猫が木登りを好む理由
猫の祖先であるリビアヤマネコは、その昔砂漠に生息していました。しかし、砂漠に生息するもっともっと前は、森林で暮らしていたのです。猫が木登りを好むのは、この森林で生活していた名残と言われています。
外敵から身を守るため
猫が木登りを好む理由として、外敵から身を守るという事が挙げられます。
地上には、猫以外にもたくさんの生き物が暮らしています。当然、猫の敵ともなる生き物もいます。そうした外敵から身を守るため、いざとなったら木に登って身を潜めたり、敵の攻撃を回避したり、眠ったりしていました。
ノミやダニから逃げるため
木登りが好きなのは他にも、地上でゴロンと横になったりしていると、ノミやダニなどの寄生虫が身体にまとまりついてきます。
小さくて大したことないように思われるかもしれませんが、このノミやダニは生命力も高く、寄生すると痒みによる猫へのストレスや、掻いた傷痕に雑菌が入り、皮膚炎になるなどの二次災害を招く、とても厄介なものなのです。
なので木登りで高いところへ避難することで、そうしたノミやダニから逃れるというメリットもあったのですね。
リラックスする時間を作るため
猫が木登りが好きな理由として外敵から逃れられるということは、それだけ安心できる場所ということです。猫もずっと警戒しっぱなしでは疲れてしまいますし、ストレスも溜まってしまいますよね。
なので猫は木登りで高所へ行き、のんび〜りとリラックスしてストレスを発散させたり、心と身体を休めたりするというような目的もあるのです。
狩りのため
猫の目は、動く物を追う動体視力はとても優れているのですが、色を判別したり止まっているものを見たりする視力そのものは、あまりよくありません。
ですので、猫は木登りをして高いところに行き、広い範囲から獲物を探すという役割ももっています。さらには、猫は待ち伏せしてタイミングを計ったあと獲物を捕らえますよね。
猫が木登りをして上にいれば見つかりにくく気づかれにくいので、待ち伏せには最適な場所だったのではないでしょうか。
優位に立つため
人間でも、上から見下ろされるとなんだか威圧を感じて、怯んでしまうことってありますよね。それと同じで、猫の世界でも上に立つものが強く、下のものが弱く見えるため、木登りをしてできるだけ高いところへ登ろうとします。
そうして高いところをゲットできた猫ちゃんは、何だか誇らしげで余裕のあるお顔をしていますよね。そのときの猫ちゃんは、「どうだ!自分は強いんだぞ!偉いんだぞ!えっへん!」というような気持ちなのでしょう。
室内で木登りできるおすすめグッズ
室内飼いでも大丈夫!猫ちゃんの木登り欲を満たしてくれる、とっておきのキャットタワーを難易度で分けて紹介したいと思います。
途中の休憩スペースなし!上級編
てっぺんまで登らなければ、安らぎスペースがないので、木登りが得意な身軽な猫ちゃん向け。最後まで登りきれば、全体を高々と見渡せるので、木登り欲は十分に満たしてくれる商品です。
途中からはハシゴ付き!中級編
最初は長めのポールのみですが、途中からはハシゴがあるので、長い木登りは苦手な猫ちゃんでも高所まで登りきることができます。屋根付きのお家もあるので、ほんのり暗くて狭いところが好きな猫ちゃんには、お気に入りのスペースになりそうですね。
ステップたくさん!初級編
こちらは途中にもステップがたくさんあるので、木登りがまだ上手くできない猫ちゃんでも安心して木登りの練習をすることができます。コーナーに置けるので、スペースの有効活用にもなって一石二鳥ですよ。
木登りした猫が降りられなくなるのはなぜ?
猫が木登りして降りられなくなる
このように、基本的にはメリットのために自ら進んで木登りをする猫ちゃんですが、時には予期せぬ木登りをして、降りられなくなってしまう猫ちゃんもいます。
リスや鳥などの動物、はたまた虫などの獲物を追いかけているうちに気づいたら木に登っていた、又は何かに追われて逃げているうちに登り過ぎたといった場合です。
木登りした猫の降り方
猫は、木登りをするときは主に前足の爪を引っ掛けて登っていきます。後ろ足の爪はあくまでも滑り止めで補助のようなもの。ですので、頭から降りようとすると前足の爪を引っ込めた際にそのまま落っこちてしまうのです。
ではどうやって降りるのかというと、後退するように降りていくか、低い所にジャンプしながら徐々に降りていく、又は地面に向かって一発ジャンプのどれかで降ります。
木登りした猫のレスキューの方法
このどれかが思いつけば良いのですが、一度「降りられない」と思ってしまうと、どの方法も頭に浮かばず、結果誰かが助けてくれるまで鳴き続けるということになってしまいます。
子猫の場合は母猫が助けに向かいますが、成猫だったり母猫が行けなかったりするときは、人間が助けてあげます。野良の猫ちゃんは警戒心が強い子が多いので、パニックを起こして木から落ちてしまわないように慎重に行います。
助け方は様々で、その猫の飼い主や慣れている人がいれば声かけをしてもらい、上手く降りられそうな素振りがあれば、褒めつつ自力で降りてもらう。
又は、登ってしまった木を徐々に倒して猫を地面に近づける、落下地点にネットを張り猫に水をかけて落とす、餌入りのケージを猫の前につり下げ誘導する、人間が助けに行く、などいろいろな方法があります。
まとめ
気がつけば、冷蔵庫の上、机の上、椅子の上など、何かしらの上にいる猫ちゃん。その行動にも、ちゃんと理由があるということが分かっていただけましたでしょうか?もし外で猫ちゃんが木登りをして降りられなくなっていたら、できれば助けてあげてほしいと思います。しかし、一人で何とかしようとはせず、周りにも協力を仰いだり、消防隊の人たちのチカラを借りたりするなど、決して無理をしないようにしてくださいね。