【飼い猫が必要の無い「狩り」をする理由】英研究チームが調査結果を発表

空腹ではなく「狩猟本能」で狩りをしている

イギリスのエクスター大学の研究チームは先頃、日常的に鳥などの動物を殺して食べている飼い猫の髭に含まれるタンパク質を詳しく分析し、猫が摂取する栄養が主に飼い主から与えられる餌に由来するのか、あるいは殺して食べた動物に由来するのかを特定しました。

その結果明らかになったのは、飼い猫が摂取する栄養の96%は飼い主から与えられる餌が供給源となっており、殺した獲物から得ている栄養は全体のわずか3~4%であるということです。

このことは、飼い猫が日常的に鳥などの動物を殺して食べるのは、空腹ではなく狩猟本能のためであることを示唆しています。

実際のところ、鳥などの動物を頻繁に狩り殺している猫は、狩った獲物をそれほどたくさん食べているわけではありません。

猫をはじめとする多くの肉食動物には、必要以上に多くの獲物を狩り殺し、後で食べるためにどこかに蓄えておく習性があるためです。学術的には、こうした行動を「余剰殺傷」と言います。

したがって、猫が鳥を食べるのを止めさせると十分な栄養を摂ることができなくなるのではと危惧する飼い主もいるようですが、その心配は不要と言えるでしょう。

愛猫の狩猟行動を減らすには?

肉を豊富に含むプレミアムフードを与えたり、1日に5~10分おもちゃを使って遊ばせ、猫の狩猟欲求をある程度満たしてあげたりするとよいそうです。

そのほかにも、猫から鳥を守るために作られたBirdsbesafeという猫用の首輪をつけたりする方法もあるようです。(鳥が猫による危険を察知しやすいようカラフルで鳥の目に付きやすいデザインとなっています)

イギリスではこの50年で鳴禽類の鳥の数が半減しているそうですが、こうした取り組みにより少しでも鳥の数が回復するとよいですね。

《参考URL》
https://www.sciencedaily.com/releases/2021/09/210930104829.htm