特定の場所で行われるほりほり
猫はどこでもかしこでもほりほりする訳ではありません。特定の場所でほりほりをします。では、具体的にどのような場所かというとトイレとご飯の入っているお皿付近で行います。では、何故トイレやご飯付近でほりほり行動を行うのでしょうか。
トイレの場合
トイレの場合は、猫は排泄をする前後でトイレの砂をほりほりして排泄物を埋めようとするからです。猫は狩りをする動物だったので、自分の匂いを残して敵に狙われる事を防ぐために砂で排泄物を埋めて匂いを消す必要があったのです。その習性が現在でも消えずに残っているという事になります。
ごはん付近の場合
主に食後にほりほりする事が多いのですが、この場合猫は食べ物を埋めようとしてほりほりをするのだと考えられます。これは、野菜で暮らしていた時代に食べ残しを土に埋めて隠していた習慣から由来する仕草だと言われています。なので、食べ物を隠そうとしているからほりほりをするのだと考えられます。
猫のほりほりは野生の本能
ねこのほりほり行動は野生の本能から来る習性であり、習慣であると言う事が出来ます。今や、猫といえばペット用動物の可愛らしい生き物として広く知れ渡っていますがその歴史を辿っていくと今の可愛さとはある意味かけ離れた暮らしをしていた事が分かります。
野生動物から身を守るために排泄物の匂いを消すのも、いつ食べ物が手に入るか分からないために食べ残しを敢えて残して土に埋めておくのも、全ては厳しい自然界を生き残るために培った猫達の本能であると言えます。
なので、ほりほり行動が何かおかしいのだろうか、という心配を飼い主がする必要はありません。本能に目覚めて行なっているだけなので温かく見守って下さい。
トイレとごはん周り以外ではほりほりしないの?
ねこのほりほり行動はトイレとごはん周りでのほりほり行動が最も多いですが、決してその2つ以外の場所でほりほりをしない訳ではありません。
例えば、布団などでも猫が必死になってほりほりしている様子が見受けられる事があります。布団でほりほりしている場合は、寝床を整えようと必死になっているために夢中になって布団を掘っているのだと考えられます。
また、特に掘るような場所でもないのに猫が地面を掘っている場合は嬉しい気持ちを飼い主にアピールしている可能性が高いです。飼い主に可愛いと言ってもらえた時や構ってもらえた時には嬉しさが溢れ出てしまい、爪研ぎやほりほり行動を行う場合があります。
昔ながらの習性でほりほりしている時もあれば、自分の気持ちを表現するためにも猫はほりほり行動を行います。なので、猫がほりほり行動をしている時の場所や状況次第で彼らの気持ちを察してあげるのも飼い主の仕事だと考えます。
おわりに
猫のほりほり行動の大半が、昔ながらの習性に基づくものという事が分かりました。自分の匂いを消すための行為、それから生命維持のための行為がより強く残っているためにほりほりをするのです。私達人間が、火を使ったり水を使ったりするのと同じだという事になります。
しかし、決して習性だけでほりほりするのではありません。自分の気持ちを飼い主にアピールするためにもほりほり行動を使う場合があります。特に嬉しい時は、興奮して爪研ぎやほりほりする事によって「嬉しいよ。ありがとう」という気待ちを全面にアピールしてきます。
時と場合によって何故、猫がほりほりをしているのかを見極めるのも飼い主の大切な仕事です。様々な情報を入手しておき、異常行動ではない事を理解するのも重要な事です。