全米に広がる猫カフェ人気
ここ数年、世界中で猫カフェの人気が徐々に高まりつつあり、アメリカでも猫カフェは注目を集めています。
CNNの報告によると、2019年の時点で全米にある猫カフェの数は125店舗です。
フロリダ州では、2016年にフロリダ初の猫カフェ「Orlando Cat Café」がオープンして以降続々と猫カフェがオープンし、現在は10店の猫カフェが州内に点在しています。
ほとんどの猫カフェは動物シェルターと提携してますが、主な目的は猫の里親を見つけることです。
したがって、猫を譲渡する際に受け取った譲渡費用はすべて動物シェルター側に渡し、カフェ自体の主な収入源はコーヒーやパン菓子の売り上げ、寄付、入店料となります。
猫カフェと提携で動物シェルターの里親探しが効率化
フロリダのゲインズビルにある猫カフェ「Feeline Good Cat Café」では、新鮮なコーヒーの香りが漂う店内で10匹ほどの猫が里親を募集しています。
この猫カフェは動物保護団体のHumane Society of North Central Floridaと提携しており、今年6月にオープンして以来、わずか100日余りで115匹の猫が里親に引き取られたそうです。
カフェのオーナーであるフランチェスカさんは、2020年にセントアウグスティンの猫カフェから猫のスティービーを迎えた後、自身でカフェをオープンしました。
また、タラハッシーでTally Cat Caféという猫カフェを経営するケイティー・ローグさんは、「最近は猫カフェの人気が高いため、猫カフェと提携した保護シェルターでは猫の引き取り手が増えている」と言います。
Tally Cat Caféは「Leon County Humane Society」という保護施設と提携しており、すでに1000匹もの猫の里親を見つけています。また、昨年はパンデミックの影響もあり、里親が見つかる猫が週5匹程度から週15匹まで増えました。
猫カフェは今後も増加のきざし、その理由とは
ノースキャロライナ州を拠点に人と動物への暴力を防止するための活動を行う非営利団体National Link Coalitionのコーディネーターを務めるフィル・アーコウさんは、猫カフェはキャットセラピーのような動物介在活動の一形態であり、今後も成長する可能性がある業種と考えています。
Orlando Cat Caféのオーナーであるサンドラ・ケイガンさんは、動物シェルターでは見た目で猫を選びますが、猫カフェでは触れ合ったり遊んだりして性格を見て選ぶことができるため、こうしたカフェで里親が多く見つかるのも頷けるとのこと。
一方、タミー・キングさんは野良猫や捨て猫を保護する非営利組織を運営していました。
しかし寄付金が減る一方で医療費が高騰するなど苦しい状況にあったことから、保護活動を続けるための資金を募る目的で、猫カフェ「The Caffeinated Cat」をオープンしました。
店には1日に50人ほど来店しますが、保護活動であるため入店料は無料としています。このお店の主な目的は地域に対する啓蒙活動と猫の人気をさらに広めることです。
保護猫を迎えることが一般に浸透しているアメリカだけに、保護猫譲渡の仲介役として猫カフェが果たす役割も大きいようです。
気軽に猫と触れ合える猫カフェが世界中にもっと増えると良いですね。