絶滅危惧種のアンデスネコをチリの首都郊外で発見!
絶滅危惧種であるアンデスネコの姿が、チリの首都サンティアゴ郊外で複数回にわたり目撃されています。
自然保護活動家ベルナルド・セグラ氏が撮影した動画には、体重4kg程度とみられるアンデスネコのオスの姿が映っており、崖のふもとの植物にマーキングをした後岩の上を歩き去っていきます。
セグラ氏によると、「野生に生息するアンデスネコは1400頭にも満たず、このように目撃できるだけでも幸運」とのこと。
アンデスネコは、人里離れたアンデス山脈の起伏の激しい場所にしか生息しないと考えられています。
セグラ氏は市の郊外にあるマウィダ公園自然保護区の付近で、アンデスネコが好む獲物であるビスカッチャが多くいることに気づき、今年2月にチリのサンティアゴから2.5kmほどのラ・レイナ周辺の崖の斜面にカメラを仕掛けました。
最初にアンデスネコの姿を捉えたのは今年の7月でしたが、その後アンデスネコの写真を40枚ほど撮ることができたそうです。
アンデスネコを保護するための課題とは
都市部近郊のようなアクセスしやすい場所で多くの個体に遭遇できるのは、アンデスネコを研究する上で非常に便利です。
動物の行動や分布をよく知るため、研究者は動物を発見した場所に何度も通う場合もあります。
人里離れた場所に生息している動物の場合、リアルタイムで観察するためにリモートカメラを設置したりするのも困難です。
アンデスネコの保護活動において重要となる「遺伝子研究用の糞の採集」などもこれまで難しい課題でした。ですが、大きな群れに容易にアクセスできればこの問題は解決するかもしれません。
アンデスネコの生息地として知られているアンデス山脈やアルゼンチンのパタゴニア草原などでは、こうした活動が非常に難しいそうです。
掘削や水圧破砕による環境破壊がもたらす絶滅の危機
アンデスネコについて研究されるようになったのはわずか20年ほど前のことで、その基本的な特徴については十分明らかにされていません。
人里離れた場所に生息する動物は多くの場合特別な保護措置が必要となりますが、こうした措置についても遺伝子研究により明らかになる可能性があります。
掘削や水圧破砕などを行う採取業は、動物の生息地を破壊しさらに大量の水を使用することで動物たちの水源を奪ってしまうため、アンデスネコにとって最も大きな脅威です。
セグラ氏は今年5月、サンティアゴ北部のバルパライソの丘陵沿岸部で発見した別のアンデスネコの群れに関する研究報告を発表しました。
そして同報告の中で、この地域で予定されているVizcachitas掘削プロジェクトを引き合いに出し、こうしたプロジェクトが環境に及ぼす危険について警告しています。