保護猫の一時預かりをする里親を称える「Feline Foster Hero Contest」
2021年11月、ワシントン州スポーケンにある保護猫カフェ「Kitty Cantina」を運営する夫婦が、保護猫の一時預かりをする里親としての功績が認められ、「Feline Foster Hero Contest」で見事優勝を果たしました。
このコンテストは、動物保護団体「Greater Good Charities」とペットフードメーカー「ロイヤルカナン」が11月の「国内シェルター感謝ウィーク」を記念して開催したものです。
同コンテストでは、‟猫の一時的な里親”として貢献した人々の中から最終候補者10組が選出され、さらに一般投票で優勝者1組と準優勝者2組が決まります。
2名の準優勝者は1000ドル(約14万円)、そして優勝者は最高5000ドル(約57万円)分の「彼らのお気に入り保護団体に寄付するための助成金」を受け取ることができます。
優勝者の真摯な姿勢が評価
保護猫や保護犬を一時的に預かる里親の仕事はとても重要な仕事であり、正式な譲渡先が決まる前の保護動物に安全な場所を与え、また譲渡先の家庭により適応しやすくなるよう動物を適切に社会化させなければなりません。
さらに、時には預かった動物に情が湧き、ずっと手元に置いておきたくなっても堪えなければならないこともあります。
こうした側面を踏まえ、優勝したトーリ・コッツァさんとジャスティン・コッツァさん夫妻はとても真摯な姿勢で保護猫カフェの運営に取り組んでいたことが評価されました。
地元動物シェルターと提携した猫カフェ運営
彼らが2020年に猫の保護施設兼猫カフェ「Kitty Cantina」をオープンして以降、一時預かりから正式に「夫婦の家族」として迎え入れた保護猫は2匹のみです。
他にもこれまでに手放したくないと思った猫はいましたが、コッツァ夫妻は自宅ではあまりたくさんの猫を飼わないようにしています。
自宅の飼い猫が増えると、長い目で見て助けてあげられる猫が少なくなることが分かっていたからです。
これまでに約800匹の猫を譲渡
現在コッツァさんの自宅ではシャム猫のレディ(2歳)と、一時預かりとして迎えた後正式に迎え入れたミノウ(2歳)とウェンズデー(3歳)の3匹を飼っています。
一方、Kitty Cantinaではもっと多くの猫が暮らしており、この猫たちはみんな地元の動物シェルター「SpokAnimal」からの預かり猫です。
また、コッツァさんが自宅で飼っている猫たちも、以前はSpokAnimalの保護猫でした。
トーリさんは同団体で長いことボランティアをしてきたため、猫カフェをオープンして以降も提携先としてともに猫の福祉に取り組んでいます。
Kitty Cantinaからは、これまでに800匹近くの猫が新たな家庭に譲渡されており、コッツァさんは譲渡数が今後さらに伸びていくことを願っています。
猫の福祉活動をライフワークとする娘想いな夫婦
コッツァ夫妻は日頃の真摯な取り組みが評価されて今回コンテストで優勝することができましたが、実は当初、自分たちがノミネートされていることさえ知りませんでした。
夫妻がノミネートされたことを知ったのは最終候補の10組が発表された2日後で、知人に教えてもらったことでエントリーされていることが分かりました。
その時点で得票数は後れをとっていたものの、その後見事に巻き返し優勝を果たします。
そしてもちろん夫妻は賞金をSpokAnimalに贈りました。同団体はこの賞金を妊娠した猫や臓器の画像検査などに役立つ超音波検査機器の購入に充てるそうです。
また、夫妻にはKitty Cantinaの食費や消耗品費の足しにできる500ドル(約5万7,000円)のギフトカードが贈られました。
コッツァ夫妻は、「動物の福祉活動は情熱を持てる仕事であるとともに、ライフスタイルであり家族観を反映するものである」と言います。
特別なケアを必要とする猫を預かったり、子猫にミルクを与えたり社会化訓練をしたりすることは、すべて家族として楽しんで行っているそうです。
また、娘さんの思いやり深い姿を見ることができるのも、「生まれたての子猫が成長して新たな家族に引き取られるのと同じくらい嬉しい」と、娘思いの顔も覗かせます。