猫の威嚇の声
シャー
猫が威嚇する声として多くの人がイメージするのがこの「シャー」という声でしょう。このシャーという鳴き声は猫の天敵であるヘビを真似ていると言われています。シャーと声を出すときは相手を威嚇して「俺は強いんだ!」「それ以上近づくと攻撃をするぞ!」という臨戦態勢に入っていると言えます。
ミャーオー!!
通常の可愛い鳴き声ではなく、響くような大声で「ミャ~オ~!」と鳴いているときは相手に対して威嚇している声だといえます。特に相手と威嚇をしあっているときに聞く声で「やんのか!」「調子に乗るなよコノヤロー」「痛い目に合わせてやる!」という、喧嘩寸前という状態です。放置をしていると怪我をするくらいの大喧嘩が始まるかもしれませんので、もし止めたいならば下手に手を出さずに大きな音を出して注意をそらすなどして喧嘩を防止しましょう。
ワァーーー!!
何か見知らぬものと遭遇したときや、理解不能な出来事が発生したときに威嚇をする声は「ワァーーー!」というサイレンにも似たような声になります。この鳴き声をあげているときは、知らぬものに対して自分の体を大きく揺らし毛を逆立てて「なんだお前!」「一歩でも譲ってたまるか!」という感情をむき出しにします。
猫が威嚇する時の仕草
猫が威嚇する時は瞳孔が広がる
猫が本気で威嚇すると、アドレナリンや恐怖で瞳孔が広がります。広がっていなければ、猫は落ち着いています。警戒しつつも冷静だということです。
猫が威嚇している時は耳を伏せる
喧嘩になった時に備え、耳を保護する為に耳を伏せます。恐怖を感じている時も、耳を伏せることがあります。
猫が威嚇している時は耳を前向きにピンと立てる
逆に、威嚇していても耳を前向きにして、ピンと立てていることも。これは猫の自信の表れです。喧嘩に勝つ気、満々なのでしょう。
ヒゲを逆立てて威嚇する
猫が威嚇すると、ヒゲが立ちます。猫のヒゲは気分により、上に上がったり下がったり、前向きになったり後ろ向きになったりします。良く観察してみると、分かりますよ。
背中を丸め威嚇する
背中を丸めることで、自分の体を大きく見せ相手を威嚇し、相手が怖気付くようにしようとします。体を横向きにして、大きく見せることも。
我が家の猫は子猫の頃、良くやっていました。威嚇体勢ではありますが、攻撃する気と恐怖、半々の状態です。逃げたくないけど、怖い!そんな猫のジレンマを、表している仕草です。
毛を逆立てて威嚇する
猫が威嚇すると、毛を逆立てるのも有名ですね。体を大きく見せていると言われますが、実は恐怖心を必死で隠そうとしています。「お、お前なんか、全然怖くにゃいぞ!(ガクガクブルブル)」という心理のようです。
舌の両脇を立て、息を吐く
口を大きく開け、舌の両脇を立ててストローのような形にし、そこから温かい息を吐き出します。この時の息は、中々の匂いがします。声と匂いで、相手を威嚇するのです。あまり嗅ぎたくないですね・・・。
口を開けて歯を見せて威嚇する
口を開けることで、武器である歯を見せつけます。「俺はこんな強力な武器を、持っているぞ!かかってこいや〜!」とでも言いたげです。
しっぽをバタバタ振る
猫は怒りを感じた時に、しっぽを早くバタバタと振ります。威嚇の時も、左右にバタバタと振ることが多いです。犬とは逆で喜んでいるのではないので、間違えないようにしてください。危険です。
猫の威嚇の声と似ている鳴き声
ア―オン
低く唸るような声で鳴き続けるときは、恐怖を感じている、または嫌だという拒否反応を示している鳴き声といえます。威嚇をしているときは怒りですが、この鳴き声は恐怖という感情が根底にあります。大嫌いな病院に連れていかれるとき、見知らぬ人に触られているとき、シャンプーのときなど、恐怖を感じそうな場面でよく耳にする鳴き声です。
ウー
唸るような鳴き声をあげているとき、威嚇をしているのかな?と一瞬思ってしまうかもしれませんが、実は病気や怪我が原因で痛みを感じている、または苦しんでいる可能性があります。
トイレの最中にウーっと唸る、部屋の隅でうずくまりながらウーっと唸る、触ろうとすると唸るという場合は威嚇をしていると感じる前に、まずは体調に何らかの変化がないか?怪我はしていないか?チェックをしましょう。
カカカカ
獲物を見つけたとき、おもちゃで遊んでもらっているときに、今まで聞いたことがないような鳴き声をあげることがありますが、それは威嚇をしているのではなくテンションが上がっている、または狩猟本能が刺激されて、野生が目覚めているのかも。
短い鳴き声を連続しておこなうクラッキングという鳴き声をあげている、「カカカカ」や「ウウウ」といった声をあげているときは、獲物となる虫などがお部屋の中にいないか探してみてはいかがでしょうか?
猫が威嚇する心理
猫が威嚇の声を上げる時はどんな理由があり、どんな気持ちなのでしょう?
怒り
縄張りに侵入された、嫌なことをされたなど、猫が怒りを感じて威嚇の声を上げることが。野良猫は極力、他の猫とは会わないように暮らしているようですが、バッタリ会ってしまったなど、致し方ない時もあるのでしょう。
我が家の猫も、窓の外にいた猫にとても怒って、威嚇の声を上げていた事があります。人が猫にとって嫌なことをした場合も、怒られるかもしれませんので、注意しましょう。
恐怖
威嚇する時は何も、怒っている時だけではないようです。本当は恐怖を感じているから、威嚇することもあるのです。猫と長く暮らしていると、なんとなく、怒りの威嚇なのか恐怖の威嚇なのか、態度で分かってきます。ぜひ、見分けてあげてください。
攻撃体勢
威嚇は相手に、「あっち行け!」と警告しているのですが、同時に攻撃を仕掛ける体勢に入っていることも意味しています。警告しても相手が縄張りから出て行かない時は、いよいよ攻撃を仕掛けて喧嘩になります。
喧嘩の時は「ミャ〜ッッッ!」など、大きな声を上げて相手に飛び掛かり、取っ組み合うのです。「んニャロ〜!」とでも、言っているのでしょう。
強いんだぞ!
「俺は強いんだぞ!それでもやるのか」と相手に警告しています。まぁ喧嘩を仕掛ける時に「俺は弱いんだぞ!」と言う人は、いませんね。それと同じです。
それ以上近づくな
例えば、子猫を産んだばかりの母猫など、オスも怖がるほどの剣幕で、威嚇します。母が強いのは、何も人に限った話ではないようです。頼りになる母猫、これからも頑張って欲しいですね。
負けないぞ
耳がピンと立って威嚇している時は、「負けないぞ!」と言う気持ちの時です。怖いと耳を伏せるので、ピンと立てていると言う事は、それだけ自信があるのでしょう。
猫が威嚇の声を出している動画
猫が威嚇している時の声を、実際に聞いてみましょう。
子猫も負けてない威嚇争い
ケージに入った新入りの子猫と先住猫の、威嚇し合いの光景です。大人の先住猫を相手にしても、子猫も全く動じていません。普通に「シャー!」という声をあげているので、すごい度胸です。もしかすると大物かも!?
威嚇の声見本
まるで、威嚇の声見本のような動画。きれいな白猫、何故だか相当、怒っています。攻撃まで、しちゃってますから。しかも瞳孔ガン開きなので、かなりの本気度。可愛い猫なハズなのに、やっぱり威嚇すると顔、怖くなりますね〜!
威嚇→話す→威嚇を繰り返す猫
野良猫のようですが、上を見上げながら威嚇の声をあげ、その後何かを話しています。そしてまた威嚇・・・ちょっと忙しい、猫なのでした!
立った!猫が立った!
にらみ合う猫2匹。左側の猫が、もう一方ににじり寄ります。すると!予想だにしない出来事が!!続きは動画で、お楽しみ下さい。
威嚇は永遠に・・・
強面のキジ白猫に睨まれ、固まる白猫。2匹はにらみ合ったまま、数分が経過します。ひたすら威嚇声を上げる、キジ白。白猫も引こうとはしません。きっとこの威嚇バトルは、永遠に続くのでしょう。
まとめ
猫が威嚇の声をあげると、最初は何事かと思いますが、実際に取っ組み合いになる事は、それほど多くないようです。猫たちは極力、喧嘩を避けようとするので、きっと威嚇の声をあげる段階で、ある程度は勝敗が決まるのかもしれませんね。
とは言え、人が威嚇の声を出している猫に近づく事は、危険が伴います。なるべく遠巻きに、見ておくようにされてください。