イギリスでペット用ワクチンが大幅に不足!コロナ禍で激増したペットの数に供給が追い付かず

ペットの急激な増加によりワクチンが不足

イギリス国内では、コロナ禍のロックダウンの影響などで急激にペットが増加。これに伴いワクチン需要も急増し、ペットのワクチン、特に猫のワクチンに大幅な不足が生じています。

ペットフード製造業者協会によると、イギリスでは2020年3月から2021年3月までの間に約320万の家庭が犬や猫を飼い始めたとされ、さらにパンデミックやロックダウンの影響も相まって、製造業者による供給が追い付かなくなったとみられています。

このため、獣医師は病気が重症化しやすい子猫や子犬、さらに1年目のブースター接種が必要な犬や猫に優先的にワクチンを接種。

その他の年1回のブースター接種が必要な成犬や成猫への接種は、必要に応じて延期するといった措置を取っているようです。

供給の見通しは不明

年1回のブースター接種の延期は3カ月程度のようですが、製造業者の推奨ガイドラインによると、この程度の延期であれば特に大きな問題はないとのこと。ただし、このワクチン不足状態がいつまで続くかは獣医師にもわかりません。

また、こうしたワクチン接種の延期が原因で、「万が一、ペットが病気になった場合に生じた高額な医療費は、飼い主が負担しなければならないのか?」という疑問を持つ飼い主も中にはいるでしょう。

イギリスの大手ペット保険会社Petplanによると、Petplanの保険加入者に関しては、ワクチン不足の影響でワクチン接種が延期されたとしても保険内容に影響が及ぶことはない、と請け合っています。

総力を挙げてワクチンの生産を急ぐ製造業者

国立動物衛生局によるとペットの福祉を考慮して、獣医師は病気にかかりやすい子猫や子犬の最初のワクチンプログラムを優先しなければならないケースもある。そのため年1回のブースター接種が必要なペットの飼い主に、接種の延期を求めることもあるとのこと。

さらに同衛生局は、「ワクチンはすべてのバッチの有効性や安全性、品質を確保するために多くの検査を行い、厳格に規制されたプロセスで生産しなければならない。しかし製造業者は今後も総力を挙げて生産を継続し、市場への供給を増やしていくことになる」と言います。

また、製造業者は獣医師と連携して、子犬や子猫など最もワクチンが必要な動物が、確実にワクチン接種を受けられる状況にしなければなりません。

このため、国立動物衛生局は飼い主に対し、ワクチン接種のスケジュールについては獣医師と相談の上アドバイスに従うよう呼び掛けています。