猛々しさと可愛さを併せ持つ「ねこトラ」とは?鳥取・渡辺美術館で「吉祥展2022 ねこトラ参上!」開催

「吉祥展2022 ねこトラ参上!」が開催

2021年12月22日から2022年01月24日まで、鳥取県鳥取市の渡辺美術館にて「吉祥展2022 ねこトラ参上!」が開催中。

企画展で展示されるのは、鳥取藩の御用絵師を務めた「土方稲嶺」、その高弟である「黒田稲皐」、奇才と呼ばれた「片山楊谷」など、鳥取ゆかりの絵師たちの作品をはじめとして、徳川幕府の御用絵師「狩野探信」や、ユニークな絵が評判の画僧「仙厓」などの作品です。

ねこトラとは?

古来より「虎」は強さの象徴とされてきました。

戦国時代以降の武家社会では、屏風や障壁、掛け軸などに虎を描いて強さを誇示。ところが、日本には実物の虎がいないという大きな問題がありました。

虎と同じように強さの象徴とされていた「龍」は、古くから神獣として伝えられており、神社仏閣の欄間彫刻や障壁画などに描かれていました。

しかし虎は実在する動物ですが、日本で見たことのある人がほとんどいなかったので、当時の絵師たちも中国や朝鮮の文献、絵画などを参考にして虎を描いたと言われています。

また、虎に似た身近な動物として“猫”をモデルに描いたとも伝えられています。

このようにして描かれた虎は、力強さの中にどことなく可愛らしさを感じさせる「ねこトラ」の姿になりました。

これは、当時描かれた日本画でしか見ることができない貴重な姿でしょう。

さらに、渡辺美術館では2022年1月3日~1月10日の期間中に、新春特別企画として「七福神スタンプラリー」も開催しています。ご興味がある方はぜひ参加してみてください。