改正動物愛護管理法が施行
動物愛護管理法は正式名称を「動物の愛護及び管理に関する法律」といい、動物愛護法と略されることもあります。
動物の虐待防止などについて定められた法律で、飼い主やペット事業者の責任についても規定されています。
2019年6月に新しく法改正が公布され、2021年6月に生後56日以下の子犬や子猫の販売禁止などが施行開始となりました。
コロナ禍で在宅時間が増えたことでペットを飼い始めた人が多くいます。ペットブームが再来している今、どのように動物愛護管理法が改正されたのかを知り、ペットを飼う側の私たちが動物のためにできることは何かを、改めて考える機会にしたいものです。
従来から改正された3つのポイント
飼育管理基準の厳格化
悪質なブリーダーやペットショップにより、劣悪な環境で生まれ育てられる犬や猫が少なくありません。それらを取り締まるために、施設の構造や規模、従業員数、繁殖回数などの数値が規制されました。
狭いケージに1日中閉じ込められて、ほとんど世話もされないような犬猫を減らすための法改正です。子犬や子猫を産む道具として動物が利用されないように、出産回数や交配年齢も定められました。
虐待の罰則強化
動物の虐待や遺棄に対する懲役年数や罰金が厳しくなりました。犬や猫への虐待が後を絶たない現状で、強い罰則が抑止力として働くことが期待されています。
生後56日以下の子犬や子猫の販売禁止
従来の法律では生後49日(7週)以下の子犬や子猫の販売が禁止されていましたが、法改正によって生後56日(8週)以下を禁止と定められました。
生後間もなく親や兄弟と引き離された子犬や子猫は社会性が備わらず、感染症などにもかかりやすい状態でペットショップで売りに出されてしまいます。
その結果、飼い主さんとの生活が始まっても、噛み癖があったり、よく吠えたり、病気にかかりやすかったりと精神面でも健康面でも問題を抱えがちになります。
そのため親元で過ごす時間を長くとり、安定した状態で飼い主さんとの暮らしをスタートできるようにと、販売可能な時期が延長されました。
しかし生まれたての子犬や子猫は可愛らしいので売れやすく、手元から離れるのが早い方がブリーダーの金銭面や時間の負担が少ないという理由から、今回は1週間だけの延長となっています。
もっと長く親元で過ごすべきだと考える専門家もいるようなので、今後さらなる改正が検討される可能性もあります。