元気に生まれたオスのユキヒョウ
2021年9月、イギリスにある大型猫の保護施設「ビッグ・キャット・サンクチュアリー」で、ユキヒョウの赤ちゃんが生まれました。
同年9月15日、施設内の監視カメラに写っていたのは、ユキヒョウの「レイラ」が美しく健康的なオスの赤ん坊を出産する姿です。
現在のところ赤ん坊は順調に成長しており、経験豊富な母親に寄り添っているとのこと。10月21日の時点では体重は1.8kgほどあり、母親の母乳で毎日すくすくと成長しています。
ユキヒョウの赤ん坊はある程度体が丈夫になるまで母親とともに屋内で過ごし、ワクチン接種などがすべて完了してから野外で最初の一歩を踏み出します。
2度目の出産
この赤ん坊の親となったのは「レイラ」と「ヤーコ」の繁殖ペアで、このペアから赤ん坊が生まれるのは今回が2回目です。
レイラとヤーコからは、2019年にも2頭のオス「コシ」と「クンブ」が生まれました。
コシは現在、ハイランド・ワイルドライフ・パークに移りそこで家族を作っています。またクンブも間もなくトウィクロス動物園へ移り、ユキヒョウの繁殖プログラムに参加する予定です。
現在のところ、ヤーコは母親と赤ん坊から離して飼育されていますが、施設では今後いずれかの時点で家族として、あらためて引き合わせることができればと考えています。
絶滅危惧種を保護するための取り組み
ビッグ・キャット・サンクチュアリーは、「ヨーロッパ絶滅危惧種繁殖プログラム」に参加し世界の絶滅危惧種を保護するための活動に協力しています。
今回生まれたユキヒョウも絶滅危惧種であり、野生で生息しているのは4000~6000頭程度です。
野生のユキヒョウの個体数は、毛皮を目的とした密漁などにより大きく脅かされています。
繁殖プログラムでユキヒョウの飼育下頭数が増加すれば、万が一、今後野生のユキヒョウが著しく減少しても望みをつなげることができるでしょう。
今回2回目の出産を果たしたレイラは、熱心に注意深く赤ん坊に気を配っており母親として非の打ちどころがない様子です。
そんなレイラを施設のスタッフも「誇りに思う」と言います。スタッフの地道な取り組みの甲斐あって、元気な可愛いユキヒョウが生まれて何よりですね。