ではすっかり慣れ、ボスのように君臨していますが。
猫が新しいものに警戒するのは、自分の身を守る上でとても大切な本能なのです。
とはいえ、このネオフォビアがあるが故に問題が起きることもあります。次項でその対処法について確認していきましょう。
猫が「新しいもの」に警戒するときの3つの対処法
猫が警戒するものに対して対処法が異なります。猫が警戒するのは以下のものが多いです。
- その1 見知らぬ人
- その2 初めての環境
- その3 新しいご飯
その1 見知らぬ人
見知らぬ人が来ると、サ~ッと逃げて身を隠してしまう猫は多いです。
このとき、無理に引っ張り出してその人に会わせることは、止めてあげてください。猫がストレスを感じ、その人のことが嫌いになってしまうでしょう。
猫が隠れたいだけ隠れさせてあげましょう。猫も見知らぬ人の様子を、陰からじっと見つめています。
その上で危険がないと判断すれば、好奇心から自分から近寄ってくるでしょう。もちろん全く近寄ってこない場合もありますが、そのときはそのままで。
猫が近寄ってきたときだけ、優しく声をかけるなどして接してもらえば良いのです。
ポイントは無理に猫を見知らぬ人に会わせないこと。仲良くなりたければ猫の方から寄ってきますので、そのときを待つようにすると1番スムーズです。
その2 初めての環境
初めての環境に警戒する猫も多いです。この場合は猫が慣れるまで、そっとしておいてあげましょう。
引っ越しなどで初めての環境に猫をおくときは、始めは1部屋だけに猫を入れておき、慣れてきたら他の部屋も探検させるようにすると、比較的スムーズに慣れることができるでしょう。
猫にわざわざ、初めての環境を案内する必要はありません。猫のペースを守り、猫が自分から警戒を解いて、好奇心を持って探検するのを待つ方が近道です。
その3 新しいご飯
新しいご飯に警戒する猫も。毒物を避けるための行動です。
全く食べない場合もあり、心配になってしまいます。子猫のときに1種類のご飯しか食べていないと、そうなりやすいといいます。
猫のご飯を変えるときは少しずつ元のご飯に新しいご飯を混ぜ、切り替えていくと良いでしょう。
また、匂いが強めの鰹節などを少量トッピングして興味をひく方法も。それでもダメなら、元のご飯を与え続けるしかないかもしれません。
いずれにしても焦らず、ゆっくりと新しいご飯を与えていきましょう。
ただ絶食が続く場合は、肝リピドーシスという病気になる可能性がありますので、3日以上ご飯を食べないときは動物病院を受診しましょう。特に肥満傾向の猫は要注意です。
まとめ
猫が新しいものを警戒するのは「ネオフォビア」が原因と分かりましたが、不思議なのが、新しいものでも届いたばかりの段ボールには警戒しないという点です。
警戒しないばかりか、無防備にも中に入り得意げな顔をします。ベッドも割と、そんな感じがします。
自分の身を隠せる場所は、別だということなのでしょうか?
まだまだ謎だらけの猫。彼らの謎が全て解き明かされる日は果たして来るのでしょうか?