猫の気持ちを掴むコツとは
ノッティンガム・トレント大学で行われた新たな研究により、猫に好かれるための意外なコツが明らかになりました。
そのコツとは、「飼い主が撫でたい時に猫を撫でるのではなく、猫が撫でて欲しい時に撫でてあげること」だそうです。
猫は感情表現があまり豊かとはいえず、飼い主でも猫の気持ちを理解するのが難しいことがあります。飼い主に撫でられている時も実はそれほど撫でられたいと思っていない場合があり、時には攻撃的な行動を取ることも少なくありません。
そこで今回、ノッティンガム・トレント大学の研究チームは、人間と猫のコミュニケーションを向上させるためのガイドラインを作成し、実際にこれが有効かどうかを検証する研究を行いました。
このガイドラインは「CAT」という略語で表され、Cは猫に「選択肢(Choice)」を与えて「主導権(Control)」を持たせること、Aは猫の行動やボディーランゲージに「注目(Attention)」すること、Tは猫が喜ぶ部位を「撫でる(Touch)」ことを意味します。
CATは猫の気持ちを理解するためのシンプルなガイドラインとなっており、以下のような内容が含まれます。
- 人間が手を差し出した時に撫でて欲しい場合は自分から手に体を擦り付けてくるが、猫が離れていった場合は無理に撫でようとしない
- のどを鳴らすのを止めたり、毛づくろいを始めたり、そっぽを向いたりした場合は、撫でるのを止めて欲しいと思っている
- 猫は主に耳の根元や頬周り、あごの下を撫でられるのを好むため、こうした部位を重点的に撫でる
CATのガイドラインで猫とのコミュニケーションを円滑に
今回の研究では、イギリスの動物福祉団体Batterseaの猫シェルターで飼育されている猫100頭とボランティア参加者がコミュニケーションを取る様子を観察しました。
各参加者は、CATのガイドラインについて指導される前に3匹の猫とコミュニケーションを取り、指導を受けたのちさらに3匹の猫とコミュニケーションを取ります。これにより、ガイドラインを実践しない場合と、実践した場合の猫の様子を比較したのです。
この結果、ガイドラインを実践した場合、猫は飼い主に対し攻撃的な行動を取ることが減り、逆に優しく接することが明らかになりました。
これは人間とコミュニケーションを取る際、猫は自分が主導権を取ることができるスタイルをより好むことを示しています。
Batterseaの猫福祉マネージャーであるジョアンナ・プッツォさん曰く、
「猫の好き嫌いの感情表現はごく微かなため、すぐに誤解されたり無視されたりしてしまいます。しかし専門知識がなくても簡単に実践できるこうしたガイドラインを用いることで、猫の気持ちをより正確に理解し、猫が気分よく過ごせるよう配慮できるでしょう」
とのことです。